RetroTINKは2026年11月6日、映像アップスケーラー『RetroTINK-4K Pro』向けの実験版ファームウェア「1.99.12」を公開しました。
今回の更新では、480pや720p、1080pなどの入力映像にも、コンポジット映像をシミュレーションする機能が利用できるようになりました。また、画面を回転させた状態で使用できるCRT風エフェクトも拡張されています。
●RetroTINK公式・実験版ファームウェア配布ページ
https://retrotink-llc.github.io/firmware/4k-experimental.html
1080pなどの入力をコンポジット映像風に処理
『RetroTINK-4K Pro』は、古いゲーム機などの映像を現代のテレビやモニターに表示するための映像機器です。今回拡張されたコンポジット映像シミュレーションは、映像をいったんコンポジット信号として仮想的に変換し、再びデコードすることで、その独特な見え方を再現する機能です。
この機能自体は10月29日公開の実験版「1.99.7」で追加されていましたが、当初の対応入力は240p、480i、288p、576iに限られていました。新たな「1.99.12」では、480p、720p、1080pなど、より解像度の高い入力にも利用範囲が広がっています。
ただし、高解像度の映像をそのまま処理できるわけではありません。コンポジット映像シミュレーションでは、1ラインごとの処理に使える時間に制限があるため、高解像度入力では「Vert. Pre-Scale」による垂直方向の事前縮小が必要です。
公式の更新履歴では、480pなら「1/2」、720pなら「1/3」、1080pなら「1/4」といった設定例が紹介されています。これは入力映像から一定間隔でラインを取り込む処理で、ゲーム機やエミュレーター、別のスケーラーで拡大されたレトロゲームの映像を、元の走査線数に戻すような用途が想定されています。
なお、入力信号の処理が間に合わない場合はシミュレーションが自動的に無効になり、画面には理由や有効な事前縮小設定が表示される仕組みです。1080p入力なら必ず利用できるというわけではない点には注意が必要です。
画面回転時にもCRT風エフェクトを適用
もうひとつの変更点は、画面回転機能「RoTATE」への対応拡張です。『RetroTINK-4K Pro』では、画面を時計回り、反時計回りに回転した場合にも、CRT画面の曲面表現やガラスの光のにじみ、ベゼルなどのエフェクトを利用できるようになりました。
さらに、コンポジット映像シミュレーションと「Vert. Pre-Scale」も回転表示に対応しています。事前縮小で取り込まなかったラインに、ガラスの光のにじみが適用されないようにする調整も行われています。
CRT風エフェクトの基本機能は10月29日の「1.99.7」で『RetroTINK-4K Pro』『RetroTINK-4K CE』『RetroTINK 6X』向けに追加されたものです。一方、今回紹介した高解像度入力でのコンポジット映像シミュレーションや回転表示への対応は、公式更新履歴では『RetroTINK-4K Pro』向けの機能とされています。
「1.99.12」は正式な安定版ではなく、開発途中の実験版ファームウェアです。機能の動作が保証されているわけではないため、導入する場合は公式ページの注意事項や更新手順を確認しておきましょう。




















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