Wiiの『スーパーマリオギャラクシー』がGBAで動く!? 驚きの移植プロジェクトがソースコードを公開

Wiiの『スーパーマリオギャラクシー』がGBAで動く!? 驚きの移植プロジェクトがソースコードを公開

2007年にWii向けに発売された3Dアクションゲーム『スーパーマリオギャラクシー』を、なんとゲームボーイアドバンス(GBA)で動作させるという驚きのプロジェクトが登場しました。開発を手掛けているのは、Game of Tobiとして活動するTobias Friedly氏です。

同氏は、この非公式移植プロジェクト『SMG GBA Project』のソースコードをGitHubで公開しました。2026年10月20日には海外メディアのHackadayやGBAtempなども取り上げており、開発者自身もYouTubeで動作映像を公開しています。

GBAといえば、2001年に発売された任天堂の携帯ゲーム機です。基本的には2Dゲームを中心としたハードですが、今回のプロジェクトでは、Wii向けに作られた3DゲームをGBA上で再現するという大胆な挑戦が行われています。

●GitHub:SMG GBA Project
https://github.com/TobiasFriedly/smg-gba/

GBAで惑星の重力や3Dアクションを再現!

『スーパーマリオギャラクシー』の大きな特徴は、宇宙に浮かぶさまざまな惑星を舞台にした3Dアクションです。マリオは球状の惑星をぐるりと駆け回ったり、重力の方向が変わる場所を移動したりしながら冒険を繰り広げていきます。

今回の『SMG GBA Project』では、こうした独特なゲームシステムをGBA向けに再現しています。海外メディアのGBAtempによると、マリオの基本的な移動アクションに加え、惑星の重力やカメラの動きなども実装されているとのこと。さらに、敵キャラクターやボス戦、ステージ内の仕掛け、パワーアップなど、オリジナル版に登場するさまざまな要素も取り入れられています。

もちろん、WiiとGBAではハードウェアの性能に大きな差があります。そこで本プロジェクトでは、Joshua Barretto氏が開発したGBA向けの3Dエンジンをベースに、独自の改良を加えています。

GBAtempの報道では、3Dグラフィックスを構成する三角形の描画を高速化する工夫や、遠くにある惑星の描画を簡略化する仕組みなどが紹介されています。また、元のモデルはGBAで扱うには複雑すぎるため、形状を簡略化したモデルも用意されているそうです。

さらに、Wii版『スーパーマリオギャラクシー』のプログラムを解析・再構成するデコンパイルプロジェクト『Petari』のコードも利用されています。こうした既存の研究成果を活用しながら、GBAという限られた性能のハードで動かすための調整が行われているわけです。

Wiiリモコンの操作はどうなっている?

もうひとつ気になるのが操作方法です。Wii版ではWiiリモコンを使って画面上のスターポインターを動かし、スターピースを集めるといった操作ができました。しかし、GBAにはWiiリモコンのようなポインティング機能がありません。

そこで、GBAtempによると、通常のプレイ中はLボタンとRボタンを同時に押しながら十字キーを操作することで、スターポインターを動かせるようになっているとのこと。また、移動ルートが決められた場面では、十字キーだけで操作できる仕組みも取り入れられています。

さらに、マリオの近くにあるスターピースを自動的に回収するなど、操作ボタンの少なさを補う工夫も施されています。

単にグラフィックスをGBA向けに作り直すだけではなく、携帯ゲーム機としての操作性も考慮されている点が興味深いところです。

ソースコードは公開済み! 遊ぶには自分でビルドが必要

『SMG GBA Project』のソースコードは、現在GitHubで公開されています。ただし、ダウンロードしてすぐに遊べる完成済みのGBA用ROMが配布されているわけではありません。

GitHubの説明によると、公開されているプロジェクトには、任天堂のゲームから取り出したモデルやテクスチャ、音声、音楽、文章などの素材は含まれていません。

これらは、ユーザー自身が用意した米国版Wii用『スーパーマリオギャラクシー』のISOイメージから、ビルド時に必要なデータを生成する仕組みになっています。

ビルドとは、ソースコードなどをもとに、実際に動作するプログラムを作成する作業のことです。本プロジェクトでは、GBA向けソフトウェアの開発環境である『devkitPro』などを導入し、必要な手順を実行することでゲームを構築します。

GitHubには、macOS、Windows、Linux(Ubuntu/Debian)それぞれのビルド手順が掲載されています。Windowsでは、Linux環境をWindows上で利用できる『WSL』を使用する形です。

そのため、実際に試すには、ゲームの正規の所有物から用意したデータに加え、パソコンで開発環境を構築するための知識が必要になります。一般的なGBA用ゲームのように、入手してすぐ遊べるものではない点には注意が必要です。

また、現時点でオリジナル版のすべてのステージやゲーム要素が完全に再現されているかどうかは確認できていません。GBA実機での長時間動作や処理速度についても、当サイトでは独自の検証を行っていません。

20年以上前の携帯ゲーム機でWiiの3Dゲームを動かす挑戦

近年では、古いゲームをPCや新しいハードウェア向けに移植するプロジェクトを見かけることがあります。しかし、今回の『SMG GBA Project』は、その逆ともいえる取り組みです。

2007年に登場したWii向けの3Dゲームを、それよりも6年前に発売されたGBAで動かそうというのですから、その発想だけでも驚かされます。

もちろん、オリジナル版とまったく同じものが楽しめるというわけではありません。それでも、性能や操作方法に厳しい制約のあるハードで、どこまでゲームを再現できるのかという挑戦には、レトロゲームならではの面白さが詰まっています。

GBAの可能性を改めて感じさせてくれる、興味深いプロジェクトといえそうです。

ABOUT US
アバター画像
retrogamer