PS Vitaが携帯Amiga環境に!AGAやHDFに対応する「UAE4ALL2 HD」初版が公開

PS Vitaが携帯Amiga環境に!AGAやHDFに対応する「UAE4ALL2 HD」初版が公開

PS Vita向けのAmigaエミュレーター「UAE4ALL2 HD」の初回リリースとなるバージョン1.00が、2026年8月16日にGitHubで公開されました。Amiga 500世代のOCSだけではなく、ECSやAmiga 1200世代のAGA、HDF形式のハードディスクイメージなどにも対応。PS Vitaを携帯型のAmiga環境として利用できるホームブリューアプリです。

●UAE4ALL2 HD公式GitHub
https://github.com/theheroGAC/UAE4ALL2-HD-VITA

●UAE4ALL2 HD バージョン1.00配布ページ
https://github.com/theheroGAC/UAE4ALL2-HD-VITA/releases/tag/1.00

●ベースとなったUAE4ALL2のGitHub
https://github.com/rsn8887/uae4all2

ただし、UAE4ALL2 HDはゼロから開発された新しいエミュレーターではありません。以前からPS VitaやNintendo Switch向けに公開されている「UAE4ALL2」をベースに、PS Vita用のソースツリーやメニュー、配布パッケージを整理した専用ビルドです。今回のバージョン1.00は、UAE4ALL2 HDとしての「First release」という位置付けになります。

Amiga 500からAmiga 1200世代までをカバー

UAE4ALL2 HDが対応するAmigaのチップセットは、OCS、ECS、AGAの3種類です。CPUはMotorola 68000と68020のモードを選択できます。

OCSは初期のAmigaで採用され、ゲームではAmiga 500世代を代表するチップセットです。ECSはその拡張版で、Amiga 500 PlusやAmiga 600などで使われました。さらにAGAへ切り替えることで、Amiga 1200世代向けのゲームやソフトウェアも動作対象になります。

PS Vita向けメニューには、フロッピー、ハードウェア、画面表示、操作、システムといった設定項目が用意されています。Amiga 500向けの軽い構成だけに固定されず、ソフトに合わせてCPUやチップセットを変更できるのが特徴です。

もちろん、AGAに対応しているからといって、すべてのAmiga 1200向けソフトが完全に動作することを保証するものではありません。公開されたばかりの初版であり、ゲームごとの動作状況や処理速度については今後の検証が必要です。

HDF対応でフロッピー交換の手間を減らせる

対応するフロッピーイメージは、一般的なADFをはじめ、ADZ、DMS、IPFなど。ZIP、LHA、LZH形式のアーカイブから対応ディスクイメージを読み込むこともできます。IPFは同梱されたCAPSデコーダーを利用しますが、読み取り専用として扱われます。

なかでも注目したいのが、Amigaのハードディスクを1つのファイルにまとめたHDF形式への対応です。フロッピーを何枚も入れ替える方式だけではなく、Workbenchやゲーム、アプリケーションを導入したHDF環境を持ち歩けます。

HDFを利用すれば、複数枚組のゲームでディスクイメージを頻繁に交換する手間を減らせるほか、ハードディスクへのインストールを前提とするソフトも扱いやすくなります。単純なAmigaゲーム機としてだけではなく、小型のAmiga環境をPS Vita上に構築できるのが面白いところです。

仮想キーボードやタッチ操作にも対応

古いパソコンを携帯ゲーム機でエミュレーションする場合、キーボードとマウスをどのように操作するかが問題になります。UAE4ALL2 HDでは、画面上に表示する仮想キーボード、PS Vitaのタッチ操作、アナログスティックによるマウス操作を利用できます。

物理ボタンをAmiga側のキーやジョイスティック操作に割り当てられるほか、セーブステートとサムネイル表示にも対応。シェーダーやアスペクト比の調整機能も備えており、PS Vitaの960×544ピクセルの画面に合わせて表示を整えられます。

アクションゲームではPS Vitaのボタンをジョイスティックとして使い、文字入力が必要になったときだけ仮想キーボードを呼び出すといった、携帯機向けの使い方が可能です。

導入にはホームブリュー対応のPS Vitaが必要

GitHubのリリースページでは、インストール用の「uae4all2hd.vpk」と開発者向けのソースコードが配布されています。導入手順は次の通りです。

  1. ホームブリューアプリを導入できるPS VitaへVPKファイルをインストールします。
  2. 自分で用意したKickstart ROMを「ux0:/data/uae4all/kickstarts/」へコピーします。
  3. Amigaのディスクイメージを「ux0:」または「uma0:」内の任意のフォルダーへコピーします。
  4. UAE4ALL2 HDを起動し、メニューから使用するイメージを選択します。

Kickstart ROMや市販ゲームのディスクイメージはエミュレーターに同梱されていません。使用するAmigaの構成に対応したKickstart ROMとソフトウェアを、利用者自身が合法的に用意する必要があります。

新機能追加版というより、PS Vitaに絞った再パッケージ

AGA、HDF、セーブステート、仮想キーボードといった機能の多くは、ベースになった従来のUAE4ALL2でも実装されていました。そのため、「今回初めてPS VitaでAGAやHDFが利用可能になった」というリリースではありません。

今回のポイントは、Switchなどほかの機種向けの構成を含む従来プロジェクトから、PS Vita向けのソースと機能を整理し、Vita専用の「UAE4ALL2 HD」として改めてVPKを配布したことにあります。公開時点のリリースノートは「First release」のみで、従来版からの詳細な変更点は示されていません。

それでも、AGAやHDFを含む比較的充実したAmigaエミュレーション環境を、現在も入手しやすいVPKとしてまとめ直した意義はあります。PS Vitaをレトロパソコン用の携帯機として活用したいユーザーにとって、今後の更新を追いかけたいプロジェクトになりそうです。

UAE4ALL2 HDの主な仕様

項目内容
対応機種PS Vita
初回リリースバージョン1.00(2026年8月16日)
対応チップセットOCS、ECS、AGA
CPUモードMotorola 68000、68020
対応ディスク形式ADF、ADZ、DMS、IPF、ZIP、LHA、LZHなど
ハードディスクHDF形式に対応
入力機能物理ボタン、仮想キーボード、タッチ操作、アナログマウス
その他セーブステート、サムネイル、シェーダー、アスペクト比調整
配布形式VPK
価格無料

via.GenerationAmiga

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