ゲームボーイ向け『ポケットモンスター』を、エミュレーターを使わずに現代のデバイスで動かすプロジェクト「Gen1Recomp」が、第2世代の『Pokémon Gold Version』に対応しました。
●Gen1Recomp公式GitHub
https://github.com/bryanthaboi/gen1recomp
●Gen1Recomp v0.1.81リリースページ
https://github.com/bryanthaboi/gen1recomp/releases/tag/v0.1.81
これまで対応していた米国版『Pokémon Red』『Pokémon Blue』『Pokémon Yellow』に加えて、プレイヤーが所有する『Gold』のROMからゲームデータを取り込み、同じランチャーから起動できるようになっています。
2026年8月13日に公開された最新版「v0.1.81」では、『Gold』に関する多数の不具合も修正されました。
ゲームボーイをエミュレートせず、手書きのLuaエンジンで動作
「Gen1Recomp」は、ゲームボーイ本体のハードウェアをソフトウェア上で再現する、一般的なエミュレーターとは異なります。
また、プロジェクト名に「Recomp」と付いていますが、オリジナルのアセンブリコードを別のプラットフォーム向けに変換する方式でもありません。ゲームのエンジンやマップ上の動作はLuaで新たに書かれており、2Dゲームフレームワーク「LÖVE2D」上で実行されます。
プレイヤーが用意したROMは、ゲームデータやグラフィックを取り込むために使用されます。インポートが完了するとROMはメモリーから解放され、ROMそのものがキャッシュへコピーされることはありません。2回目以降は、インポート時に生成されたプライベートキャッシュからゲームを起動する仕組みです。
音楽や効果音、ポケモンの鳴き声についても、ROMから取り出したコンパクトなオーディオチャンネル用データを利用し、ゲームの実行中に合成しているとのこと。つまり、オリジナルのゲームボーイ版をそのまま動かしているのではなく、ROMから必要な素材やデータを取り出し、現代向けに作られたエンジン上でゲームを再構築しているのです。
『Red』『Blue』『Yellow』『Gold』を並べて登録可能
対応ROMはランチャーへ個別に登録でき、『Red』『Blue』『Yellow』『Gold』を同じ環境に並べておくことが可能です。初回起動時にROMファイルを選択するか、ウィンドウへドラッグ&ドロップすると、ROMの検証とインポートが行われます。
配布パッケージも非常に多く、Windows、macOS、Linux、Linux ARM64、Android、iOSのほか、Nintendo Switch、Xbox UWP、Anbernic RG34XXSP、PortMaster対応のARM Linux機器などに向けたファイルが用意されています。
ただし、Nintendo Switch版の利用にはHomebrewを実行できる環境が必要です。Xbox版についてもリテールモードでは動作せず、Developer Modeが必要になります。
対応するのは米国版『Pokémon Gold Version』のみ
注意しておきたいのが、現時点でインポートできるROMの種類です。『Gold』で対応しているのは、容量2MiBの正規の米国版『Pokémon Gold Version』のみです。インポーターはROMのSHA-1を照合するため、日本語版『ポケットモンスター 金』を含む別リージョンや別バージョンのROMは利用できません。
『Red』『Blue』『Yellow』についても同様に、指定された米国版ROMのみが対応しています。Gen1Recompの配布ファイルにROMや抽出済みのゲームデータは含まれておらず、利用者が合法的に入手した対応ROMを自分で用意する必要があります。
v0.1.81で『Gold』の不具合を多数修正
8月13日に公開された「v0.1.81」では12件のIssueがクローズされ、その多くが『Gold』で報告されていた問題に関するものとなっています。
具体的には、ゲーム速度を変更するとエンカウント率まで変化してしまう問題、洞窟から出た後に壁の中を歩けてしまう問題、アルフのいせきで誤った場所へワープする問題などが修正されました。
戦闘関連では、「マグニチュード」の威力が常に4になる問題、「ソニックブーム」が固定20ダメージにならない問題、相手が次に出すポケモンの名前が表示される前に交代確認が出る問題、「あなをほる」のアニメーションでポケモンの姿が消えない問題などが修正されています。
このほか、ウバメのもりに隠しアイテムが配置されていなかった問題や、複数のセーブデータを作成したときにランチャー上の情報が正しく更新されない問題にも対応しました。短期間でかなりの数の修正が進められているようです。
現状は「Gen 2 Phase 1」。完成版ではない点に注意
『Gold』が起動できるようになったとはいえ、第2世代への対応はまだ完成したわけではありません。
開発チームは現在の状態を「Gen 2 Phase 1」と位置付けており、公式GitHubでも「インポートとランチャーへの対応段階で、第2世代用エンジンは現在も開発中」と説明しています。
実際にゲームを進められる状態にはなっていますが、オリジナル版の動作を完全に再現した安定版とはいえません。未実装の挙動や不具合が残っている可能性があり、初代向けに作られたMODについても、すべてが『Gold』で正常に動くとは限らない点に注意が必要です。
それでも、初代3作品の再構築から始まったGen1Recompが、早くもジョウト地方を舞台にした第2世代へ足を踏み入れたことは大きな進展です。今後、第2世代用エンジンがどこまで完成度を高めていくのかにも注目したいところです。
なお、開発チームは「gen1recomp.com」というWebサイトについて、プロジェクトとは無関係の非公式サイトであると警告しています。ダウンロードする場合は、下記の公式GitHubと公式リリースページを利用してください。















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