ゲームキューブ用ソフト『スーパーマリオストライカーズ』をPS Vitaで動作させる非公式移植プロジェクト『Strikers Vita』のv1.4.0が、2026年10月28日に公開されました。開発者のrobin994氏によると、PS Vita実機でのテストマッチにおいて、ゲームプレイ中の平均フレームレートが従来の約16~20fpsから59.0fpsへと大幅に改善されたとのことです。
当サイトでは10月25日にv1.3.0の更新内容を紹介しましたが、当時は快適な動作をどこまで実現できるかが課題でした。今回の更新では、その点について具体的な測定結果が示されたことになります。なお、本作はゲームキューブのエミュレーターをPS Vita上で動かすのではなく、ゲームプログラムをPS Vita向けに再構築するプロジェクトです。
●『Strikers Vita』v1.4.0公式リリース
https://github.com/robin994/strikersVita/releases/tag/v1.4.0
●『Strikers Vita』開発元GitHub
https://github.com/robin994/strikersVita
●公式アセット作成ガイド
https://github.com/robin994/strikersVita/blob/main/ASSET_SETUP.md
PS Vita実機で平均59.0fpsを記録! 従来の約16~20fpsから大幅改善
今回のv1.4.0で最大の変更点となっているのが、試合中の動作速度です。公開されたリリースノートによると、v1.3では約16~20fpsだったゲームプレイ部分が、v1.4.0では平均59.0fpsにまで向上したと報告されています。数値上は従来のおよそ3倍となり、60fpsに近い動作を実現したことになります。
この数値は、開発者がPS Vita実機でテストマッチを行い、CPUを444MHz、GPUを222MHzに設定して測定したものです。ゲーム開始後に600フレーム分のウォームアップを行い、その後のゲームプレイ300フレームを計測しています。平均フレーム時間は16.9ミリ秒だったとのことです。
ただし、あくまでも指定された条件での短い測定結果であり、すべての試合やゲームモードで安定して60fpsを維持できることが確認されたわけではありません。それでも、前回の更新時には今後の目標だった60fpsに、通常のゲームプレイ部分では大きく近づいたことになります。
描画解像度の調整や読み込み処理の改善で高速化
今回の高速化には、new-coke氏が貢献しています。特に大きいのが、3Dグラフィックの描画負荷を軽減する仕組みです。通常はPS Vitaの画面解像度である960×544ドットの72パーセント相当で3Dシーンを描画し、それを画面に合わせて拡大表示します。処理が重くなった場合には、一時的に64パーセントまで下げることで、動作速度の維持を図っています。
つまり、従来よりも滑らかな動きを優先する代わりに、内部的な描画解像度を下げているわけです。設定ファイル『strikers.ini』で等倍解像度の描画に戻すこともできますが、その場合は動作速度が大きく低下する可能性があります。
このほか、画面に映らない部分の描画を省いたり、テクスチャやモデルの読み込みを効率化したりする処理も導入されました。ディスクデータの読み込みもゲーム進行を妨げにくい方式へ変更され、ゴール後に選手の喜ぶ演出へ切り替わる際の引っかかりも改善されています。単にフレームレートを上げるだけでなく、プレイ中に感じる一瞬のもたつきを減らすことも狙いとなっています。
一方、スタジアムのイントロやリプレイは、設計上30fpsで表示されます。したがって、今回の「約59fps」は主に試合中のゲームプレイ部分を指しており、すべての場面が60fpsになるという意味ではありません。
導入にはオリジナルのゲームキューブ版データが必要
『Strikers Vita』v1.4.0はGitHubで公開されており、Homebrewに対応したPS Vitaに導入できます。ただし、配布されているファイルだけでゲームを遊べるわけではありません。正規に所有している『スーパーマリオストライカーズ』のゲームディスクからデータを用意し、開発者が案内するツールでPS Vita用の『sms.psarc』を作成する必要があります。ゲーム本体のディスクイメージや著作物を含むアセットは配布されていません。
日本版を持っている人にとって気になるのが、国内版のゲームディスクに対応しているかどうかでしょう。公式のアセット作成ガイドでは、日本版のディスクID『G4QJ01』も認識対象に含まれています。ただし、これは変換ツールが対象として認識するという意味であり、日本版のすべての場面で正常に動作することを保証するものではありません。
また、今回の性能改善を利用するには、v1.4.0に付属する新しい『strikers.ini』を使用する必要があります。更新前には設定ファイルやセーブデータのバックアップを取るよう案内されており、より良いパフォーマンスを得るために『CapUnlocker』プラグインの導入も推奨されています。
基本的な導入方法については、当サイトで10月25日に公開した『Strikers Vita』v1.3.0の紹介記事も参考にしてください。なお、本プロジェクトは任天堂が公認した移植ではありません。
わずか数日でゲームプレイ中の平均フレームレートが大幅に向上した一方、画質との兼ね合いや場面ごとの動作には、まだ検証すべき部分も残っています。今後は実際の試合を通して、どの程度安定して遊べるようになったのかにも注目したいところです。


















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