480pで録画した映像を480iに戻せる? 『RetroTINK』と『FFmpeg』を使った保存方法を海外サイトが検証

480pで録画した映像を480iに戻せる? 『RetroTINK』と『FFmpeg』を使った保存方法を海外サイトが検証

海外のレトロゲーム情報サイト『RetroRGB』のBob氏が、2026年10月19日に『RetroTINK』と『FFmpeg』を組み合わせ、480pで録画した映像を480i形式に戻す方法を公開しました。

今回紹介されたのは、480iのアナログ映像を『RetroTINK』で480pに変換してからロスレスで録画し、その映像を再び480iへと変換する手法です。480i入力に対応していないキャプチャーデバイスでも、元の映像に近い形式で保存できる可能性があり、VHSなどのアナログテープをデジタル化する際の新たな選択肢になりそうです。

●RetroRGB:Re-Interlacing Bob Deinterlaced 480p
https://retrorgb.com/re-interlacing-bob-deinterlaced-480p.html

480iを直接キャプチャーできなくても保存できる?

VHSなどの古いアナログ映像をデジタル化するときに、問題になることのひとつが映像の保存形式です。NTSC方式の480iは、1枚の映像を奇数ラインと偶数ラインに分け、それぞれを交互に表示するインターレース方式を採用しています。

こうした映像をできるだけ元の形式に近い状態で保存するには、480iのまま取り込めるキャプチャーデバイスが必要になります。しかし、製品によっては480iの信号を内部で自動的に480pへ変換してしまうため、元のフィールド構造を維持したまま録画できない場合があります。

そこでBob氏が検証したのが、『RetroTINK』のBob方式によるデインターレース機能を利用する方法です。

通常、インターレース映像をプログレッシブ映像へ変換するときには、複数のフィールドの情報を組み合わせたり、動きを解析して補間したりする場合があります。一方、Bob方式では、それぞれのフィールドを独立したフレームとして扱います。

この仕組みを利用すれば、480iの各フィールドを480p60のフレームとして収録し、後から元の順番で組み直せる可能性があるというわけです。

『RetroTINK』と『FFmpeg』を組み合わせて480iへ再変換

今回の方法では、『RetroTINK 5X』『RetroTINK 6X』『RetroTINK 4K』など、必要な480p出力とBob方式によるデインターレースに対応した機器を使用します。

まず、『RetroTINK』にVHSなどのアナログ映像を入力し、出力解像度を480p、デインターレース方式をBobに設定します。これにより、NTSC方式の約60フィールド/秒の映像が、それぞれ独立したフレームとして出力されます。

続いて、この映像をPC側で720×480ピクセル、RGB24形式の480p60映像としてロスレス収録します。ここで重要なのは、映像を非可逆圧縮せず、フィールドに相当する情報をできるだけ維持したまま保存することです。

録画が完了したら、無料の動画変換ツール『FFmpeg』を利用します。同ツールに用意されている「tinterlace」というフィルターを使用することで、プログレッシブ映像を再びインターレース形式に変換できます。

RetroRGBでは、具体的なコマンドとして次の2種類を紹介しています。

トップフィールドファースト(TFF)

ffmpeg -i INPUTFILE.AVI -vf "tinterlace=mode=interleave_top" -c:v ffv1 -level 3 TFFOUTPUT.mov

ボトムフィールドファースト(BFF)

ffmpeg -i INPUTFILE.AVI -vf "tinterlace=mode=interleave_bottom" -c:v ffv1 -level 3 BFFOUTPUT.mov

このふたつは、映像を構成するフィールドの順番が異なります。正しく再構成するためには元のフィールド順に合わせる必要があり、RetroRGBでは両方のパターンを試すことを推奨しています。

また、保存にはロスレス動画コーデックの『FFV1』を利用しています。変換後の映像は『VirtualDub』で開き、デインターレース処理を行ってコマ送りで確認することで、フィールドが正しい順番に並んでいるかを判定できます。

Bob氏によると、『RetroTINK』を利用した収録ではTFFになることがほとんどだそうですが、実際に確認しておくことが重要です。なお、RetroRGBでは最初から長い動画を変換するのではなく、短い映像を切り出してテストする方法も紹介しています。

RetroRGB

短時間のテストでは良好な結果。長時間の映像保存には注意点も

実際にBob氏は『RetroTINK 4K』を使用し、今回の方法で480i映像を再構成できるか検証しています。

その結果、Bob方式で480p60に変換して録画した映像は、再び480iへ戻した後に元の480i映像と同じ方法で拡大処理を行うと、非常によく似た見た目になったと報告しています。

一方、動きに応じて補間処理を行う「動き適応型デインターレース」を利用した場合は、フィールドの情報が混ざってしまい、再変換後の映像がぼやけたような仕上がりになったそうです。

つまり、単に480p60で録画すればいいわけではなく、最初の段階でBob方式を選択することが重要になります。また、すでに480p30で録画され、フィールドの一部が失われた映像についても、同じ方法で元どおりに復元することはできません。

さらに、今回の検証にはいくつかの制約があります。

Bob氏がテストした映像は最長で約5分間であり、その範囲では良好な結果が得られたものの、長時間のアナログテープを録画した場合にも同じように処理できるかは確認されていません。

とくにVHSなどの磁気テープでは、映像信号のドロップアウトや同期の乱れが発生する場合があります。こうした問題が生じると、安定した収録環境を用意していても、正しく480iへ再構成できない可能性があります。

今回の検証は、あくまでもVHSなどのアナログ映像を保存することを主な目的としたものです。レトロゲームのプレイ映像を直接使って同様の結果が得られるかまでは確認されていません。

それでも、480iを直接キャプチャーできる機器を新たに用意しなくても、既存の『RetroTINK』とPC環境を活用できる可能性があるのは興味深いところです。

とくに、思い出の映像をできるだけ元の状態に近い形式で残しておきたい人にとっては、試してみる価値のある方法といえるでしょう。

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