LCD版Steam Deckの内部パーツを、初代ゲームボーイと同等の大きさに収めた改造機「SteamBoy」が海外で注目を集めています。製作したのはRedditユーザーのPhyFawkes氏。同氏は2026年8月上旬、製作途中の本体写真に続き、外部ディスプレイを使った動作動画と内部の分解・組み立て写真を公開しました。
●The SteamBoy(WIP)―最初の製作報告
https://www.reddit.com/r/SteamDeckModded/comments/1vj5paa/the_steamboy_wip/
●SteamBoy Teardown and Assembly―分解・組み立て写真
https://www.reddit.com/r/SteamDeckModded/comments/1vjxkez/steamboy_teardown_and_assembly/
ただし、現時点では内蔵ディスプレイが動作しておらず、一般販売される製品でもありません。完成品というよりも「Steam Deckをどこまで小型化できるのか」を試した、個人製作の実験的な改造機となっています。
Steam Deckの基板を切らずに収納
「SteamBoy」の筐体は、初代ゲームボーイを思わせる縦型デザインです。オリジナルのゲームボーイ筐体を流用したものではなく、耐熱性や柔軟性を考慮してPETG素材で3Dプリントされています。
製作者によると、外形は初代ゲームボーイと同じ寸法に収められており、厚さも約32mmとのことです。
内部にはLCD版Steam Deckから取り出した次のパーツが組み込まれています。
- Steam Deckのマザーボード
- 純正バッテリー
- スピーカー
- コントローラー基板
- 各種フェイスボタン
驚くべきことに、マザーボードやコントローラー基板は切断されていません。一部に長いフレキシブルケーブルを使用し、配置を工夫することでそのまま収納しています。
純正バッテリーは本体の横幅をほぼ占有する大きさで、マザーボードとディスプレイの間に挟み込むように配置されています。後から公開された分解・組み立て写真を見ると、内部の空間がほとんど残っていないことがよく分かります。

1200×1080ドット・90HzのAMOLEDを搭載予定
本体には、VR機器向けに作られた1200×1080ドット、90Hz対応のAMOLEDパネルが取り付けられています。
しかし、この内蔵ディスプレイはまだ動作していません。
パネルとSteam Deckは同じMIPI系の通信方式を使用しているものの、ケーブルのピン配置が一致していないため、両者を接続する専用の変換基板が必要になるとのことです。
さらに、Steam Deck側のファームウェアは純正ディスプレイの解像度やタイミング情報を前提としているため、新しいパネルに合わせたBIOSの改造も必要になります。製作者は「DeckHD」や「DeckSight」といったSteam Deck用交換ディスプレイで使われている手法を参考に、EDID情報を書き換えることを計画しています。
公開された動作デモ動画では、内蔵画面の代わりに外部ディスプレイへ映像を出力し、Steam Deckとして実際にゲームが動いている様子を確認できます。
つまり、中身はすでに動作しており、残る最大の課題が内蔵ディスプレイという状態です。

わずか30mmのファンで冷却
Steam DeckのAPUをゲームボーイサイズの筐体で動かすとなると、気になるのが発熱です。
SteamBoyでは、AliExpressで入手した30×7mmの小型ファンとヒートシンクを使用。これらを固定するための専用マウントも3Dプリンターで製作されています。
CPUとGPUにはマイナス50mVの低電圧化を施しており、製作者のテストでは『Tunic』を動かした際は70℃台、『Clair Obscur: Expedition 33』では80℃台に収まったとしています。
小型ファンとしては健闘しているように見えますが、長時間使用時の温度や筐体への影響はまだ検証途中です。製作者自身も、特に3Dプリントしたヒートシンク固定部の耐久性については懸念が残っていると説明しています。


ショルダーボタンなどは未完成
SteamBoyは内蔵ディスプレイ以外にも、まだ完成していない部分があります。
現在の筐体では、Steam DeckのL・Rボタンやトリガーを外側から操作できません。製作者は将来的に追加したいとしていますが、内部にほとんど余裕がないため、左トリガーの実装は特に難しいとのことです。
Steamメニューを呼び出すSteamボタンも、基板上には残っているものの、外側から押すための機構がありません。こちらは優先的に改良する予定としています。
このため、現段階ではSteam Deckと同じ操作環境を備えた完全な携帯ゲーム機ではなく、小型化の可能性を示す試作機として見るべきでしょう。

「ゲームボーイ型Steam Deck」は完成するのか?
現在販売されているゲームボーイ風の携帯ゲーム機は、ARMプロセッサを搭載したエミュレーション端末が中心です。
一方のSteamBoyは、本物のSteam Deck用マザーボードとバッテリーを使用したPCゲーム機です。単に外観を似せただけではなく、Steam Deckそのものをゲームボーイサイズに再構成している点が最大の特徴といえます。
製作者は、今後まとまった時間が取れれば製作内容を詳しく公開する意向を示しています。ただし、記事執筆時点ではSTLデータや組み立て手順の配布、製品化、クラウドファンディングなどは発表されていません。
まずは最大の難関となっているAMOLEDディスプレイが動作するかどうか。初代ゲームボーイの大きさで最新のPCゲームを遊べる、本当の意味での「SteamBoy」が完成するのか、今後の進展に注目です。
















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