PS版『serial experiments lain』のデコンパイルが100パーセント完了! Windows/Mac/Linuxネイティブ版v0.1.2公開

PS版『serial experiments lain』のデコンパイルが100パーセント完了! Windows/Mac/Linuxネイティブ版v0.1.2公開

1998年にPlayStation向けに発売された『serial experiments lain』を解析・再構築するプロジェクト「lain-psx-decompiled」で、最新バージョンとなる「v0.1.2」が2026年9月28日に公開されました。

今回のアップデートでは、ゲームを構成する全321個の関数がオリジナルと一致する状態に到達。開発者から「デコンパイル完了」が宣言されています。さらに本プロジェクトでは、その成果を利用したWindows、macOS、Linux向けのネイティブクライアントも公開されています。

●lain-psx-decompiled/GitHub
https://github.com/Y0oshi/lain-psx-decompiled/releases/tag/v0.1.2

全321関数がオリジナルと一致。デコンパイルが完了

「lain-psx-decompiled」は、PlayStation版『serial experiments lain』のゲームプログラムを解析し、C言語のソースコードとして再構築するプロジェクトです。

単純に同じ動作をするプログラムを書き直しているわけではなく、オリジナルのPsyQ開発環境でコンパイルした際に、市販版とバイト単位で一致する実行ファイルを再生成することを目標としています。

v0.1.2では対象となるゲーム側の321関数すべてがC言語で再構築され、オリジナルと一致する状態になりました。プロジェクトのREADMEでも、生成される実行ファイルが市販版とバイト単位で一致すると説明されています。

エミュレーターを使わず現代のPCでネイティブ動作

さらに面白いのが、デコンパイルしたコードを利用して作られたPC向けネイティブクライアントです。

一般的に昔のPlayStationソフトをPC上で動かす場合は、PlayStation本体の動作を再現するエミュレーターを利用します。しかし、このクライアントではPlayStation SDKの機能をPC向けに再実装し、その上でデコンパイルされたゲームコードそのものを動かしています。

つまりPlayStation本体を丸ごと再現してゲームを動かすのではなく、『serial experiments lain』のプログラムを現代のPC向けアプリケーションとして実行しているというわけです。プロジェクト側も「no emulator」と明記しています。

対応環境はWindows 10/11の64bit版、Apple Siliconを搭載したMac、Linux x86-64。ゲーム全編に加えて、音声セッションやムービー、ディスク交換、4種類すべてのエンディングまで動作する状態になっています。

60fps補間や高解像度化などPC向け機能も用意

ネイティブクライアントには、オリジナル版にはなかった現代PC向けの機能も追加されています。

画面の解像度スケーリングやフルスクリーン表示に加えて、ゲーム本来の進行速度を変えずに動きを滑らかにする60fpsのモーション補間にも対応。v0.1.2では、この60fps表示時に回転するリングやノードの形状が崩れたり、ラベルが揺れたりする問題についても改善が行われています。

セーブデータには標準的な128KiBのPlayStationメモリーカード形式(.mcd)が採用されており、エミュレーターとの間で利用することも可能です。そのほか字幕や音声パックを追加する仕組みなども用意されています。

ゲームデータは付属せず、オリジナルディスク2枚が必要

注意したいのは、「lain-psx-decompiled」が『serial experiments lain』そのものを無料配布しているわけではないという点です。

公開されているファイルにはゲームのムービー、音声、画像、テキストなどのデータは一切含まれていません。実際にネイティブクライアントで遊ぶには、ユーザー自身が所有するPlayStation版『serial experiments lain』のディスク1とディスク2を、それぞれ.cue+.bin形式で吸い出して登録する必要があります。

また、このプロジェクトは『serial experiments lain』の権利者が提供する公式移植版ではなく、非公式のオープンソースプロジェクトです。配布されているWindows/Mac/Linux向けビルドにも署名は行われていません。

約28年前のPSソフトが、ソースコードとしてよみがえる

1998年に発売されたPlayStationソフトの内部構造を解析し、321個すべてのゲーム関数をオリジナルと一致するCコードとして再構築。さらに、その成果を利用してエミュレーターなしで現代のPC上から遊べるところまで持ってきた今回のプロジェクト。

単なるPC移植とは少し違い、「当時どのようなプログラムでゲームが作られていたのか」を復元する技術的な保存活動という側面も持っています。

カルト的な人気を持つ『serial experiments lain』が、発売から約28年を経て別の形で解析・保存されていくというのも、レトロゲームファンにとって興味深いニュースといえそうです。

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