PlayStation関連の脆弱性研究で知られるGezine氏(@gezine_dev)が、2026年10月19日にXを更新し、PlayStation 5(PS5)の最新ファームウェア14.10で、通常はアクセスできない『★Debug Settings』メニューを表示する実演映像を公開しました。
今回の映像は、PS5のセキュリティ研究における新たな進展を示すものです。ただし、一般ユーザーが利用できる脱獄(Jailbreak)ツールが公開されたわけではなく、実際にどこまでの操作が可能になっているのかについても、明らかになっていない部分があります。
PS5の最新ファームウェア14.10で何が確認されたのか?
今回、Gezine氏がXに投稿したのは、「Hello 14.10」という短いメッセージとともに公開された実演映像です。海外の専門メディア『BiteYourConsole』などによると、映像ではPS5のシステムソフトウェアが「26.06-14.10.00」であることを示した後、設定画面に『★Debug Settings』というメニューが表示されています。
ちなみに、13.xxで使ったkexploitは14.00でパッチされました。
あとで公開の許可を求めます。それは再発ではありません。
『Debug Settings』は、主にゲーム機の開発や動作検証などに使用される設定メニューです。一般的に販売されているPS5では通常表示されず、ユーザーが自由にアクセスすることもできません。
こうしたメニューが表示されたということは、何らかの方法で通常のシステム上の制限を回避している可能性を示しています。特に注目したいのは、過去の古いファームウェアではなく、最新の14.10で実演されている点です。
PS5ではこれまでにも、システムの脆弱性を利用して非公式なソフトウェアを動作させるHomebrewや、セキュリティ機能を回避する手法の研究が進められてきました。しかし、これらは対象となるファームウェアのバージョンによって利用できる手法が異なり、新しいバージョンでは対策によって使用できなくなるケースもあります。
そのため、今回の実演は、比較的新しいファームウェアでもシステムの制限を回避できる可能性を示したという点で、興味深い成果といえそうです。
デバッグ設定が表示されても、自由に脱獄できるわけではない
ここで注意しておきたいのが、『Debug Settings』の表示と、一般的に「脱獄」と呼ばれる状態は、必ずしも同じではないという点です。
ゲーム機の脱獄とは、通常は制限されている機能を、システムの脆弱性などを利用して使えるようにすることを指します。これにより、メーカーが公式に認めていないHomebrewと呼ばれる自作ソフトウェアなどを動作させられる場合があります。
こうした研究で重要になるのが、「カーネル」と「ハイパーバイザー」という仕組みです。カーネルはOSの中核となる部分で、ハードウェアやソフトウェアの動作を管理しています。一方、ハイパーバイザーは、システムの重要な領域を保護・分離するための、さらに高い権限を持つ仕組みです。
PS5では、仮にカーネルの制限を回避できたとしても、それだけですべてのセキュリティ機能を突破できるとは限りません。ハイパーバイザーによって保護された領域にアクセスするには、別の手法が必要になる場合もあります。
今回の映像から確認できるのは、ファームウェア14.10で『Debug Settings』が表示されているという点です。そのため、カーネルやハイパーバイザーに対して、どの程度の権限を取得できているのかまでは断定できません。
また、Homebrewの自由な実行やゲームのバックアップ起動、Linuxなど別のOSの起動についても、今回の映像だけでは実証されていません。
何より、Gezine氏が使用した具体的な手法や、一般ユーザーが同じ状態を再現するためのツールは公開されていません。現時点では、手元のPS5で同じことを試せるようになったわけではないのです。
過去の脆弱性はファームウェア14.00で修正済み
Gezine氏は10月19日の別の投稿で、ファームウェア13.xxで使用していたカーネルexploitが、14.00で修正されたことも明らかにしています。
exploitとは、ソフトウェアなどに存在する脆弱性を利用し、本来は認められていない操作を実行するための手法やプログラムのことです。カーネルexploitの場合は、OSの中核部分に存在する脆弱性を利用することになります。
同氏は、この旧exploitについて、情報を開示してよいか後ほど確認する意向を示しています。また、補足投稿の中では『Relapse』ではないとも説明しています。
ただし、今回のファームウェア14.10で使用された手法については、具体的な技術情報が公開されていません。13.xxで使用していた旧exploitと今回の実演との関係についても、詳細は不明です。
今回の発表は、PS5の最新ファームウェアでも、通常は利用できない設定メニューへアクセスできる可能性を示した点で注目に値します。一方、一般ユーザーにとっては、現時点で新たに利用できる脱獄ツールや機能が増えたわけではありません。
今後、具体的な技術情報が明らかになれば、PS5のセキュリティ研究やHomebrew開発に新たな展開が生まれる可能性もあります。まずは、今回の実演で使用された手法について、どこまで情報が公開されるのかが気になるところです。
















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