ゲームキューブエミュレーター『Pureikyubu(プレイキューブ)』に、ゲームキューブ側の状態を丸ごと保存・復元できるセーブステート機能が新たに実装されました。
この機能を追加するPull Request #453「GameCube: save states, the File menu items and the JDI commands」は、2026年9月24日に公式GitHubのmasterへマージ。翌9月25日に公開されたGit開発版にも取り込まれており、実際に試せる状態となっています。
●Pureikyubu Pull Request #453
https://github.com/emu-russia/pureikyubu/pull/453
ゲームキューブ側で初めてセーブステートに対応
今回実装されたのは、ゲームを通常のセーブポイントとは関係なく、その時点のエミュレーターの状態ごとファイルへ保存し、あとから同じ状態へ戻せる「セーブステート」機能です。
開発者のogamespec氏によると、これまでPureikyubuのゲームキューブ側には、エミュレートしているマシン全体の状態をファイルへ書き出し、その状態を復元する仕組みがありませんでした。今回のPRでは、すでにPureikyubuへ統合されているGBAエミュレーション側の仕組みを参考に、ゲームキューブにも同様のシステムが導入されています。
保存対象にはCPUのGekkoをはじめ、メインメモリー、映像・音声関連のインターフェース、DSP、ARAM、ディスクドライブの状態、コマンドプロセッサー、グラフィックスパイプラインなど、ゲームの実行状態を再現するために必要となる多数の情報が含まれています。
一方で、ゲームのディスクイメージそのものやメモリーカード、OpenGLのオブジェクト、デバッガーのブレークポイントなどはセーブステートには含まれません。保存した状態が別のゲームや異なる環境のものだった場合には、誤って読み込まないようチェックする仕組みも用意されています。
F5/F7でクイック保存・読込。10個のスロットも利用可能
ユーザーから見て分かりやすい変更となっているのが、SDL版の「File」メニューに追加されたセーブステート関連の機能です。
「Quick Save State」と「Quick Load State」が用意され、それぞれ「F5」と「F7」キーから素早く保存・読込が可能になりました。さらに10個のセーブスロットが用意されており、複数の場面を個別に保存しておくこともできます。
保存されたデータは、起動しているゲームイメージと同じ場所に作成されます。たとえば「pong.dol」を実行している場合は、「pong.st0」から「pong.st9」といった名称で各スロットの状態が保存される仕組みです。
コマンドから利用するための「savestate」「loadstate」「states」も追加されており、通常のGUI操作だけではなくデバッグ用途などからもセーブステートへアクセスできるようになっています。
保存した状態を正しく再現できるかテストも実施
今回の実装では、単にファイルへメモリー内容を書き出すだけではなく、保存した状態を正確に復元できるかについてもテストが行われています。
開発者はテストプログラム「pong.dol」を使用し、ある地点で状態を保存したあと、2万命令分実行した結果と、同じ保存地点を読み込み直してから同じく2万命令実行した結果が一致することを確認しています。
また、破損したセーブステートや途中で切れたファイル、別のゲームから作られた状態、何も保存されていないスロットなどについては読み込みを拒否する仕組みも導入されています。
ただし、これはあくまでも開発段階にあるエミュレーターへ追加された新機能です。すべてのゲームで問題なくセーブ・ロードできることが保証されたわけではなく、今後の検証や修正によって仕様が変わる可能性もあります。
9月25日のGit開発版ですでに利用可能
セーブステート機能を追加したPR #453は9月24日にmasterへマージされ、9月25日にEmuCRで公開された「Pureikyubu Git (2026/09/25)」にも収録されています。同サイトではWindows向けのコンパイル済みx64版も案内されています。
なお、この9月25日版には同時にPR #454によるGBA関連のDMAやDISPSTATの修正も含まれています。これらはセーブステートとは別の変更となっているため、今回の新機能とは分けて考える必要があります。
また、公式GitHubでは9月20日に「Pureikyubu 1.9.1」が正式リリースされていますが、今回紹介しているゲームキューブ側のセーブステート機能は、その後の9月24日にmasterへ追加されたものです。そのため、セーブステートを搭載した新しい正式版が公開されたというわけではなく、9月25日時点ではGit開発版で利用できる機能となっています。
『メトロイドプライム』の動作改善に続き、遊びやすさも向上
当サイトでは9月12日にもPureikyubuの大型アップデートについて紹介しました。その際には、『メトロイドプライム』がタイトル画面まで到達できるようになったことや、ゲームキューブ向けLinux「GC-Linux」の起動に成功したことなど、エミュレーション精度の向上が大きな話題となっていました。
今回追加されたセーブステートは、それらとは少し方向性が異なります。CPUやグラフィックスの再現精度を高めるだけではなく、プレイヤーが実際にゲームを動かす際の利便性へ直接つながる機能だからです。
Pureikyubuは現在も開発途中であり、一部のゲームでは描画の問題や停止などが発生する可能性があります。それでも、ゲームの動作改善に加えてセーブステートのような基本的なエミュレーター機能も整備され始めたことで、実用面でも少しずつ環境が整ってきています。
今後、この機能がさらに安定し、将来の正式リリースへ取り込まれていくのかにも注目したいところです。
















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