1998年に発売されたPlayStation版『Street Fighter Alpha 3(日本名:ストリートファイターZERO3)』を、現行のPC環境でネイティブ動作させることを目指したプロジェクト「Street Fighter Alpha 3 Recompiled」のバージョン0.2.6が、GitHubで公開されました。
本プロジェクトは、PlayStation用ゲームの静的リコンパイルを行う「psxrecomp」をベースにした非公式プロジェクトです。Capcomが開発・配布しているものではありません。
●Street Fighter Alpha 3 Recompiled
https://github.com/TechnicallyComputers/Street-Fighter-Alpha-3-Recomp
●Street Fighter Alpha 3 Recompiled v0.2.6
https://github.com/TechnicallyComputers/Street-Fighter-Alpha-3-Recomp/releases/tag/v0.2.6
PS1版のプログラムを現行環境向けに変換
静的リコンパイルは、ゲームに含まれているPlayStation用の機械語を解析し、PC上で実行可能なコードへ事前に変換する手法です。ゲームの実行中にPlayStationのCPUを逐次再現する一般的なエミュレーターとは異なり、あらかじめゲームのコードを現行環境向けに変換してから動作させます。
近年では、NINTENDO64やPlayStation用ゲームを対象にした同様のプロジェクトが増えており、古いゲームをWindowsやLinux、macOSへ移植する新たな手段として注目されています。
今回公開された「Street Fighter Alpha 3 Recompiled」は、PlayStation版『Street Fighter Alpha 3』の米国版を対象にしています。PS1版はアーケード版をベースに、追加キャラクターやオリジナルのシナリオ、キャラクターを成長させながら各地を巡る「ワールドツアー」モードなどを収録しているのが特徴です。
Windows、Linux、Intel Mac、AppleシリコンMacに対応
プロジェクトのリリース用設定では、以下の環境を対象にしたパッケージが用意されています。
- Windows x64
- Linux x64
- macOS x64
- macOS ARM64
そのため、Intel Macだけではなく、Appleシリコンを搭載したMac向けのビルドにも対応しています。ただし、GitHubからダウンロードしたファイルにゲーム本体が含まれているわけではありません。
配布されているのは、ユーザーが所有しているゲームデータからコードを生成し、実行環境を構築するためのセットアップホストやツール類です。
利用するには、正規に所有している米国版『Street Fighter Alpha 3』のディスクイメージが必要になります。PlayStationの市販BIOSやゲームのディスクイメージは配布されていません。コード生成時には「OpenBIOS」を使用できますが、ユーザーが自分で吸い出したPlayStationのBIOSを指定することも可能です。
セットアップを支援する「RetComM Launcher」に対応
本プロジェクトは、PlayStation用リコンパイルプロジェクトを管理する「RetComM Launcher」にも対応しています。「RetComM Launcher」では、プロジェクトのインストールや更新、ROMとBIOSの設定、再ビルドなどの処理をまとめて管理できます。
リリースZIPに含まれるセットアップ機能を使って単独でコードを生成・ビルドすることもできますが、「RetComM Launcher」を利用することで、タイトルごとに繰り返し必要になる作業を自動化できるとのこと。
ロールバック方式のオンライン対戦も掲げる
GitHubのプロジェクト説明では、PC、Mac、Linuxへの対応に加えて、ロールバックネットコードを使用したオンライン対戦への対応も掲げられています。
ロールバックネットコードは、通信相手の入力を予測しながらゲームを進め、実際の入力と異なっていた場合にゲームの状態を巻き戻して修正する仕組みです。遅延を感じにくいオンライン対戦を実現する技術として、現在の格闘ゲームでも広く採用されています。
ただし、バージョン0.2.6のリリースページには詳しい変更内容や、オンライン対戦機能の完成度について記載されていません。
現時点では初期段階のプロジェクト
「Street Fighter Alpha 3 Recompiled」は、完成したPC移植版をダウンロードしてすぐに遊べるというものではありません。ゲームデータからコードを生成し、実行環境をビルドする作業が必要になるため、現時点では開発者や検証に参加したいユーザー向けのプロジェクトと考えた方がよさそうです。
また、ゲーム全体を問題なく進行できるのか、各モードやセーブデータ、コントローラー、オンライン対戦などがどの程度動作するのかについても、十分な検証情報は公開されていません。
それでも、PS1版『ストリートファイターZERO3』が静的リコンパイルの対象になったことは、PlayStation用ゲームを現行環境へ移植する流れが、対戦格闘ゲームにも広がり始めた事例として注目できそうです。
via. GitHub















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