MiSTer FPGAでDOS/Windows時代のPC環境を再現できる「ao486」に、ちょっと面白い動きが出てきました。
MiSTer FPGA Forumで、NE2000互換ネットワークカードをサポートしたao486の別バージョンが公開されています。これを利用することで、ao486上で動作しているOSからNE2000用ネットワークドライバーを使用し、MiSTerのEthernetポートを経由して通信できるようになります。
なお、今回公開されたものは現時点では標準のao486コアに組み込まれた新機能ではなく、フォーラムユーザーによって公開された別バージョンです。
これまでのao486でもネット接続は可能だった
そもそもao486には、これまでもネットワークへ接続する方法が用意されていました。MiSTer公式ドキュメントでは、MiSTer側の「Uart Connection」を「PPP」に設定することで、MS-DOSやWindows 3.x、Windows 95、Windows NT 4.0などからTCP/IP通信を行う方法が紹介されています。MS-DOSではDOS PPPDとmTCP、Windows 3.xではTrumpet Winsockなどを利用する形です。
つまり、これまでは仮想的なシリアル接続を介してPPPでネットワークへ出ていくという、どちらかといえばひと手間掛かる仕組みでした。
今回のNE2000対応版では、ゲストOS側からNE2000互換ネットワークカードが存在するPCとして扱えるようになり、対応するNE2000ドライバーを利用してMiSTerのEthernet側と通信できるというのが大きな違いです。
なぜ「NE2000対応」が面白いのか?
NE2000は、かつてDOS/Windows時代のPCで広く使われていたネットワークカードの互換規格です。
そのため、古いOSやネットワークソフト側にもNE2000用ドライバーが多数存在しており、「当時のPCにネットワークカードを取り付ける」という感覚に近い環境をao486上で構築できるようになります。
MiSTerでは以前から「FPGAコア側からEthernetへ直接アクセスできないか」という要望があり、2025年にはMinimigのGitHubでも同様の議論が行われていました。その際にも、既存のNE2000ドライバーを利用するアイデアや、ao486でのネットワーク通信について話題になっています。
今回登場したao486のNE2000対応版は、まさにその方向性をPCコアで実際に利用できる形にしたものといえそうです。
DOS/WindowsマシンとしてのMiSTerがさらに面白くなりそう
ao486は、MiSTer FPGA上で486世代のPC環境を再現するコアです。ゲームを起動するだけではなく、DOSやWindows 3.x/Windows 95などをインストールして、当時のPCそのもののように遊べるところが魅力のひとつです。
そこにNE2000互換ネットワークカードまで加わるとなると、単に「インターネットにつながる」というだけではなく、古いTCP/IPアプリケーションを動かしたり、FTPなどを利用したり、当時のLAN環境を再現したりといった遊び方にもつながりそうです。
特に、実機の486 PCでネットワーク環境を構築しようとするとNICやドライバー、ストレージなどをそろえる必要がありますが、それをMiSTer FPGAの中で再現できるというのはなかなか面白いところです。
現時点ではあくまでも標準版とは異なるao486コアであるため、導入方法や対応OS、通信速度、ゲームやネットワークソフトとの互換性などについては、今後の検証にも注目したいところです。
MiSTer FPGAは家庭用ゲーム機やアーケード基板の再現が注目されがちですが、こうしたPCコアの拡張もかなり面白い分野です。ao486を使っている人にとっては、久しぶりに試してみたくなるアップデートではないでしょうか。















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