ドクターマリオをゲームボーイカラー化するパッチのためにバージョンをいろいろ調べることになった件

ドクターマリオをゲームボーイカラー化するパッチのためにバージョンをいろいろ調べることになった件

先日リリースされたゲームボーイの『ドクターマリオ』をゲームボーイカラー化するパッチの、『Dr. Mario DX』。こちらをさっそく試してみようとしたところ、どうやら所有しているゲームのバージョンと合致しないことが判明しました。

●Dr. Mario DXの入手先
https://www.romhacking.net/hacks/5281/

この『Dr. Mario DX』が対応しているのは「Dr. Mario (World) (Rev A)」と呼ばれるバージョンです。吸いだした手持ちのROMをROMチェッカーで見てみると、Ver1.0となっていることがわかりました。どうやらゲームボーイの『ドクターマリオ』にはふたつのリビジョンが存在しており、このVer1.0とは別にVer1.1があります。

このVer1.1の呼び方はRev.AやRev.1と呼ばれることもありますが、基本的にこれらは同じ物だとおもっていいでしょう。また、吸いだした時点でファイル名に「(World)」と付いていることからもわかるように、世界共通のものとなっています。

ドクターマリオをゲームボーイカラー化するパッチのためにバージョンをいろいろ調べることになった件

日本で発売されたものには1990年10月3日版と1991年2月21日版がある?

Game Boy Databaseというサイトによると、日本で発売されたものは下記のふたつがヒットしました。ちなみにゲームが発売されたのは1990年7月27日であるため、ここに書かれている日付は発売日ではなさそうですが、どうやら1年後に追加で新たなバージョンが発売されていることがわかります。

DMG-VUA-JPN (03/10/1990) Booklet : JPN Cartridge : JPN
DMG-VUA-JPN (21/02/1991) Booklet : JPN Cartridge : JPN

●Game Boy Database
https://www.game-boy-database.com/search-keyword.php

Ver.1.1では6つのレベルが追加されている

これは本題とは関係ありませんが、ゲームボーイ版『ドクターマリオ』についていろいろと調べているときに発見したものですが、リビジョンによってゲームの違いもあるようです。なんでもオリジナルのVer1.0では、レベルは24まで用意されており、以下ループする使用になっています。また、使用されていないものの、レベル25も用意されていました。

しかしVer1.1ではさらに6つのレベルが追加されており、レベル30まで繰り返しループする使用になっています。また、重複した「2 PLAYER GAME」と「(c) Nintendo 1990」タイルマップも削除。それに加えて、マイナーなオフセット計算とヘッダーの更新も行われています。

●Dr. Mario (Game Boy) – The Cutting Room Floor
https://tcrf.net/Dr.Mario(Game_Boy)

マニュアルにバージョン違いがあった?

ざっくりと分けて、前期(Ver1.0)と後期(Ver1.1)があることはわかったのですが、見た目的な違いはあるのかいろいろと調べてみたところ、唯一異なるものを発見したのがマニュアルでした。ゲームの型番は「DMG-VUA」なのですが、マニュアルに「DMB-VUA-1」と書かれているものを発見。さっそく入手してみることに。

こちらのROMは残念ながら前期(Ver1.0)でしたが、Internet Archiveにアップされているものと比較したところ、マニュアル自体にはいくつか異なるポイントがあることが判明しました。もしかしたら、後期版は「DMB-VUA-1」なのかもしれませんが、中古ソフトの場合ちゃんぽんされてしまうこともあるため、ほとんど目安にはなりません。

●Dr. Mario (ドクターマリオ) [DMG-VUA] Manual
https://archive.org/details/dr-mario-japan-manual/page/n15/mode/2up

ドクターマリオをゲームボーイカラー化するパッチのためにバージョンをいろいろ調べることになった件
ドクターマリオをゲームボーイカラー化するパッチのためにバージョンをいろいろ調べることになった件
ドクターマリオをゲームボーイカラー化するパッチのためにバージョンをいろいろ調べることになった件

3本目のカートリッジでVer1.1を引き当てる

そもそもゲームボーイ版『ドクターマリオ』のバージョン違いなど探している人などおらず、全くの手探りで調査しなければいけなくなったわけですが、ここまで入手してきたソフトの刻印を見てみるとそれぞれ「11」と「22」と書かれていることがわかりました。

これだけだとサンプルが少なくあまり判断できないため、とりあえず追加で購入してみることに。しかし、売られていた時の状態では、刻印まではまったく確認することができませんでした。

家に帰ってから刻印を確認してみると、「22A」というこれまでとは異なるものだったことが判明。これは期待出来そうということで、カートリッジリーダーで吸いだしてみることに。このときにすでにわかっていましたが、液晶画面に表示されるファイル名にバージョンが付けられており、いわゆる後期版出あることが判明。実際にROMチェッカーでも調べてみたところ、やはりVer1.1だったことがわかりました。

■ゲームボーイ版『ドクターマリオ』の刻印情報
刻印:11 Ver1.0
刻印:22 Ver1.0
刻印:22A Ver1.1

もしかしてだけど~、「Rev.A」と呼ばれてるのはこの「A」からきてるんじゃないの~?

ドクターマリオをゲームボーイカラー化するパッチのためにバージョンをいろいろ調べることになった件
▲ようやく入手できたVer1.1

さっそくパッチを当ててみた

ようやく後期版(Ver1.1)が手に入ったので、さっそくパッチを当ててみることに。ROMのパッチファイルの拡張子は.bpsとなっているのでbeartというツールでパッチを当ててみました。

●beat
https://www.romhacking.net/utilities/893/

ドクターマリオをゲームボーイカラー化するパッチのためにバージョンをいろいろ調べることになった件

というわけで、ばっちりゲームボーイカラー化に成功! それだけではなく、十字キーの左右で『Dr.LUIGE』、『Dr.DAISY』、『Dr.WARIO』と切り替えて遊ぶこともできます。

ドクターマリオをゲームボーイカラー化するパッチのためにバージョンをいろいろ調べることになった件
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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。