2026年10月27日、MiSTer FPGA向けのアーケードコアを開発しているMeathax氏が、未発売のアーケードゲーム『Asylum』のプロトタイプに対応したコアを公開しました。
『Asylum』は、正式な商業発売に至らなかった3人用のアーケードゲームです。これまでMAMEを通じて保存されてきた作品ですが、今回新たにMiSTer FPGAでも動作させられるようになりました。
Meathax氏はRedditの「r/MiSTerFPGA」で公開を告知しており、コアは無料で提供すると説明しています。
●Meathax Patreon — Asylum (prototype)
https://www.patreon.com/Meathax/posts/asylum-prototype-173502338
商業発売されなかった『Asylum』とは?
『Asylum』は、開発途中のプロトタイプが残されているアーケードゲームです。開発者の説明によると、登場するキャラクターはRip、Rak、Rolの3人。プレイヤーはこれらのキャラクターを操作し、脱出を目指して敵と戦っていく内容となっています。
しかし、本作は正式な商業発売には至らず、一般のゲームセンター向けに流通することはありませんでした。
その一方で、プロトタイプのゲームデータはMAMEを通じて保存されており、現在までその存在が受け継がれています。
今回のニュースで重要なのは、『Asylum』というゲームが新たに発見されたわけではないという点です。すでに保存されていた未発売作品に対して、MiSTer FPGAという新たな動作環境が加わったことが大きなポイントとなっています。
MiSTer FPGAは、FPGAを利用して往年のゲーム機やアーケード基板のハードウェア構成を再現するプロジェクトです。こうした取り組みによって、当時の製品として世に出ることのなかったゲームにも、現代の環境で触れられる機会が広がっています。
MiSTer FPGA向けコアが無料公開!導入方法も案内
今回『Asylum』に対応するコアを公開したのは、MiSTer FPGA向けに数多くのアーケードコアを手掛けているMeathax氏です。
同氏はPatreonで『Asylum (prototype)』という記事を公開し、ゲームの概要やコアの機能、導入方法について説明しています。
導入に使用するのは、自動更新ツール向けの設定ファイル「downloader_meatcores.ini」です。開発者が案内している手順は次の通りです。
- Meathax氏のPatreonから「downloader_meatcores.ini」を入手する。
- MiSTerのSDカード直下(「downloader.ini」と同じ場所)に配置する。
- MiSTerで「Update_All」を実行する。
- 導入後、「Arcade/Meatcores」からゲームを起動する。
すでに「downloader_meatcores.ini」を導入済みの場合は、改めてファイルを配置する必要はなく、「Update_All」を実行することで新たなコアを取得できると説明されています。
なお、無料公開されているのはMiSTer FPGA向けのコアです。ゲームの実行に必要なデータについては、利用者自身で権利関係や入手方法を確認する必要があります。
オリジナルの66Hz動作とCRT向け60Hzモードに対応
今回公開されたコアには、表示周波数に関する設定も用意されています。
開発者によると、オリジナルに合わせた66Hz動作に対応しているほか、CRT(ブラウン管ディスプレイ)向けに60Hzモードも選択できるようになっています。
これらの設定は、MiSTerのOSD(オンスクリーンディスプレイ)から切り替える仕組みです。
66Hzはオリジナルに合わせた動作モードである一方、60HzはCRT環境での利用を想定した選択肢となります。ただし、60Hzモードはオリジナルと同じ表示タイミングを再現するものではないため、利用するディスプレイ環境に応じて選ぶことになりそうです。
また、キャラクター選択にも独自の仕組みが設けられています。
『Asylum』では、Rip、Rak、Rolの各キャラクターがプレイヤー番号に紐づけられています。そのため、今回のコアではMiSTer側の操作プレイヤー番号をOSDから切り替えることで、使用するキャラクターを選べるようになっています。
プロトタイプならではの未完成部分にも注意
一方で、今回の『Asylum』はあくまでも正式発売されなかったプロトタイプです。Meathax氏自身も、完成した商業作品とは異なり、ゲームには粗さが残っている可能性があると説明しています。
そのため、ゲーム進行中の挙動や演出などに、未完成と思われる部分が見られる可能性があります。また、当サイトでは全ステージの動作状況や3人同時プレイの安定性、66Hzと60Hzの表示の違いについて、実機での検証は行っていません。
それでも、正式発売されなかった作品がこうして保存され、新たなハードウェア環境でも動かせるようになったことには、興味深いものがあります。
過去のゲームを保存するという取り組みは、発売された有名作品だけに限りません。開発途中で姿を消してしまったゲームや、一般のプレイヤーが触れる機会のなかった試作品もまた、ゲームの歴史を知るうえで貴重な存在です。
今回の『Asylum』のMiSTer FPGA対応は、そうした未発売作品を現代に残し、実際に体験できる環境を広げる取り組みのひとつといえそうです。


















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