MiSTer FPGA「Update All 2.11」が公開。Coin-Opライセンス導入やフロントエンド切替を自動化

MiSTer FPGA「Update All 2.11」が公開。Coin-Opライセンス導入やフロントエンド切替を自動化

MiSTer FPGA向けの統合アップデートツール「Update All 2.11」が公開されました。今回のアップデートでは、Coin-Op Collectionとの連携機能をはじめ、使用するフロントエンドの切り替え、Linuxの更新方法を選択できる機能、データベースを個別に管理する「Database Manager」など、多数の新機能が追加されています。

Update Allは、MiSTerのコアや各種データベース、ツールなどをまとめて導入・更新できるスクリプトです。内部ではMiSTer Downloaderを利用しており、Update All独自の設定画面から追加データベースやツールなどを選択することができます。

なお、開発者のtheypsilon氏によると、今回の2.11が「Update All 3」登場前では最後の2.x系リリースになるとのことです。

●開発者theypsilon氏のUpdate All 2.11告知
https://www.reddit.com/r/MiSTerFPGA/comments/1wjuuzz/update_all_211_released/

Coin-Op Collectionのライセンスを自動で導入・更新可能に

今回のアップデートで大きな追加要素となっているのが、「Coin-Op Collection」との連携機能です。

Coin-Op CollectionのBeta/Alphaコアを利用するためのライセンスキーはFPGA IDと紐付けられており、これまではユーザー自身でキーをダウンロードし、MiSTerにコピーする必要がありました。

2.11では、Coin-Op Collection側でMiSTerを登録したうえで、Update Allのアカウント機能からFPGA IDを連携することで、ライセンスを「games/mame/coinopkey.zip」に自動で導入できるようになりました。

ライセンスが更新された場合もUpdate Allから自動的に更新されるため、従来のように手動でファイルを入れ替える手間を減らすことができます。

また、「Other Cores」内にはCoin-Op Collection用のサブメニューも追加されています。ここでは「Public」「Beta」「Alpha」から導入するリリースを選択可能です。

AlphaにはBetaも含まれており、初期状態ではPatreonのメンバーシップに応じたものが選択される仕組みとなっています。

標準UI、Zaparoo、Degaussを切り替えられる「Frontends」メニューを追加

設定画面には、新たに「Frontends」メニューが追加されました。ここではMiSTer-develが提供する標準MiSTer UIに加えて、「Zaparoo Frontend」と「Degauss」をまとめて管理できます。

いずれかひとつのフロントエンドをオンにすると、ほかのフロントエンドは自動的にオフになります。標準MiSTer UIを選択すれば、従来のメニュー画面に戻すことも可能です。

切り替えに必要となる「MiSTer.ini」の変更についてもUpdate All側が処理してくれるため、ユーザー自身が設定ファイルを直接編集する必要はありません。

このうちDegaussは、MiSTer上のゲームライブラリーを画像やメタデータ付きで閲覧できるフロントエンドです。既存のゲームフォルダーやお気に入りなどを利用する仕組みで、Update AllのFrontendsメニューから導入や更新を行えるようになっています。

Linuxは「検証済みを待つ」「最新版を追う」「更新しない」から選択可能に

Linuxの更新方法についても、大きな変更が加えられました。

Update Allの標準となるMain Distributionでは、コアやMiSTer本体、チート、フィルターなどについては従来通りMiSTer-develを追従しますが、Linuxについてはコミュニティで動作が確認されたバージョンを利用する仕組みになっています。

一方、新たに追加された「MiSTer-devel(Edge Linux)」を選択すると、新しいLinuxイメージが公開された段階で導入できます。

さらに「System Options」には、Linux Updateをオフにする設定も追加されています。こちらを利用すると、DownloaderによるLinuxの更新そのものを停止できます。

つまり2.11からは、Linuxについて「コミュニティでの検証を待ってから更新する標準設定」「新しいLinuxを早い段階で導入するEdge Linux」「Linuxそのものを更新しない」という運用を、Update Allの設定画面から選べるようになったというわけです。

導入済みDBを個別に管理できる「Database Manager」

「System Options」には、もうひとつの新機能として「Database Manager」が追加されています。

これは、Downloaderが過去に導入したデータベースを一覧表示し、個別に更新したりアンインストールしたりできる機能です。

現在のiniファイルからすでに削除されている古いデータベースについても一覧に表示され、それぞれのIDや説明、URLを確認できます。

「Update Only」を選べば指定したデータベースだけを更新でき、「Uninstall」では、そのデータベースと関連ファイルをまとめて削除することが可能です。

Update All 2.9では、設定画面から対応データベースをアンインストールする仕組みが導入されていました。2.11のDatabase Managerでは、Downloaderが把握しているデータベース全般まで管理対象が広がった形になります。

『Diablo』『Hellfire』向けHybrid Coreや「Shmup Deck」も追加

コンテンツ面では、新たに「Diablo MiSTer」がHybrid Coresのラインアップに加わりました。

これはオープンソースの『Diablo』エンジン「DevilutionX」を利用したもので、ゲーム処理をARM側、映像出力などをFPGAコア側で処理するHybrid Core方式を採用しています。

『Diablo』本編に加えて拡張版『Hellfire』にも対応しており、必要なゲームデータを「games/Diablo/」に配置することで、それぞれMiSTerの「Other」内から起動できるようになります。

また、「Tools & Scripts」には「Shmup Deck」も追加されました。

Shmup DeckはMiSTer上でサービスとして動作し、スマートフォンから専用ページを開くことで、アーケードのシューティングゲームをフライヤー形式で選択し、MiSTerから起動できるツールです。開発者の説明では、178本のアーケードシューティングに対応しています。

なお、Shmup Deckはバックグラウンドで常時動作し、MiSTerのLinuxが利用できる約500MBのRAMのうち、およそ25MBを使用するとされています。

ほかのプログラムやコアに影響を与える可能性があることから、Update All側でも有効化するときに注意が表示されるようになっています。

2.10から約2週間、今度は「管理機能」が大幅強化

前バージョンのUpdate All 2.10は2026年9月4日に公開され、39種類のゲームアートワークDBやHybrid Coresサブメニュー、MiSTer Hi-Fi、Disc Tools、MiSTerFin、MiSTer DVDなどの追加が中心となっていました。

それに対して今回の2.11では、Coin-Op Collectionのアカウント連携やFrontends、Linuxの更新制御、Database Managerなど、「何を導入するか」だけではなく、「MiSTer環境をどう管理するか」という部分が大幅に強化されています。

Update All自体はこれまでと同様にセルフアップデートに対応しているため、すでに導入しているユーザーは通常通りUpdate Allを実行することで最新版を利用できます。

約4年間続いてきたUpdate All 2.x系は今回で一区切りとなり、次回はいよいよメジャーバージョンアップとなる「Update All 3」が登場する予定です。

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