初代PSの異色作『LSD』の夢世界をPS Vitaで! ファンリメイク移植版「LSD Revamped Vita v1.0」公開

初代PSの異色作『LSD』の夢世界をPS Vitaで! ファンリメイク移植版「LSD Revamped Vita v1.0」公開

初代PlayStation向けの異色作『LSD』を題材にしたファンリメイク「LSD Revamped」が、PS Vitaでも遊べるようになりました。開発者のarielxflores氏は2026年10月18日、PS Vita向けに移植した「LSD Revamped Vita v1.0」をGitHubで公開しました。

本作は、オリジナルのPlayStation版をそのまま移植したものではなく、PC向けに制作されたファンリメイクをPS Vita向けに再実装した非公式プロジェクトです。原作に登場する14種類の夢を探索できるほか、初代PlayStation風のグラフィックとリメイク版の映像表現を切り替えることも可能です。

●LSD Revamped Vita v1.0(GitHub Releases)
https://github.com/arielxflores/LSDRevamped-Vita/releases/tag/v1.0

●LSDRevamped-Vita(GitHub)
https://github.com/arielxflores/LSDRevamped-Vita

あの不思議な夢の世界を携帯ゲーム機で探索!

1998年にPlayStation向けに発売された『LSD』は、佐藤理氏が手がけた独特な世界観の作品です。一般的なゲームのように敵を倒したり、決められたゴールを目指したりするのではなく、夢の中を歩き回るような体験そのものを楽しむ内容となっています。

街並みや建物、奇妙なオブジェクトなどが登場する夢の世界では、何かに触れることなどをきっかけに、突然別の場所へ移動することもあります。次に何が起こるのか予想できない展開や、現実とは異なる不思議な風景が本作の大きな特徴です。

そんな『LSD』を現代のPC環境でも楽しめるように制作されているのが、Figglewatts(Sam Gibson)氏によるファンリメイク「LSD Revamped」です。今回公開された「LSD Revamped Vita」は、このリメイク版の仕組みやデータを基に、PS Vitaで動作するように作り直したものとなっています。

開発にはC言語やVitaSDK、vitaGLなどが使用されており、Unityで制作された「LSD Revamped」の処理を参考に再実装されています。開発者によると、安定した60fpsでの動作を実現しているとのことです。

14種類の夢や独特の世界移動を再現!

「LSD Revamped Vita」では、オリジナルの日記に登場する14種類の夢が収録されています。夢の中を歩き回りながら、別の夢へと突然移動する「リンク」と呼ばれる仕組みも再現されており、原作ならではの予測できない探索を楽しむことができます。

また、夢の傾向を記録するドリームグラフやフラッシュバック、特定の日に発生する特殊なイベントなどにも対応しています。原作で印象的な存在だった「Grey Man」も登場するほか、日数の進行やセーブ機能も利用可能です。

サウンドについては、オリジナル版の音楽データを基に再合成したものと、「LSD Revamped」で用意された楽曲の両方に対応しています。タイトル画面やオープニング映像、ゲーム内のムービーなども実装されており、開発者は原作の体験をできる限り再現することを目指しています。

初代PS風とリメイク版のグラフィックを切り替え可能!

本作で面白いのが、グラフィックや操作方式を好みに合わせて変更できるところです。

グラフィックは、初代PlayStationを思わせる「Classic」と、ファンリメイクの映像表現を採用した「Revamped」に対応しています。Classicでは、画面のピクセル化やディザリング、テクスチャの歪みを再現するアフィンテクスチャマッピングなどが使用されており、初代PlayStationらしい雰囲気を楽しむことができます。フレームレートを当時のように制限する機能も用意されています。

一方、Revampedでは、リメイク版のグラフィックで同じ夢の世界を探索できます。複数のグラフィック設定が用意されており、プレイ中にSELECTボタンで切り替えることも可能です。

操作方式についても、昔ながらの「タンク操作」と、リメイク版で採用された一人称視点の操作を選択できます。後者では右スティックで視点を自由に動かせるため、現代的な3Dゲームに近い感覚で探索することができます。ボタンの割り当て変更にも対応しており、PS Vitaのタッチスクリーンを使ってオプションを操作することも可能です。

導入にはゲームデータの構築が必要

「LSD Revamped Vita v1.0」は、GitHubのリリースページで公開されています。ただし、通常のPS Vita用ゲームとして販売されているものではなく、非公式の自作ソフトを動作させるためのHENkakuまたはEnsō環境が必要です。PS TVにも対応しています。

また、配布されているVPKファイルをインストールするだけでは遊べません。ゲームデータは別途PCで構築する必要があり、生成した「lsdr」フォルダーをPS Vitaの「ux0:data/」へ転送する仕組みとなっています。

Windows向けには「LSDRevamped-Vita-DataBuilder-win64.zip」という専用ツールが用意されており、展開後に「Build LSD data.bat」を実行することで、必要なゲームデータを生成できます。Linuxなどでも専用スクリプトを利用可能です。

PS Vita側には約350MBの空き容量が必要となるほか、「libshacccg.suprx」を「ur0:data/」に配置する必要があります。開発元によると、追加のプラグインは不要とのことです。

なお、PC版「LSD Revamped」にあるMODやカスタム日記の読み込みには対応しておらず、現時点では「Original Dreams」のみが利用可能です。また、PC版にある解像度や画質、フルスクリーン関連の設定も省略されています。

導入にはある程度の知識と準備が必要ですが、かつて初代PlayStationで体験した不思議な夢の世界を、携帯ゲーム機で持ち運んで探索できるというのは興味深いところです。グラフィックや操作方式を切り替えながら、原作とリメイク版の違いを楽しんでみるのも面白そうです。

なお、本作はあくまでも非公式のファンリメイクを移植したものであり、原作の権利者による公式リリースではありません。ゲームデータの取り扱いについても、元作品の権利や再配布条件に注意が必要です。

ABOUT US
アバター画像
retrogamer