ドリームキャスト用「K-UI 1.7」がDreamShellから独立。Windows CEゲームのSD起動にも実験対応

ドリームキャスト用「K-UI 1.7」がDreamShellから独立。Windows CEゲームのSD起動にも実験対応

ドリームキャスト向けのランチャー/ユーティリティ環境「K-UI 1.7 Dáinsleif」が公開されました。

当サイトでは以前「K-UI 1.0.1」を紹介しましたが、今回の1.7は単なるバージョンアップではありません。これまでベースとしていたDreamShellから離れ、独自のブートローダーやCベースのシェル、ディスクキャプチャーエンジン、常駐GDIローダーなどを備えた独立プロジェクトとして、内部が大幅に作り直されています。

さらに、Windows CEを採用した一部のドリームキャスト用ゲームを、SCI接続のmicroSDから起動する実験的な機能も追加されています。

DreamShellベースから独立したプロジェクトに

K-UI 1.0系列はDreamShellをベースに開発されていましたが、開発者のTPMJB氏によると、今回の1.7では構成を大きく変更しています。

DreamShellとK-UIはいずれもドリームキャスト向けのオープンソース開発環境「KallistiOS」を利用していますが、その上で動作するアプリケーションやローダー部分は別物になっています。

K-UI 1.7では、従来利用していたSDL/Lua/XMLベースのフレームワークを置き換え、新たにCベースのシェルを採用。DreamShellのフレームワークやゲームリーダーには依存しない構成になりました。

開発者も旧1.0系列をdeprecated(非推奨)としており、1.7については「ほぼ最初から作り直したもの」と説明しています。そのため、1.0で発生していた不具合などについても、そのまま1.7に当てはまるわけではありません。

なお、K-UI 1.7はドリームキャスト本体のBIOSを書き換えて導入するものではありません。現時点では付属する1.7用のCDIイメージをディスクに書き込み、そこから独立したランタイムを起動する方式です。

Windows CEゲームをmicroSDから起動する実験機能も追加

今回のアップデートで特に興味深いのが、Windows CEを採用したドリームキャスト用ゲームへの対応です。

K-UI 1.7では実験的なWindows CEローダーが搭載されており、SCI接続のmicroSDから『Armada』や『Worms Armageddon』などが実際に起動・動作したことが報告されています。

ドリームキャストでは、一部のタイトルでWindows CEが採用されていました。こうしたタイトルは一般的なゲームとは内部構造が異なるため、SDカードなどから起動する際の互換性がひとつの課題となっていました。

ただし、現時点ではWindows CE対応はあくまでも実験段階です。ゲームによっては起動しないほか、音声やFMV、同期処理などに制限があり、イメージから読み込んだCDオーディオについても音が出ないなどの問題があります。

開発者による追加報告では、『Bust-A-Move 4』『Worms Armageddon』『Armada』などではある程度動作している一方、通常タイトルを含めて起動できないゲームも確認されています。

そのため、現段階では「Windows CEタイトルがすべてSDカードから動くようになった」というわけではなく、今後の互換性向上が期待される機能と考えたほうがよさそうです。

GD-ROMの吸い出しやVMUバックアップにも対応

K-UI 1.7には、ゲーム起動以外にもドリームキャスト実機で利用できる複数のユーティリティが収録されています。

GD-ROMの吸い出し機能「Disc Ripper」では、RAWトラックのキャプチャーに加えて、処理の停止・再開やデータの検証、リファレンスとの比較、読み取りに問題があるディスクからのデータ救済などに対応しています。

実際に『Sword of the Berserk』や31トラック構成の『MDK2』を約20分で吸い出し、ドリームキャスト上とPC上の両方でTOSECのデータと一致したことも報告されています。

また、VMU Managerではセーブデータのバックアップと復元が利用できるほか、ファイルマネージャー、音楽再生、オーディオCD再生、診断ツール、各種設定なども用意されています。

W5500を利用したFTP機能も搭載されており、ローカルネットワークを経由したファイル転送が可能です。開発者のテストでは、W5500/SCIF構成でアップロード約0.8MiB/s、ダウンロード約0.5MiB/sを記録したとしています。

IDE/CFやGDEMUについては今後の検証待ち

一方で、現時点ではIDE/CF関連のハードウェア検証やATA DMAなど、未完成の部分も残されています。

開発者自身がIDE/CF環境をまだ用意できていないため、これらについては今後検証を進めていく予定です。また、GDEMUについても開発者側ではテストする予定がなく、利用者からの検証報告を求めています。

バージョン番号が「2.0」ではなく「1.7」とされているのも、まだ追加予定の機能が残されているためです。

前回のK-UI 1.0系列から短期間で大きく姿を変えた今回の「K-UI 1.7 Dáinsleif」。特にドリームキャスト実機でGD-ROMドライブを残しつつ、microSDからゲームを利用したいユーザーにとっては、今後の発展も気になるプロジェクトとなりそうです。

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