Nintendo Switchで『F.E.A.R.』が遊べる!? Xbox 360版を再コンパイルした非公式移植『F.E.A.R. NX』が公開

Nintendo Switchで『F.E.A.R.』が遊べる!? Xbox 360版を再コンパイルした非公式移植『F.E.A.R. NX』が公開

2005年に登場したホラーFPS『F.E.A.R.』のXbox 360版を、Nintendo Switchで動作させる非公式移植プロジェクト『F.E.A.R. NX』のv0.1.0が、2026年10月22日(日本時間)に公開されました。開発を手掛けたのはinfriker氏で、GitHubではプログラムの配布が開始されているほか、実際にNintendo Switchで動作している様子を収めたプレイ映像も公開されています。

今回のプロジェクトで興味深いのは、Xbox 360用に作られたゲームプログラムを再コンパイルすることで、異なるハードウェアであるNintendo Switch上でネイティブ動作させている点です。単にXbox 360のゲームをエミュレーターで動かしているわけではなく、Nintendo Switch向けのプログラムとして移植されています。

●『F.E.A.R. NX』v0.1.0配布ページ
https://github.com/infriker/fear-nx/releases/tag/v0.1.0

●『F.E.A.R. NX』プロジェクトページ・README
https://github.com/infriker/fear-nx

●『F.E.A.R. NX』ブラウザーインストーラー
https://infriker.github.io/fear-nx/

スローモーションも動作! おおむね30fpsでプレイ可能

『F.E.A.R.』は、ホラー要素と激しい銃撃戦を組み合わせたFPSです。プレイヤーは特殊部隊の一員となり、超常現象が絡む事件に立ち向かっていきます。

本作の特徴のひとつが、周囲の動きを遅くするスローモーション機能です。敵の動きを見極めながら銃撃戦を繰り広げることができ、独特の緊張感と爽快感を味わえる作品として知られています。

今回公開された『F.E.A.R. NX』では、オリジナルのメニュー画面に加えて、キャンペーンモードも動作するとのこと。開発者の報告によると、Nintendo SwitchのGPUクロックを614MHzに設定した環境では、おおむね30fpsで動作するそうです。

ただし、負荷の高い場面やスローモーションを使用した際には、25~27fps程度までフレームレートが低下することもあるといいます。この数値は開発者が示した条件下でのもので、すべての場面で安定した動作を保証するものではありません。

現在もパフォーマンスの改善が進められており、今後のアップデートにも期待したいところです。

Xbox 360のプログラムをNintendo Switch向けに再コンパイル

今回の移植を実現しているのが、『ReXGlue』と呼ばれるツールです。

Xbox 360ではPowerPC系のCPUが採用されているのに対して、Nintendo SwitchではARM系のCPUが使用されています。当然ながら、そのままではXbox 360用のプログラムをNintendo Switchで実行することはできません。

そこで『F.E.A.R. NX』では、『ReXGlue』を使用してXbox 360版のPowerPCコードを静的再コンパイルし、Nintendo SwitchのAArch64環境で動作するプログラムへと変換しています。

また、グラフィックの描画には、Vulkanを利用したネイティブの描画エンジンが採用されています。これにより、Xbox 360版のゲームをNintendo Switch上で描画できるようにしているというわけです。

こうした仕組みによって、もともとは異なるハードウェア向けに作られたゲームをNintendo Switchで動作させている点は、なかなか興味深いところではないでしょうか。

専用インストーラーも公開! ただしゲームデータは別途必要

『F.E.A.R. NX』のv0.1.0は、GitHubのリリースページから入手できます。また、導入作業を簡単にするためのブラウザーベースのインストーラーも用意されています。

ただし、今回公開されているのはゲームを動作させるためのプログラムであり、『F.E.A.R.』そのもののゲームデータは含まれていません。

利用するには、対応するXbox 360版『F.E.A.R.』のISOイメージ、または実行ファイルの「default.xex」と「Game」フォルダーを含む抽出済みデータを、利用者自身で用意する必要があります。

インストーラーでは、用意したゲームデータをブラウザー上で読み込み、Nintendo Switch向けのファイルを作成することができます。ゲームデータはローカル環境で処理され、サーバーにアップロードされることはないとのことです。

なお、対応しているのはXbox 360版の特定のリビジョンのみで、Windows PC版のゲームデータは利用できません。

また、動作にはHomebrewを実行できるNintendo Switchが必要です。通常のNintendo Switchにファイルをコピーするだけで遊べるものではなく、任天堂や『F.E.A.R.』の権利者による公式移植でもありません。

現時点では不具合も。今後のアップデートに期待

今回公開されたv0.1.0では、いくつかの問題も報告されています。

そのひとつが、シェーダーの生成に関するものです。初めて表示されるエフェクトなどについては、描画処理の準備が完了するまで、一時的に画面上の表示が欠けたり、動作が引っかかったりする場合があるそうです。

また、前述したフレームレートの低下についても、今後の改善対象となっています。ジャイロセンサーを利用した照準操作についても、v0.1.0のリリースノートでは今後の実装予定として挙げられています。

ちなみに、公開されている設定ファイルはGPUクロックを自動的に614MHzへ変更するものではありません。開発者が報告しているフレームレートは、あくまでも該当する設定で動作させた場合の目安となります。

まだ初期バージョンということもあり、完成度の面では改善の余地が残されていますが、Xbox 360版の『F.E.A.R.』がNintendo Switchで動作するというだけでも、十分にインパクトのあるプロジェクトといえそうです。

今後、パフォーマンスの改善や新機能の追加によって、どこまで快適に遊べるようになるのか注目したいところです。

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