MiSTer FPGAで映画やテレビ番組をブラウン管再生!『MisterZine Jellyfin』のベータ版を開発者が紹介

MiSTer FPGAで映画やテレビ番組をブラウン管再生!『MisterZine Jellyfin』のベータ版を開発者が紹介

MiSTer FPGA向けのJellyfinクライアント『MisterZine Jellyfin』について、開発者のmatijaerceg氏が2026年10月27日、Redditで一般向けに紹介しました。PCやNASなどで管理している映画やテレビ番組の動画ライブラリを、MiSTer FPGAを通してブラウン管テレビ(CRT)やHDMIディスプレイで再生できるソフトです。

最初のベータ版は10月20日に公開されており、27日が初公開日というわけではありません。日本時間の10月28日には、接続の安全性などを改善した『0.1.0-beta.7』も公開されています。なお、現在のベータ版ではライブラリの閲覧は無料ですが、実際に動画を再生するにはPatreon支援者向けのコードが必要です。

●MisterZine Jellyfin公式サイト
https://misterzine.fyi/jellyfin/

●GitHub Releases
https://github.com/matijaerceg/misterzine-jellyfin/releases

MiSTer FPGAがブラウン管向け動画プレーヤーに

MiSTer FPGAといえば、FPGAを利用して昔のゲーム機やアーケード基板を再現する環境として知られています。『MisterZine Jellyfin』は、そんなMiSTer FPGAを動画プレーヤーとして活用できるクライアントです。

『Jellyfin』は、PCやNASなどに保存した動画をライブラリとして管理し、ネットワーク経由で再生できるメディアサーバーソフト。『MisterZine Jellyfin』では、ローカルネットワーク上にあるJellyfinサーバーを検出してログインし、MiSTer FPGAのコントローラーで作品を選んで再生できます。MiSTer FPGA単体で映画配信サービスに接続する仕組みではなく、別途Jellyfinサーバーと、そこに登録した動画が必要です。

ホーム画面には「続きを見る」「最近追加された作品」といった項目が並び、検索やテレビ番組のシーズン・エピソード表示にも対応。再生位置や視聴済みの情報はサーバーに反映され、イントロやクレジットのスキップ、字幕・音声トラックの切り替えなども利用できます。

480i表示や4:3フィルターなどCRT向け機能も充実

特徴は、ブラウン管テレビを意識した画面設計です。MiSTer FPGAのアナログ出力では480i、PAL環境では576iの4:3表示に対応し、RGB、コンポーネント、S端子、コンポジットなどでの利用が想定されています。HDMI接続では480p、576p、動画に応じた出力も選択できます。

ライブラリから4:3の作品だけを表示するフィルターも搭載。昔のテレビ番組や4:3の映画などを、当時のテレビに近い雰囲気で楽しむ用途に向いていそうです。ワイド画面の動画についても、上下に黒帯を付ける表示や画面を切り取る表示を選べるほか、240p再生、50/60Hzのリフレッシュレート調整なども用意されています。

動画のデコードにはBen Owen氏のH.264デコーダーコアをベースにしたFPGA側の処理を使用。条件に合う最大720pのH.264動画は、Jellyfinサーバー側で変換せずに再生できます。対応外の形式はサーバー側でH.264に変換する仕組みで、1080pなどの素材も変換によって再生できる場合があります。ただし、再生結果はサーバーの性能や設定、動画形式などによって異なります。また、720pは元動画のデコード条件であり、CRTへの出力解像度が720pになるという意味ではありません。

ベータ版の動画再生には支援者コードが必要

2026年10月28日時点で公開されているのは早期アクセス用のベータ版です。ソフトの導入、Jellyfinサーバーへのログイン、ライブラリの閲覧は無料で試せますが、動画を再生する際には開発者のPatreon支援者に提供されるコードの入力が必要になります。

開発者によると、正式版1.0ではコード不要で無料公開する予定です。ただし、正式版の公開時期は決まっていません。現時点で無料の動画プレーヤーとして利用できるわけではない点には注意が必要です。

導入には、ネットワークに接続されたMiSTer FPGA、アクセス可能なJellyfinサーバー、SDカードの空き容量約30MBなどが必要です。GitHub Releasesからインストーラーをダウンロードし、SDカード内のScriptsフォルダーに配置。MiSTer FPGAのメニューから実行すると導入できます。サーバー側では、利用するアカウントに動画変換の権限が必要です。

最新ベータでは接続の安全性などを改善

GitHubの公開履歴を見ると、最初の『0.1.0-beta.1』は10月20日にリリースされています。その後、開発者が10月27日にRedditで一般向けに紹介し、日本時間10月28日午前4時29分には『0.1.0-beta.7』が公開されました。

最新ベータでは、サーバーへの接続時にHTTPSを優先し、HTTP接続をローカルの接続先に限定して警告と承認を求めるよう変更。保存済みの認証情報を使う前のサーバー確認や、動画再生時の認証トークンの扱いも見直されています。また、動画を直接再生するか、サーバー側で変換するかを切り替えられるようになりました。

開発者はDE10環境で720pのH.264動画の直接再生やサーバー側での変換、480i出力などをテストしています。一方で、シークや再生モードの切り替えによって、指定位置から数秒ずれる場合があることもベータ版の制限として挙げられています。今回、当サイトでの実機動作確認は行っていません。

ちなみに当サイトでは以前、別のJellyfinクライアント『MiSTerFin』の動作映像も紹介しました。こちらはNenad Grujičić氏による別プロジェクトで、『MisterZine Jellyfin』の旧バージョンや後継版という関係ではありません。

MiSTer FPGAの用途をゲームだけでなく、手持ちの映像作品をブラウン管で楽しむ方向へ広げる『MisterZine Jellyfin』。正式版で予定されている無料公開も含め、今後の開発が気になるところです。

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