スーファミ実機で30fpsの3DホラーFPSを目指す!『Veins of Iron』が専用カートリッジの製品化へ

スーファミ実機で30fpsの3DホラーFPSを目指す!『Veins of Iron』が専用カートリッジの製品化へ

スーパーファミコンの実機で、本格的な3DホラーFPSを動かすことを目指す『Veins of Iron』。現在、開発元のModeVIIが、専用カートリッジを使用したパッケージ版の製品化に向けて、Kickstarterでクラウドファンディングを実施しています。

本作は、1990年代のFPSやサバイバルホラーに影響を受けた完全新作タイトルです。最大の特徴は、カートリッジ内部に独自のコプロセッサーを搭載することで、スーパーファミコンの実機上で毎秒30フレームの3D描画を実現しようとしている点です。

開発自体は2026年春から公表されていましたが、今回のキャンペーンでは、ゲームの完成に向けた仕上げや専用カートリッジの製造、パッケージ版の制作などを目指しています。

●Kickstarter公式キャンペーン
https://www.kickstarter.com/projects/modevii/veins-of-iron

●『Veins of Iron』公式サイト
https://veinsofiron.com/

1990年代のFPSとサバイバルホラーを融合した意欲作

『Veins of Iron』は、往年の『Wolfenstein 3D』などを彷彿とさせる、一人称視点のホラーFPSです。舞台となるのは、1920年代のヨーロッパをモチーフにした、ゴシックホラーと産業革命期の雰囲気が入り交じる世界。プレイヤーは第一次世界大戦の生存者であるコンラッド・アイゼンハートとなり、怪しげな儀式や異形の存在がうごめく事件の謎を追っていきます。

ゲームでは、薄暗い街並みや工場、地下墓地、古い屋敷、廃墟などを探索しながら、さまざまな敵と戦っていきます。単に敵を倒して進むだけではなく、鍵を探したり、隠された通路を発見したりと、探索要素も取り入れられています。

開発者が掲げているゲームの規模は、全20ステージ、5種類の武器、8種類の敵、そして4体のボスというもの。『Wolfenstein 3D』のような昔ながらのFPSに、『バイオハザード』を思わせるホラーの雰囲気を組み合わせた作品となっています。

また、開発者によれば、テクスチャが貼られた床や天井、照明効果、画面の揺れ、イベントを制御する仕組みなども実装されています。スーパーファミコン向けの作品でありながら、単なる懐古的なゲームにとどまらない表現を目指しているようです。

カートリッジ内の専用プロセッサーで3D描画を実現

本作でとくに興味深いのが、3D描画を実現するための仕組みです。

スーパーファミコンでも、かつて『スターフォックス』などで特殊なチップを搭載したカートリッジが利用されていましたが、『Veins of Iron』では、現代のプロセッサーを組み込んだ専用カートリッジを採用する計画です。

具体的には、Raspberry Piのマイコンチップ『RP2350B』を利用したコプロセッサーを搭載。開発者の説明によると、150MHzで動作するデュアルコアのARM Cortex-M33を採用し、8MBのフラッシュメモリーと1MBのSRAMを備えた構成となっています。

これにより、従来のスーパーファミコン本体だけでは難しかった3D表現を、カートリッジ側の処理能力を活用することで実現しようというわけです。ゲーム自体はC言語と、スーパーファミコンのCPUで使われる65816アセンブリ言語を用いて開発されています。

開発元は、こうした独自の仕組みによって、実機で毎秒30フレームの動作を実現することを目標として掲げています。

もっとも、過去に公開されたゲームプレイ映像は改造されたエミュレーターで収録されたものでした。そのため、製品版のカートリッジを使用した場合にも、目標とする描画性能が安定して得られるかどうかについては、今後の続報を待つ必要があります。

パッケージ版は99ユーロ! Kickstarterで支援を募集中

現在実施されているKickstarterキャンペーンでは、目標金額を9900ユーロに設定。10月20日に海外メディアのTime Extensionが報じた時点では、60人の支援者から7502ユーロが集まっていました。

用意されているパッケージ版は、PAL版とNTSC版の2種類。いずれも専用カートリッジに加えて、外箱と印刷されたマニュアルが付属する予定で、支援価格は99ユーロとなっています。なお、送料や適用される税金については、キャンペーン終了後に別途請求される仕組みです。

開発元の公式サイトによると、ゲーム本編はほぼ完成しており、現在は最終的な品質確認を進めているとのこと。今回の資金調達は、専用カートリッジの製造をはじめ、アートや音楽の充実、パッケージ版の制作などにも充てられる計画です。

一方、パッケージ用に公開されているイメージアートについては、一部に生成AIを利用した仮の画像が使われています。開発者は以前のインタビューで、資金調達後に人間のアーティストが制作したものへ差し替える方針を説明しています。ゲーム内のピクセルアートや65816アセンブリコードには、生成AIを使用していないとのことです。

なお、現時点で発売日や日本への配送対応などは確認できていません。また、Kickstarterは一般的な予約販売とは異なり、支援によって製品の完成や発送が保証されるわけではない点にも注意が必要です。

今から30年以上前に登場したスーパーファミコンで、現代の技術を組み合わせることで、どこまで本格的な3DホラーFPSを楽しめるようになるのか。今後、専用カートリッジを使用した実機での動作映像などが公開されることにも期待したいところです。

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