誰だ! クソゲーって言うのは 誰だ! 誰だ! 誰ぁ~!
ってわけで、レトロゲームブームと共にちょくちょく耳にすることが多くなってきた「クソゲー」っていう言葉。個人的に大嫌いなんですよね。その理由が、現代の物さしだけでみて当時の状況や革新性などまったく無視した状態で作品が語られていることが多いからからです。なんというか、自らの浅はかさを露呈しているような感じさえしてしまいます。
そりゃ、今遊んでもあんまり面白く感じないゲームは多数ありますが、少なくともリアルタイムで体験していた身としては、当時は夢中で遊んでいたゲームばかりなんですよね。そのため、お気軽に使えるような言葉じゃないな~と。
っと、本題からややずれてしまいました。そんな嫌いな「クソゲー」ですが、唯一許せる作品があります。それが、1998年1月8日にプレイステーション用ゲームとして発売された『グルーヴ地獄V』です。ゲームジャンルは、なんとクソゲー!?
![「クソゲー」という言葉は嫌いだけど電グルが自らいうならしょうがない!? PSゲーム『グルーヴ地獄V』レビュー](https://i0.wp.com/retro-gamer.jp/wp-content/uploads/2020/02/グルーヴ地獄V_01.jpg?resize=728%2C649&ssl=1)
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電気グルーヴの遊び心100パーセントの異色作
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電気グルーヴが自らプロデュースして作られた、この『グルーヴ地獄V』。このゲームの目的は、超高性能な「ミュージック・エディタ」で音楽を楽しむことだとマニュアルには書かれています。
「ミュージック・エディタ」はジタクでプレイでき、まさにDJ気分で音楽が楽しめるのですが、唯一の問題は「音ネタ」が少ないところ。この「音ネタ」は音販売マシン・ガチャガチャから入手できるのですが、それにはお金が必要となります。
そして、プレイヤーたちはそのお金を稼ぐために様々なバイトにチャンレンジしていくというのが主なゲーム内容となっています。
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キミならどれで稼ぐ? 個性豊かなバイトの数々
何はなくともお金がなければ始まりません。そこでプレイヤーたちが行うのが、「バイト(クソゲー)」※1です。このバイトは様々な種類が用意されていますが、もっともお金を稼げるためメインともいえるのが「ボールペン コウジョウ」です。
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その名の通り、ラインで流れてくるボールペンにひたすらキャップをはめていくだけという、アットホームな雰囲気の軽作業が楽しめます。いや、楽しめるかどうかは人によります。このボールペンのラインですが、時たま逆向きになっているものも流れてくるので、しっかりと向きを合わせてからキャップを取り付け、次の作業に移っていかなくてはなりません。
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なによりもこの 「ボールペン コウジョウ」 がすごいところは、ゲーム性はほとんどないところ! キャップをハメ忘れてしまったり、あるいは間違ってしまっても、ゲームが終わることはなくただひたすらライン作業を続けていきます。もはやゲームと言うよりも労働体験なのですが、これがいろいろと考えさせられる部分があります。
仮に、リアルにこんな仕事をやっていたとしたら・・・・・・ぜんぜん自分に向いてなさそうだなとか、もはやゲームを超えて人生の厳しさや大事さを教えてくれます。まぁ、それはおおげさですが、そろそろいいかなというところで自由に止めることができるのもこのバイトの素晴らしいところ。他のバイトと異なり、常時募集されているところもグッドです!
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ひとつ注意したいのは、このバイトを続けていくうちに社長から社員に誘われること。ここで社員になってしまうと、ゲームオーバーになってしまいます。
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※1マニュアル表記より
『キノコorDIE』
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パソコンゲーム黎明期のようなグラフィックで、カエルが道路を渡っていくあの作品風なゲームが楽しめるバイトが『キノコorDIE』です。車にぶつからないように調整しながら、道に落ちているキノコを取っていき、道路の向こう側で待っているおじいちゃんに渡してあげましょう。
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『交通量調査』
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バイト界隈ではおなじみの、交通量調査にも挑戦できます。ジゴクのメインストーリートで、人間だけをカウントしていくという簡単なお仕事。ですが、これがなかなかの脳トレ的なゲームでムズイ! 思わず画面下に表示されている『DOOM』に出てくるおっさんにクリソツな顔を殴りたくなります。
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『クサイモン』
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実は、数あるバイトのなかでもっとも不可解だったのがこちらの『クサイモン』。24世紀からやってきたロボットと記憶力対決をするというゲームで、ロボットに合わせてボタンを押していきます。もしかしたら、もっともやり応えがあるかもしれません。
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『ときめいていいとも』
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あの『ときめも』がここでも遊べる! 花びらを1枚ずつめくって好きと嫌いを占う花占いに挑戦しましょう!
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『崖レース』
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崖から落ちないようにギリギリのラインでブレーキを踏み、ライバルよりも長い距離で止まる『崖レース』が楽しめます。シンプルなミニゲームですが、これがなかなか楽しくて、ついつい何度もプレイしてしまいます。
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『薪割り』
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見かけ通りの意地悪なクソババァと一緒に、楽しく薪割りができるバイトです。ババァが、薪の合間に動物などを織り交ぜてくるので、間違って殺してしまわないようにしましょう。また、動物の形に見せかけた薪も出てくるなど、フェイクにも要注意です。
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バイトでお金をためたらガチャガチャに挑戦!
バイトでお金が貯まったら、早速ガチャガチャを回していきましょう。このガチャガチャは3台用意されていますが、どれもかかるお金は100円とかなり良心的。こちらのガチャは、上下にひとつずつ商品が入っており、運が良ければ1回でふたつ音ネタが手に入ることもあります。
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こちらも何が出るか楽しくて目一杯回してしまいますが、それに伴いあっという間にお金がなくなっていきます。そして、そのお金を稼ぐために再びバイトに精を出すことになるのです。
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『グルーヴ地獄V』の続編『バイトヘル2000』もPSPで登場
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なんと、この『グルーヴ地獄V』の続編にあたる作品の『バイトヘル2000』が、2005年12月22日にPSP用ゲームとして発売されました。ちなみに、こちらのジャンルは「クソゲー」ではなく、「ポケット・ゲームセンター」となっています。
ゲーム自体はピエール瀧がプロデュースしており、 『グルーヴ地獄V』 のバイト部分をさらに発展させた内容になっています。
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『グルーヴ地獄V』のジャンルはクソゲーだがクソゲーではない
『グルーヴ地獄V』のマニュアルの序文には、「このクソゲーは、俗に言う、今までのような始末に負えない悪質なものではありません。くだらないとつまらないは、まさに紙一重のところにありますが、それがギリギリのところにあればあるほど面白さは倍増するもの」と、開発スタッフからのメッセージが書かれています。
たしかにこのゲームが発売された当時としても、なかなか攻めた作りの作品だったのは間違いありません。ひとつひとつのミニゲームは取るに足りないモノかもしれませんが、それでもどこか遊んだ人たちの心に残っているのは、インパクトが強かったからだと言えるでしょう。
機会があれば、みなさんもこのゲーム愛に溢れた「クソゲー」を体験してみてください。
![「クソゲー」という言葉は嫌いだけど電グルが自らいうならしょうがない!? PSゲーム『グルーヴ地獄V』レビュー](https://i0.wp.com/retro-gamer.jp/wp-content/uploads/2020/02/グルーヴ地獄V_03.jpg?resize=728%2C546&ssl=1)