開発者のcmyksoda氏が2026年11月5日、バーチャルボーイ向けの非公式エミュレーター『VBoy Color GX』v2.0.0を公開しました。今回のアップデートでは、Wii Uで直接動作するネイティブ版が新たに追加されたほか、WiiおよびWii UのWii互換モード(vWii)におけるゲームの動作速度が大幅に改善されています。
●『VBoy Color GX』公式GitHub
https://github.com/cmyksoda/vbcgx
●『VBoy Color GX』配布ページ
https://github.com/cmyksoda/vbcgx/releases
Wii Uネイティブ版を新たに追加! GamePadにも対応
『VBoy Color GX』は、yuk27氏らが開発する『VBoy Color』をベースに、cmyksoda氏がWii向けに移植した無料のオープンソースエミュレーターです。エミュレーション部分にはBeetle VB系のコードを利用しており、2026年10月19日に初版が公開されました。
最大の特徴は、バーチャルボーイ特有の赤と黒を基調としたゲーム画面を、さまざまな色で表示できることです。ゲームごとに用意されたカラーパックを使った色分けや、自動で色を割り当てるモード、グラデーションなど、複数のカラー表示方式が利用できます。
ただし、オリジナルのゲームROMに隠されていた色情報を復元するものではなく、エミュレーター側で独自に色を追加する仕組みです。なお、元となる『VBoy Color』については、以前当サイトでもAndroid端末への対応を紹介しています。
今回のv2.0.0で大きく変わったのが、Wii Uネイティブ版の追加です。これまではWiiやWii UのWii互換モード(vWii)向けに提供されていましたが、新たにWii U本体で直接動作するバージョンが用意されました。
Wii U版は、Homebrew環境のAromaに対応したアプリとして公開されています。配布ファイルの『vbcgx-wiiu.wuhb』をSDカード内のsd:/wiiu/apps/に配置することで、Wii Uメニューから起動できる仕組みです。
開発者は実機でWii U GamePadの操作やタッチ画面、カバーアートの表示などを確認しています。また、コントローラーのボタン設定ではスティックの方向も割り当てられるようになり、左スティックと右スティックをバーチャルボーイの左右の十字キーとして使用することも可能です。
なお、Wii U版の利用にはAromaを導入したHomebrew環境が必要です。通常のWii Uに市販ソフトと同じ方法でインストールできるわけではありません。また、バーチャルボーイ本来の立体視を再現するものではなく、ゲーム画面は通常の2D表示となります。
26作品の動作速度を計測! 21作品がフルスピードに
今回のv2.0.0では、WiiおよびvWii版の動作速度についても大幅な改善が図られています。開発者は、バーチャルボーイ向けに発売された24作品と未発売のプロトタイプ2作品を合わせた計26作品について、Wii実機とWii UのvWii環境で動作速度を計測しました。
その結果、21作品については計測したすべての場面でフルスピードに達したと報告しています。さらに、『Galactic Pinball』『Nester’s Funky Bowling』『Panic Bomber』『Red Alarm』の4作品についても、フルスピードまたはそれに近い動作を確認しています。
●開発者による速度計測結果
https://cmyksoda.cc/vbcgx/bench/
今回の計測では、50フレーム単位で処理時間を調べ、最も遅い場面でも1フレームあたり18.0ミリ秒以下であればフルスピードと判定しています。バーチャルボーイ本来の動作速度を維持するために必要な目安は19.9ミリ秒以下ですが、余裕を持たせた厳しい基準が採用されています。
改善幅も具体的な数値で示されています。vWii環境では、従来のv1.2.0で計測対象859場面のうち58場面が19.9ミリ秒を超えていましたが、v2.0.0ではわずか1場面まで減少しました。
一方、今回新たに追加されたWii Uネイティブ版については、これとは別の速度計測結果が公開されています。そちらでは26作品中17作品が計測範囲でフルスピード、6作品がフルスピードまたはそれに近い動作となっており、残る3作品には一部の場面でわずかな速度低下が確認されています。
ただし、これらは開発者が選んだ場面における計測結果であり、ゲーム全体の完全な動作を保証するものではありません。vWii版では『Vertical Force』の一部で速度低下が残るほか、『Jack Bros.』や『Red Alarm』などでも、一時的に色の表示が変化する問題が報告されています。
『VBoy Color GX』はGitHubで無料公開されており、ゲームROMは同梱されていません。利用する場合は、必要なHomebrew環境に加え、適法に用意したゲームデータが必要です。
今回のアップデートでは、従来からのカラー表示という特徴に加え、Wii Uへの対応とゲームの動作速度が大きく改善されました。バーチャルボーイのゲームをWii系のハードウェアで楽しむための選択肢が、さらに広がったといえそうです。




















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