日本人が開発中! 『MiSTer FPGA』のX68000コアをチェック

日本人が開発中! 『MiSTer』のX68000コアをチェック

シャープが1987年に発売した、ホビーパソコンの『X68000』。名前からもわかるように、CPUにはモトローラーのMC68000を搭載。大容量のVRAMと強力なグラフィックコントーラーなどを採用しており、まさにハイエンドなゲームマシンとして登場しました。毎年使用が変わる当時パソコン業界において、「5年半はハードを買えない」と明言しており、その安心感からか本機を選んだユーザーも多かったのではないでしょうか?

今はなきエンパイアステートビルのツインタワーをイメージした、マンハッタンシェイプも斬新でした。ちなみに筆者は秋葉原で衝動買いをしたのですが、たしかモニターを合わせて40万円以上した記憶があります(もちのろんで、ローンで)。

さて、そのX68000用のコアが日本人のプー氏の手により現在開発が行われています。いわばβ版ともいえる状態のためGitHubにあるものは古いバージョンのみで、そちらでは公開されていません。下記に記載されているサイトまたはスレッドから、プー氏が公開しているソース入手してコンパイルし、.rbfファイルを生成する必要があります。

●8801 on FPGA(プー氏が運営するサイト)
http://fpga8801.seesaa.net/

●X68000 beta(MiSTer FPGAフォーラムの関連スレッド)
https://misterfpga.org/viewtopic.php?f=36&t=165

以前はIOボードを利用してふたつめのSDカードスロットを使用していましたが、現在はひとつのSDカードのみで動かすことができるようになったため、『Terasic DE10-Nano』と『SDRAM』さえあれば動かすことが可能です。

コアを動かすには、以下の要領で必要なファイルをSDカードに入れておく必要があります。

①【コアファイル】.rbfファイルを/ media / fat / _Computer /に配置
②【ゲーム】ゲームの.D88ファイルを/ media / fat / games / X68000 /に配置
③【BIOS】x68000.romを/ media / fat / bootrom /に配置
④【SRAMファイル】SRAM.DATファイルの名前をSRAM.RAMに変更し、/ media / fat / games / X68000 /に配置

ゲームのディスクイメージはd88形式に変換しておく必要があります。Vectorより下記のツールをダウンロードして変換することが可能です。

●Virtual Floppy Image Converter
https://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se151106.html

X68000のBIOSは、シャープが無償で公開されています。

●IPL-ROM – 無償公開されたシャープのソフトウェア – ソフトウェアライブラリ – X68000 LIBRARY
http://www.retropc.net/x68000/software/sharp/x68bios/

ディスクは、F12キーを押してOSDのメニューからFDD0とFDD1の項目を見つけ、必要に応じてそれぞれに該当するディスクのファイルをセットしましょう。あとは「Reset」を選ぶと再起動してゲームが読み込まれます。

日本人が開発中! 『MiSTer』のX68000コアをチェック

まだまだ開発中のバージョンということもあり、いくつかおかしいところもあるようですが、マウスなども普通に使えて快適にゲームをプレイすることができました。パソコン系のコアは全般的に複雑で少し時間が掛かる印象ですが、そうしたところも含めて今後の展開にも注目していきたいですね!

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。