ModRetroのNINTENDO64互換機「M64」で、ゲームボーイやゲームボーイカラーのソフトを遊べるようにする無料Webツール「Cart64」が公開されました。2026年10月11日、RedditのM64コミュニティでwavy_d3氏が紹介したもので、すでに公式サイトから利用できるようになっています。
●Cart64公式サイト
https://cart64.com/
●Cart64公式・導入ガイド
https://cart64.com/guide/play-gbc-games-on-n64/
このツールを開発したのは、AIを利用したゲーム制作サービスを展開するShiny Genです。ゲームボーイのROMファイルをブラウザー上で読み込み、NINTENDO64用の.z64形式に変換することができます。
対応しているのはM64だけではありません。オリジナルのNINTENDO64でも利用でき、SummerCart64やEverDrive 64などのフラッシュカートを使ってゲームを起動できると説明されています。
なお、ModRetroによる公式機能ではなく、第三者が開発した非公式ツールです。
M64でゲームボーイが遊べる! ブラウザーだけで変換可能
Cart64の大きな特徴は、専用ソフトをPCにインストールする必要がなく、Webブラウザーだけで変換作業を完結できることです。
使い方はシンプルで、まず公式サイトにアクセスし、手元にあるゲームボーイまたはゲームボーイカラーのROMファイルを読み込ませます。対応するファイル形式は.gbと.gbcで、最大8MBまで扱うことができます。
続いて画面の表示方法を選び、「Make my cartridge」ボタンを押すと、NINTENDO64用の.z64ファイルが生成されます。
あとは、完成したファイルをフラッシュカートのSDカードなどにコピーし、M64にセットして起動するだけです。
ここで注意しておきたいのが、M64本体だけでは利用できないということです。Cart64で変換したファイルを起動するには、SummerCart64やEverDrive 64、64driveなど、NINTENDO64用の自作ソフトに対応したフラッシュカートが別途必要になります。
ちなみに、変換処理はブラウザー内で実行されるため、読み込ませたROMファイルが外部サーバーへアップロードされることはないと説明されています。
なお、この仕組みはゲームボーイ用のプログラムをNINTENDO64向けに完全移植するものではありません。ROMデータとNINTENDO64向けに開発されたゲームボーイエミュレーターをひとつのファイルにまとめ、それを起動する方式です。
開発元によると、エミュレーターにはゲームボーイのCPU命令をNINTENDO64のMIPS命令へ実行時に変換するリコンパイラーが採用されています。
また、映像については拡大して滑らかに表示する「Fit」と、元のピクセルをそのまま表示する「Sharp」の2種類から選ぶことができます。
セーブにも対応! 一部ゲームでは動作速度に課題も
公式サイトによると、Cart64はゲームボーイとゲームボーイカラーの多くのタイトルに対応しています。
カートリッジ内のメモリーバンクコントローラーについても、MBC1、MBC2、MBC3、MBC5などをサポートしています。一方、傾きセンサーを利用するタイトルやゲームボーイカメラなど、特殊なハードウェアが必要なものには現時点では対応していません。
開発元が公開している動作確認リストでは、『ゼルダの伝説 夢をみる島DX』や『ポケットモンスター 金・銀』などがフルスピードで動作するとされています。
その一方で、『ポケットモンスター クリスタルバージョン』などでは一時的な処理落ちが発生する場合があり、『Shantae』やゲームボーイカラー版『Perfect Dark』については、現時点では動作速度が遅いと説明されています。
セーブ機能にも対応しており、保存データはフラッシュカート側のメモリーに記録されます。さらに、既存のゲームボーイ用セーブデータと相互変換するための専用ツールも用意されています。
ただし、『ポケットモンスター 金・銀』などで利用される時計機能については制限があります。ゲームをプレイしている間は時計が進むものの、電源を切っている間は時間が経過しません。この点については、今後の改善が予定されています。
M64向けの非公式ファームウェアとは別のアプローチ
NINTENDO64上でゲームボーイのソフトを動かす試み自体は、今回が初めてというわけではありません。
以前から「GB64」などのエミュレーターが存在しており、フラッシュカートを利用してゲームボーイのソフトを起動することは可能でした。今回のCart64は、独自のエミュレーターとROMファイルを組み合わせ、ブラウザーから手軽に起動用ファイルを作成できる別の選択肢となっています。
また、M64向けには複数のゲーム機をFPGAで再現する非公式ファームウェア「Magic64」も開発されていますが、Cart64はそちらとも異なるプロジェクトです。
Magic64ではM64のファームウェア自体を置き換え、ゲームボーイなどのハードウェアをFPGAで再現する方式が採用されています。一方、Cart64はNINTENDO64上で動作するソフトウェアエミュレーターを利用するもので、本体のファームウェアを書き換える必要はありません。
そのため、M64だけでなく、オリジナルのNINTENDO64でも利用できるという違いがあります。
ちなみに、Redditの投稿者によると、今後はゲームボーイアドバンスへの対応も計画されており、2026年10月12日を含む週の公開を目指しているとのことです。ただし、現時点で公式サイトから利用できる変換機能は、ゲームボーイとゲームボーイカラー向けとなっています。
まだ一部タイトルでは動作速度や音声などに課題が残されているものの、M64やNINTENDO64でゲームボーイのゲームを楽しむための、新たな選択肢といえそうです。
なお、Cart64には市販ゲームのROMデータは付属していません。利用する場合は、自分で適法に用意したゲームデータが必要です。また、上記の動作状況は開発元の情報やユーザー報告に基づくものであり、当サイトで実機検証したものではありません。















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