レトロゲームをPCゲームのように一覧管理! 『RetroRecomp』更新でお気に入りや直接起動に対応

レトロゲームをPCゲームのように一覧管理! 『RetroRecomp』更新でお気に入りや直接起動に対応

レトロゲームのROMデータをWindowsやLinux向けの実行ファイルに変換するツール『RetroRecomp』が、2026年10月19日にv1.1.5とv1.1.6へアップデートされました。今回の更新では、変換したゲームを一覧で管理する機能が追加され、お気に入り登録やカバー画像の表示、一覧からの直接起動などが可能になっています。

『RetroRecomp』は、ArthurReboulSalze氏が開発しているツールです。マスターシステムやゲームギア、ゲームボーイ、ファミコン、メガドライブ、スーパーファミコン、ネオジオといったゲーム機を対象に、ゲームのプログラムをPC向けに再コンパイルする仕組みを採用しています。

これまではゲームを変換する機能が中心でしたが、今回の更新によって、変換したゲームを整理して遊ぶための機能が強化されました。

●RetroRecomp 1.1.7
https://github.com/ArthurReboulSalze/RetroRecomp/releases

●GitHubプロジェクト
https://github.com/ArthurReboulSalze/RetroRecomp

変換したゲームを一覧管理できる『Compiled Games』

v1.1.5で追加された大きな機能が、新しい「Compiled Games」画面です。これまでに変換したゲームを一覧表示し、並べ替えや絞り込みを行いながら、遊びたいゲームを選んで直接起動できるようになりました。

ゲームの管理情報はアプリを終了しても保持されるため、起動するたびに変換済みのゲームを登録し直す必要はありません。また、お気に入り登録機能も追加されており、よく遊ぶゲームに星印を付けたり、お気に入りだけを表示したりすることも可能です。登録した情報は、ゲームの再スキャンや再生成を行ったあとも維持されます。

さらに、ゲームのカバー画像や短い説明文を表示するゲームカード機能も追加されています。カバー画像はローカルに保存されたものを優先して使用するほか、必要に応じて画像を指定したり、オンラインで検索したりすることもできます。ゲームの説明文についても、ユーザーが操作することでオンラインから取得でき、保存後はオフラインでも表示できます。

こうした機能によって、単にゲームをPC向けに変換するだけでなく、作成したゲームをひとつのライブラリーにまとめて管理できるようになったのがポイントです。

そのほか、元のROMデータを再探索する機能も改善されています。ゲーム機ごとにROMの保存フォルダーを指定でき、再生成が必要になった際には、以前使用したファイルの場所などを参照しながら元のデータを探す仕組みです。

フォルダーを移動しても管理情報が壊れにくくなった

続くv1.1.6では、こうしたゲームライブラリーをより安定して利用するための改善が行われています。

たとえば、アプリ本体とゲームの保存フォルダーをまとめて別の場所へ移動した場合、以前の保存場所を参照したままでは、ゲームを正しく管理できなくなる可能性があります。

今回の更新では、アプリ本体と「Games」「datas」フォルダーを一緒に移動した際に、管理情報に記録されているパスを新しい場所に合わせて修正する仕組みが追加されました。また、以前のバージョンで作成したライブラリーについても、保存先の情報を修復する機能が用意されています。

さらに、同じゲームが重複して登録されていた場合には、古い管理項目を統合しながら、お気に入り情報を維持するようになっています。

ゲームのスキャン処理も見直されており、実際にファイルがなくなったことを確認できた場合には、一覧から不要な項目を整理します。一方、一時的に接続できないドライブや読み取れないフォルダーについては、登録情報を勝手に削除しない仕組みになっています。

開発者によるテストでは、984ゲーム分のコレクションを使用し、フォルダー移動後のパス修復や重複登録の解消などが確認されています。ただし、これはライブラリー管理機能のテストであり、984本のゲームが正常に動作したという意味ではありません。

WindowsとLinux向けに公開中

『RetroRecomp』v1.1.6は、GitHubで公開されています。対応する環境はWindows x64およびLinux x86-64で、それぞれインストーラー版とポータブル版が用意されています。

LinuxについてはDebian 13/glibc 2.41の環境で検証されており、それ以外のディストリビューションやARM64環境での動作は保証されていません。また、ゲームを変換する際には、対応する開発ツールなどが必要になる場合があります。

なお、今回の更新は主にゲームの管理機能を改善したもので、ゲームそのものの互換性が向上したわけではありません。特にv1.1.6については、ゲームの実行処理やグラフィック、音声、ゲームプレイに関する変更は含まれていないことが明記されています。

また、プロジェクトには1,105件の正確なカートリッジ識別情報が含まれていますが、これは1,105本のゲームが完全に動作することを保証するものではありません。実際の動作状況はゲームやバージョンによって異なり、変換後も一部の処理で従来の実行方式による補完が必要になる場合があります。

配布ファイルにはゲームROMやBIOSなども含まれていないため、利用する際には別途必要なデータを用意する必要があります。なお、当サイトでは今回のバージョンについて実際の動作検証は行っていません。

レトロゲームをPC向けのネイティブアプリとして動作させるという取り組みは、まだすべてのゲームを完全に再現できる段階ではありません。しかし、今回の更新によって、変換したゲームを一覧で眺めたり、お気に入りを登録して起動したりと、日常的に利用するための機能が充実してきました。

変換そのものだけでなく、その後のゲームの管理や遊びやすさにも力が入れられている点は、今後の開発を見ていくうえでも興味深いところです。

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