開発者のkernel64氏が2026年10月21日、Xbox 360向けのドリームキャストエミュレーター『HarissaDC』を公開しました。今回リリースされたのは、初の開発版となる「0.1.0-dev」。ドリームキャストのゲームデータをXbox 360上で動かすという、ちょっと意外な組み合わせを実現しようとする非公式プロジェクトです。
ただし、利用できるのはRGHまたはJTAGと呼ばれる改造が施されたXbox 360に限られます。市販の未改造のXbox 360にインストールして使えるものではありません。
●HarissaDC 0.1.0-dev
https://github.com/kernel64/HarissaDC/releases/tag/v0.1.0-dev
●HarissaDC
https://github.com/kernel64/HarissaDC
Xbox 360でドリームキャストを動かす
『HarissaDC』は、ドリームキャスト向けゲームのディスクイメージを読み込み、Xbox 360上で実行するためのエミュレーターです。Xboxやセガが提供する公式ソフトではなく、個人開発によるホームブリューソフトとして公開されています。
開発者の説明によると、ドリームキャストが搭載するSH-4プロセッサーの命令を、Xbox 360のPowerPC系プロセッサー向けに変換して実行する仕組みを採用。また、ドリームキャストのグラフィック機能「PowerVR2」をXbox 360のGPU「Xenos」上で再現するほか、サウンドやコントローラー関連の機能にも対応しています。ドリームキャスト用のBIOSを別途用意する必要がない点も特徴です。
もっとも、こうした機能が搭載されていることと、すべてのゲームが問題なく遊べることは別です。今回はユーザーから動作報告を集めるための初期開発版であり、完成版ではありません。
対応形式や仮想VMUなどの機能も搭載
ゲームデータの対応形式として案内されているのは、.gdi、.cue/.bin、.chd(バージョン5)、.iso、.7zです。ただし、.gdiでは関連するトラックファイルが必要で、.cue/.binにも所定のGD-ROM構成が求められます。また、.isoはデータトラックのみが対象となっており、拡張子が一致すれば必ず使えるというわけではありません。複数ディスクの作品については、ゲーム中のメニューからディスクを切り替える機能が用意されています。
セーブ関連では、ドリームキャストのビジュアルメモリを再現する仮想VMUに加え、ゲームごとに4つの保存枠を使えるステートセーブ機能を搭載。Xbox 360のコントローラーは最大4台まで対応し、ボタンの割り当てもプレイヤーごとに変更できます。
画面表示についても、4:3表示や画面の拡大・位置調整、走査線、CRT風の効果、FXAA、シャープ化などの設定が用意されています。ゲーム一覧にパッケージ画像を表示する機能もあり、本体がネットワークに接続されている場合に画像を取得する仕組みです。
『シェンムー』などでテスト。ただし不具合や速度低下も
開発者はRedditへの投稿で、『クレイジータクシー』『シェンムー』『ソニックアドベンチャー』を使ってテストしたと報告しています。ただし、これらのタイトルが最初から最後まで快適にプレイできると確認されたわけではありません。今回の報告は開発者自身によるもので、当サイトが実機で検証した結果でもありません。
公開ページでは、現時点で判明している不具合も紹介されています。たとえば『デイトナUSA 2001』では一部のメニューでグラフィックが正しく表示されず、『Jet Grind Radio』では一部のムービーが低速で再生されるとのこと。また、.chd形式は.gdiや.cue形式と比べて読み込みが遅くなると説明されています。ゲームによっては起動しない場合もあるため、互換性や動作速度は今後の改善に期待したいところです。
『HarissaDC』の導入方法は、配布されているZIPファイルを展開して「HarissaDC」フォルダーをXbox 360にコピーし、その中の「games」フォルダーにゲームデータを配置して「default.xex」を起動するというものです。ただし、前提としてRGH/JTAG改造済みの本体と、非公式ソフトを起動できるランチャーが必要です。ゲームデータもユーザー自身が適法に用意する必要があります。
ちなみに、当サイトでは以前、ドリームキャスト実機とSDカードアダプターを使ってゲームディスクをバックアップする方法を紹介しています。ただし、その方法で作成したデータが『HarissaDC』でそのまま利用できるかは未確認です。実際に試す場合は、対応形式や必要なファイル構成を確認してください。
現時点でソースコードは公開されていませんが、開発者は将来的に公開する意向を示しています。まずは対応状況や問題点を集めるためのスタート地点といえそうです。今後、Xbox 360でどこまでドリームキャストのゲームを再現できるようになるのか、引き続き注目したいところです。
















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