1984年のIBM PC/XTがMac風GUIマシンに!? フロッピー起動OS「os8088」が公開

1984年のIBM PC/XTがMac風GUIマシンに!? フロッピー起動OS「os8088」が公開

IBM PC/XTを、初期のMacintoshを思わせるGUI搭載マシンとして利用できるオープンソースOS「os8088」が公開され、海外のレトロコンピューターコミュニティで注目を集めています。

「os8088」は、8086のリアルモード用アセンブリで制作された実験的なOSです。4.77MHzで動作するIBM PC/XTをターゲットにしており、フロッピーディスクから起動して、マウスで操作できるMacintosh System 1風のデスクトップを表示できます。

最新版の「v1.0.20260810」は、2026年8月10日にGitHubで公開されました。

●os8088
https://github.com/jggonz/os8088

●最新版のダウンロード
https://github.com/jggonz/os8088/releases

ウィンドウやプルダウンメニューをマウスで操作

「os8088」を起動すると、初期Macintoshを思わせるGUI画面が表示されます。ウィンドウはマウスで移動できるほか、最前面への移動、最小化、最大化、終了などの操作に対応。画面上部にはアプリケーションごとに切り替わるプルダウンメニュー、画面下部には実行中のアプリケーションを表示するドックが用意されています。

デスクトップ上には接続されたドライブのアイコンが表示され、ファイルマネージャーを利用してファイルやフォルダーの作成、名前変更、削除、コピー、移動などが行えます。

ファイルシステムはFAT12とFAT16の読み書きに対応。フロッピーディスクだけではなく、ハードディスクのFATパーティションを認識し、「os8088」をハードディスクへインストールして起動することもできます。

初代Macintoshにはなかった先取り式マルチタスクを搭載

見た目は1984年に発売された初代Macintosh風ですが、内部には当時のMacintoshが備えていなかった先取り式マルチタスク機能が実装されています。

「os8088」では、約18.2Hzのタイマーティックを利用して最大12個のタスクを切り替える仕組みが採用されており、複数のアプリケーションを同時に実行可能。同じアプリケーションを複数起動し、それぞれを独立したウィンドウとして扱うこともできます。

タスクマネージャーでは、実行中のアプリケーションごとにCPU使用率やメモリー使用量を確認できます。

コントロールパネルから協調型マルチタスクへ切り替えることも可能ですが、アプリケーションが処理を戻さなくなった場合に備えて、約1秒で制御を取り戻すウォッチドッグも用意されています。

『アルカノイド』や『Missile Command』などを収録

OSを起動するためのフロッピーディスクとは別に、アプリケーションを収録したソフトウェアディスクも用意されています。

収録されているのは、ワープロ、ペイント、フラクタル描画、ピアノ、録音、音楽トラッカー、Amiga MODファイルの再生ソフトなどです。

ゲームでは、以下のような作品が利用できます。

・Minesweeper
・Solitaire
・Arkanoid
・Missile Command
・TameGram

いずれもOSと一体化した単なるデモ画面ではなく、ソフトウェアディスクから読み込まれる独立したアプリケーションパッケージになっています。起動したアプリケーションはウィンドウとして閉じることができ、複数のソフトを同時に動かすことも可能です。

サウンドはPCスピーカーのほか、AdLib/OPL2とSound Blasterに対応。MODプレーヤーや音楽トラッカーを、往年のPC向けサウンドカードと組み合わせて利用できます。

Infocomのテキストアドベンチャーにも対応

2026年8月10日に公開された最新版では、Infocomのテキストアドベンチャーを動かすためのZ-machineインタープリター「Frotz」が追加されました。

「Frotz」自体も8086アセンブリで新たに実装されており、Z-machineフォーマットのバージョン1から8までに対応。『Mini-Zork』『Colossal Cave Adventure』『Zork: The Undiscovered Underground』『Photopia』などの動作が確認されています。

セーブデータには、ほかのZ-machineインタープリターでも利用されているQuetzal形式を採用。そのため、「os8088」で保存したゲームの続きを、現代のPC上にある別のインタープリターで遊ぶこともできます。

ただし、「Frotz」とゲームデータは通常のアプリケーションディスクには含まれていません。利用する場合は、ソースコードから専用のストーリーディスクを作成する必要があります。

VGA、CGA、Herculesを自動判別

「os8088」は、VGA、CGA、Herculesの3種類のグラフィックアダプターに対応しています。

VGA環境では640×480ドット、16色でGUIを表示。CGAまたはHerculesを検出した場合は、同じOSイメージから1ビット表示用の描画処理へ切り替わります。

マウスは、COM1またはCOM2に接続したMicrosoft互換のシリアルマウスに対応。ふたつのポートを自動的に調べ、正常なマウスデータを受信した側を使用する仕組みになっています。

8086のリアルモードで動作するため、オリジナルのIBM PC/XTだけではなく、286、386、486、Pentium搭載PCでも同じOSイメージを実行可能です。

実機のほかQEMUや86Box、ブラウザーでも体験可能

配布されているディスクイメージには、QEMU向けの1.44MB版と、実機および86Box向けの360KB版があります。

QEMUでは、専用の設定を利用してOSやシリアルマウスの動作を確認可能。86Box用には、4.77MHzの8088、256KBまたは640KBのメモリー、VGA、CGA、Herculesなど、複数の仮想PC構成が用意されています。

公式サイトではブラウザー上で動かせるデモも公開されているため、実機やエミュレーターを用意しなくても「os8088」の操作を試すことができます。

●公式ダウンロードページ/ブラウザーデモ
https://os8088.com/download/

コードやドキュメントの大部分をAIエージェントが制作

もうひとつ注目したいのが、「os8088」の開発方法です。作者はGitHub上で、プログラムのコードやドキュメントのほぼすべてが、Claude CodeやCodexといったAIコーディングエージェントによって生成されたものであることを明記しています。

作者自身が方向性を決めて内容を確認しながら開発を進めていますが、手作業でアセンブリを書いたことを主張するプロジェクトではないとのこと。実用環境向けではなく、レトロコンピューター愛好家が実験やノスタルジーを楽しむためのホビープロジェクトとして公開されています。

海外ではAIを利用した開発手法について賛否も出ていますが、40年以上前のIBM PC/XT上で、GUI、ファイル管理、マルチタスク、ゲーム、MOD再生まで動かしているという点では、なかなか興味深いプロジェクトといえそうです。

via.Hackaday

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