NINTENDO64向けに開発されながら発売されることがなかったRareの『Dinosaur Planet』を、iPhoneやiPadでネイティブ動作させるプロジェクト「DinoPad」の最新版「DinoPad 0.1.2」が公開されました。
●DinoPadプロジェクト
https://github.com/chrissotraidis/dinopad?utm_source=chatgpt.com
●DinoPad 0.1.2
https://github.com/chrissotraidis/dinopad/releases/tag/v0.1.2?utm_source=chatgpt.com
今回公開されたバージョンでは、2000年12月版の『Dinosaur Planet』プロトタイプを遊ぶことができる「Prototype Mode」が利用可能。一般的なNINTENDO64エミュレーターとは異なり、ゲームのプログラムをあらかじめArm64向けのネイティブコードへ変換する「静的リコンパイル」を利用しているところが大きな特徴です。
DinoPadはエミュレーターではなく、実行時にJIT(Just-In-Time)コンパイルを行うこともありません。『Dinosaur Planet: Recompiled』や「N64: Recompiled」、N64ModernRuntime、RT64など、既存のリコンパイル関連プロジェクトをベースに、iOS/iPadOS/macOS向けのアプリケーションとして動作するように統合されています。
タッチ操作やゲームコントローラーにも対応
iPhone/iPad版では、NINTENDO64の操作を再現するタッチコントロールを搭載。iPhoneとiPadで個別のレイアウトが用意されているほか、配置の編集にも対応しています。
物理ゲームコントローラーにも対応しており、コントローラーを使用している間はタッチ操作用のボタンを自動的に非表示にすることも可能です。
最新版の0.1.2では、初回起動時のROMインポート方法やチェック機能が改善されたほか、オプションとしてタッチ操作によるZターゲットのロック機能も追加。また、一度DinoPadのホーム画面に戻ったあと、再びゲームを開始すると映像がズーム/クロップされてしまう問題についても修正されています。

ゲームROMは含まれず、自分で用意する必要あり
公開されている「DinoPad 0.1.2」のIPAファイルには、『Dinosaur Planet』のゲームデータは含まれていません。
利用するには、2000年12月版の未改変『Dinosaur Planet』プロトタイプROMをユーザー自身で用意する必要があります。対応しているのは容量64MiB、内部名「DINO PLANET」、ゲームコード「NDPE」、Revision 0のROMで、MD5は「49f7bb346ade39d1915c22e090ffd748」と指定されています。
一般的に「rom」というファイル名で知られているものが対象となっており、「rom_crack.z64」は使用できません。
iPhone/iPadでは、用意したROMを「ファイル」アプリやiCloud Driveなどに保存しておき、DinoPadの初回起動時にファイルピッカーから選択します。その後、DinoPad側でROMを検証したうえでアプリ内部に取り込む仕組みです。

公開IPAで遊べるのは「Prototype Mode」のみ
注意しておきたいのは、一般公開されている「DinoPad 0.1.2」で利用できるのは、オリジナルの2000年12月版をベースにした「Prototype Mode」のみという点です。
プロジェクトでは、コミュニティによる修復プロジェクト「DinoMod Enhanced v0.9.3」を組み込んだ「Restored Adventure」も開発されています。こちらは不具合やゲーム進行上の問題などを修正したバージョンですが、DinoModの再配布許可が得られていないことから、一般公開されているIPAには収録されていません。
READMEに掲載されている「Restored Adventure」のスクリーンショットなどは、あくまでも非公開の開発ビルドを使用したものとなっています。
また、公開されているIPAは未署名のため、そのままiPhoneやiPadにインストールすることはできません。利用にはユーザー側でIPAを署名してインストールする環境が必要です。対応OSはiOS/iPadOS 15以降となっています。

『Dinosaur Planet』とは?
『Dinosaur Planet』は、RareがNINTENDO64向けに開発していたアクションアドベンチャーゲームです。
当初は独自タイトルとして開発されていましたが、その後『スターフォックス』シリーズと統合されることになり、開発プラットフォームもNINTENDO64からニンテンドー ゲームキューブへ変更。最終的には2002年に『スターフォックス アドベンチャー』として発売されました。
2021年には、2000年12月1日付の開発途中のビルドが発見され、実際にNINTENDO64実機やエミュレーターなどで動かせる状態であることが明らかになっています。
今回のDinoPadが興味深いのは、この未発売NINTENDO64タイトルを単純にiPhone上のN64エミュレーターで動かしているわけではないところです。
静的リコンパイルによってN64用プログラムをあらかじめArm64向けネイティブコードへ変換し、RT64のMetalバックエンドなどを組み合わせることでAppleデバイス向けのアプリとして動作させています。ソースからビルドする場合はApple Silicon搭載Mac向けのネイティブアプリとして利用することも可能です。
近年はNINTENDO64タイトルを静的リコンパイルによってPCなどへ移植するプロジェクトが増えていますが、iPhoneやiPadをターゲットにしたDinoPadは、その技術がモバイル環境にも広がりつつあることを示す興味深いプロジェクトといえそうです。















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