ドリームキャストやNAOMIなどに対応するエミュレーター「Hollycast」で、描画機能を中心とした大幅な改良が進められています。
開発元のGitHubでは、2026年10月29日にテクスチャフィルターの拡張が、11月1日にはmacOS向けのMetal描画機能が開発版に取り込まれました(いずれも日本時間)。さらに、さまざまな映像効果を追加できるシェーダー機能の開発も進行中です。
「Hollycast」は、オープンソースのドリームキャストエミュレーター「Flycast」から派生した非公式プロジェクトです。基本的なエミュレーション機能を引き継ぎながら、ユーザーインターフェースの刷新や、より細かなカスタマイズ機能の追加を目指して開発されています。
●Hollycast Builds(公式配布ページ)
https://nexus382.github.io/Hollycast/
●Hollycast GitHub Releases
https://github.com/nexus382/Hollycast/releases

Jinc2やMMPXなど、多彩なテクスチャフィルターを追加
今回の更新で特徴的なのが、テクスチャの表示方法を細かく調整できるフィルター機能の拡張です。
新たに追加された「Sample Texture Filter」では、Jinc2やMMPX、Lanczos2、Lanczos3、Catmull Rom、Mitchellなど、多数のフィルターから好みの方式を選択できるようになりました。
これらは、ゲーム内で使用されているテクスチャを拡大表示する際などに、どのように画素を補間するかを調整するための機能です。フィルターによって輪郭のシャープさや滑らかさが異なるため、ゲームの雰囲気に合わせた表示方法を選べるようになります。
また、フィルターを適用するテクスチャの最大サイズも設定可能です。8、16、32、64、128、256、512、1024以上という選択肢が用意されており、処理対象となるテクスチャの幅を制限できます。
さらに「Texture Filtering Live Tune」という機能も追加されました。こちらはゲームを動作させたまま、フィルターの種類や適用サイズを変更できるというものです。設定を変えるたびにゲームを再起動する必要がないため、実際の映像を確認しながら好みの表示に調整することができます。
対応する描画方式はVulkan、DirectX 11、OpenGL 3、OpenGL ES 3などです。ただし、DirectX 9やOpenGL 2、OpenGL ES 2では、今回追加されたフィルターは利用できません。

macOS向けMetal描画にも対応! シェーダー機能は引き続き開発中
もうひとつの大きな変更が、macOS向けのMetal描画機能の追加です。
MetalはApple製デバイス向けのグラフィックスAPIで、今回「Hollycast」にはmacOS用のネイティブ描画バックエンドが実装されました。従来の描画方式とは独立した仕組みとなっており、三角形単位やピクセル単位での描画処理にも対応しています。
開発チームによるテストでは、『クレイジータクシー』のデモ画面で発生していた道路や空、建物などが正しく表示されない問題についても、修正が確認されています。
ただし、Metal描画はまだ実験的な実装です。NAOMI 2には対応しておらず、古いMacを含む幅広い環境での検証も完了していません。また、従来の描画方式より高速に動作することが保証されているわけではありません。

一方、シェーダー機能についても開発が進められています。GitHubで公開されている開発中の機能には、GLSLやSlang形式などのシェーダーへの対応や、複数の処理を組み合わせる仕組み、ゲーム画面を確認しながら効果を調整するプレビュー機能などが含まれています。
もっとも、こちらは2026年11月2日時点では開発用ブランチで作業が続けられている段階です。通常の開発版に統合された機能ではないため、現時点ですべてのシェーダー機能を利用できるわけではありません。
このほかにも、ゲームライブラリーの表示テーマやカバー画像の取得機能、ゲームの再開機能、VMU画面の移動・サイズ変更など、使い勝手を改善する機能が追加されています。
「Hollycast」の配布ページでは、Windows、Linux、macOS、Android、Nintendo Switch、Xbox向けのビルドが案内されています。ただし、今回紹介した新機能の多くは開発版に追加されたものであり、安定版の「v0.1.1」にすべて含まれているわけではありません。開発版は不安定な場合もあるため、試す際には注意が必要です。
「Flycast」のエミュレーション機能をベースにしながら、映像表現や操作環境をより自由にカスタマイズできる方向へ進化している「Hollycast」。今後、開発中のシェーダー機能がどのような形で統合されるのかも気になるところです。
via.Reddit




















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