アーケード版『Tetris Kiwamemichi』にドリームキャスト用プログラムが眠っていた!実機起動プロジェクトが公開

アーケード版『Tetris Kiwamemichi』にドリームキャスト用プログラムが眠っていた!実機起動プロジェクトが公開

2004年にサクセスから発売されたアーケードゲーム『Tetris Kiwamemichi』を、ドリームキャストの実機で動作させるプロジェクトが公開されました。開発者のCaptainKoffski氏が2026年10月11日、海外フォーラムのDreamcast-Talk.comで成果を報告したもので、GitHubではディスクイメージの構築に必要なツールや技術資料も公開されています。

今回のプロジェクトで興味深いのは、アーケード版を新たにドリームキャストへ移植したわけではないという点です。実は、元のアーケード版ディスクの中にドリームキャスト用のプログラムが残されており、それを利用して実機で起動できるようにしたというのです。

開発記録によると、2026年10月3日にはGDEMUを搭載したドリームキャスト実機での起動が確認されています。今回の公開では、その仕組みや実現までの経緯が明らかにされました。

●tetkiwam2dreamcast(GitHub)
https://github.com/CaptainKoffski/tetkiwam2dreamcast

アーケード基板「Naomi」とドリームキャストの意外な関係

『Tetris Kiwamemichi』は、2004年に登場したセガのアーケード基板「Naomi」向けのパズルゲームです。

このNaomiは、セガの家庭用ゲーム機であるドリームキャストと非常に近いハードウェア構成を採用していることでも知られています。CPUには同じSH-4系のプロセッサーが使われており、グラフィックスにもPowerVR2系の技術が採用されています。

そのため、Naomi向けに開発されたゲームの中には、比較的少ない変更でドリームキャストに対応できるものもあります。これまでも、海外の開発者コミュニティではNaomiなどのアーケードゲームをドリームキャストで動作させる試みが行われてきました。

もっとも、両者は完全に同じハードウェアというわけではありません。メモリー容量やゲームの起動方法などに違いがあるため、単純にディスクのデータをコピーするだけでは動作しない場合があります。

ディスクの中にドリームキャスト用のプログラムが残されていた!

今回のプロジェクトが一般的な移植と異なるのは、元のNaomi版『Tetris Kiwamemichi』のGD-ROMに、すでにドリームキャスト用の実行プログラムとファイルシステムが含まれていたことです。

CaptainKoffski氏の説明によると、元のディスクにはドリームキャスト向けの起動情報や実行ファイルが存在していました。ただし、これらをそのまま取り出してディスクイメージを作成しても、実際のドリームキャストでは正常に起動できなかったそうです。

そこで同氏は、ディスク内のトラック構成を調整し、起動用プログラムの配置を変更することで、ドリームキャストのBIOSから起動できるようにしました。

つまり、ゲームそのものを別のハードウェア向けに書き直したのではなく、元々存在していたドリームキャスト用のプログラムを、実機で動かせる形に再構築したというわけです。

なお、ディスク内にこうしたプログラムが残されていたこと自体は、今回初めて発見されたものではありません。ゲーム内の未使用データなどを調査する「The Cutting Room Floor」でも、以前から関連情報が整理されていました。

今回の成果は、そうした既存のデータを活用し、実際のハードウェアで起動できるようにした点にあります。

GDEMU搭載のドリームキャスト実機で起動を確認

GitHubで公開されている開発記録によると、2026年10月3日にGDEMUを搭載したドリームキャスト実機での起動が確認されました。

GDEMUは、ドリームキャストのGD-ROMドライブを置き換え、SDカードなどに保存したディスクイメージを読み込めるようにする機器です。今回も、この環境を利用してゲームの動作確認が行われています。

また、単に起動するだけではなく、家庭用ゲーム機で遊びやすくするための調整も実施されています。

たとえば、アーケードゲーム特有のクレジット投入を必要としないフリープレイへの対応や、ゲームのタイトル表示、ディスクの画像などを変更できる機能も用意されています。

さらに、DreamShellのISO Loaderを利用したSDカードからの読み込みについても調整が行われ、10月10日には実機での動作が報告されています。アーケードスティックのボタン配置についても改良が進められていますが、こちらはエミュレーター上での確認が中心で、実機のアーケードスティックによる検証は完了していません。

なお、CD-R向けのディスクイメージを構築する機能も用意されています。GDEMU上では動作が報告されているものの、実際にCD-Rへ書き込んだディスクでの起動については、現時点で未検証となっています。

GitHubでは構築ツールや技術資料を公開

CaptainKoffski氏は、今回のプロジェクトを「tetkiwam2dreamcast」としてGitHubで公開しています。

こちらにはディスクイメージを再構築するためのスクリプトや、実機での起動に至るまでの技術的な検証結果などがまとめられています。

ただし、公開されているのはあくまでも構築に必要なツールや説明資料であり、ゲーム本体のデータやROM、BIOS、ディスクイメージなどは含まれていません。実際に試すには、別途必要なデータや対応する機材などを用意する必要があります。

また、元のディスクにドリームキャスト用のプログラムが残されていた理由についても、詳しい経緯は明らかになっていません。実際に家庭用として発売する計画が存在していたのか、それとも開発過程で使用されたデータが残っていたのかは不明です。

いずれにしても、20年以上前のアーケードゲームのディスクに残されていたデータが、現在の技術と開発者の手によって再び活用されたというのは興味深い話です。

ハードウェアの共通性だけではなく、開発当時のデータが残されていたことの価値を改めて感じさせるプロジェクトといえるでしょう。

via.Dreamcast-Talk.com

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