未発売ゲームの発掘・保存活動を行っている「Games That Weren’t」は、2026年10月19日、Amstrad CPC向けに開発されていたテニスゲーム『Pro Tennis』の初期試作版を保存・公開したことを明らかにしました。
今回公開されたのは、テニスコートのスクロールやキャラクターの移動などを確認できる、開発のごく初期段階のデータです。完成したゲームとして遊べるものではありませんが、当時のゲームがどのように作られていたのか、その一端を知ることができる貴重な資料となっています。
●Games That Weren’t:Pro Tennis(試作版の紹介・データ配布・動画)
https://www.gamesthatwerent.com/2026/10/pro-tennis/
●Games That Weren’t公式サイト
https://www.gamesthatwerent.com/
テニスコートやキャラクターが動く初期試作版
『Pro Tennis』は、Amstrad CPC向けにClockwizeという開発会社で制作されていたテニスゲームです。Amstrad CPCといえば、1980年代にヨーロッパを中心に展開されていた8ビットパソコンとして知られています。
今回保存された試作版では、シンプルなテニスコートの両端に、ふたりのキャラクターが立っている様子を確認できます。このうち一方のキャラクターは操作することができ、ジョイスティックの操作とボタン入力を組み合わせることで、ボールを動かすことも可能です。
また、操作の仕方によってはテニスコートを上下にスクロールさせることもできます。しかし、通常のテニスゲームのようにボールを打ち返して試合を進めることはできず、あくまでも基本的な動作を確認するためのテスト段階にとどまっています。
とはいえ、キャラクターの移動やコートのスクロールといった要素が実装されていることから、ゲームとしての仕組みを少しずつ作り上げようとしていた様子がうかがえます。
保存されていたディスクから『Pro Tennis』のタイトルを確認
Games That Weren’tによると、本作のグラフィックスとプログラムを担当していたのはDavid Bradley氏です。今回の試作データは、Dean Hickingbottom氏の協力によって保存されました。
興味深いのは、保存されていたディスクの中から、クレジット画面の画像も見つかっていることです。そこには『Pro Tennis』というタイトルが記されており、開発中の作品名を確認する手がかりとなっています。
ただし、現存するプログラムは非常に初期の段階のもので、ゲームとして完成するにはほど遠い状態です。正確な開発時期や、なぜ製品化されなかったのかといった詳しい事情も明らかになっていません。
Codemastersから発売された同名ゲームとの関係は?
今回の発見でもうひとつ気になるのが、CodemastersからAmstrad CPC向けに、同じ『Pro Tennis』というタイトルのゲームが発売されていたことです。
Games That Weren’tでは、今回発見された試作版が、ClockwizeからCodemastersに向けて提案されたものだった可能性にも触れています。しかし、これを裏付ける情報は確認されておらず、両作品にどのような関係があったのかは不明です。
保存団体も今後さらなる情報が見つかることを期待していますが、現時点では今回公開された試作データが、確認できるほぼすべての内容とされています。
なお、Games That Weren’tの公開ページでは、この初期試作版のデータをダウンロードできるほか、実際の動作を収録した動画も公開されています。
完成したゲームとは異なり、普段目にする機会がほとんどない開発途中のプログラム。しかし、こうした未完成のデータも、当時のゲーム制作の様子を伝える貴重な記録のひとつです。今回の保存によって、発売に至らなかった作品の痕跡が、現在でも確認できる形で残されたことになります。







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