PSPがRaspberry Piのゲーム画面&コントローラーに!「PSPExp 1.0」が正式公開

PSPがRaspberry Piのゲーム画面&コントローラーに!「PSPExp 1.0」が正式公開

開発者のPleft氏は2026年10月11日、ソニーの携帯ゲーム機「PSP」をRaspberry Piなどの小型コンピューターと組み合わせて活用できる非公式プロジェクト「PSPExp v1.0.0」を公開しました。GitHubでは、PSP向けのプログラムやRaspberry Pi用のシステムイメージなどが配布されています。

●PSPExp GitHub
https://github.com/pleft/PSPExp

この「PSPExp」は、PSPの液晶画面やスピーカー、ボタンなどを利用して、USB接続したRaspberry Pi側で動作するゲームを楽しめるようにするものです。つまり、PSPそのものの処理性能を向上させるのではなく、PSPをRaspberry Piのゲーム画面兼コントローラーとして再利用するという、なかなかユニークな仕組みになっています。

PSPをRaspberry Piの携帯ゲーム端末として活用!

「PSPExp」の最大の特徴は、ゲームの処理をRaspberry Pi側で行いながら、実際の表示や操作にはPSPを利用するという点です。

通常、PSPでゲームを遊ぶ場合は、本体に搭載されたCPUやGPUを使ってゲームを動作させます。しかし、「PSPExp」では外部に接続したRaspberry Piなどの小型コンピューターがゲームを実行するため、PSP単体では動作させられなかったタイトルも楽しめるようになります。

仕組みとしては、Raspberry Pi側で実行しているゲームの描画情報をUSB経由でPSPへ送り、PSPのグラフィック機能を使って画面に表示します。また、ゲームの内容によってはRaspberry Pi側のGPUで描画した映像をPSPへ転送する方式も利用されます。

音声はPSPのスピーカーから再生でき、ボタンの入力情報はRaspberry Pi側に送られるため、基本的にはPSPを操作するだけでゲームを楽しめるというわけです。

『DOOM』や『Quake』だけではなく、さまざまなエミュレーターにも対応

「PSPExp」では、専用のランチャーが用意されており、ゲームやエミュレーター、各種アプリケーションなどをPSPの画面から選択できるようになっています。

ゲームについては、『DOOM』のフリー版である『Freedoom』や『Quake』、『Cave Story』などに加えて、『Celeste 64』や『Unreal Tournament』といったタイトルも紹介されています。

また、エミュレーターについても、ファミコンやスーパーファミコン、メガドライブ、ゲームボーイ、ゲームボーイアドバンスなどに対応。Raspberry Piを利用する場合は、ニンテンドウ64のエミュレーターも用意されています。

これらはPSP向けに移植されたプログラムを直接動かしているわけではなく、接続した小型コンピューター側で実行しているという点がポイントです。

ゲームなどは「PSPExp」のパッケージ管理機能から導入できる仕組みになっています。ただし、タイトルによっては別途ゲームデータを用意する必要があり、利用できるソフトも接続する機器によって異なります。

そのほか、音楽プレイヤーやファイルマネージャー、Linuxのターミナルなども用意されており、ゲーム以外の用途にも活用できるようになっています。

PSP-1000で動作を確認! 導入にはカスタムファームウェアが必要

気になる対応機種ですが、開発者が実際にテストしたPSPは初代モデルの「PSP-1000」です。PSP-2000やPSP-3000、PSP Goなどについては、現時点ではテストされていないため、動作が保証されているわけではありません。

また、PSP側にはカスタムファームウェアの導入が必要になります。これは、Raspberry PiとのUSB通信に専用のドライバーを利用するためで、通常の公式ファームウェアだけでは動作しません。

接続する小型コンピューターについては、Raspberry Pi 3/4/400/5の64ビット環境が対象となっているほか、「ClockworkPi GameShell」にも対応しています。さらに、小型のLinuxボードである「Onion Omega2+」も利用できますが、こちらは自分でプログラムをビルドする必要があるなど、上級者向けの構成となっています。

導入する場合は、PSP用のプログラムをメモリースティックにコピーし、Raspberry Pi側には配布されているシステムイメージを書き込んだストレージを用意します。

その後、PSPで「PSPExp」を起動し、Raspberry PiとMini USBケーブルで接続することで利用できるようになります。なお、USBケーブルは充電専用のものではなく、データ通信に対応したものが必要です。

PSPの新しい活用方法として注目したいプロジェクト

今回公開された「PSPExp v1.0.0」は、初めての一般公開版です。すでにPSPとRaspberry Pi 400などを組み合わせた実演動画も公開されており、実際にゲームが動作している様子を見ることができます。

一方で、現時点ではすべてのゲームが問題なく動作するというわけではありません。公開されている更新履歴では、一部のゲームを起動した際にPSPの電源が切れることがあるなど、既知の問題も報告されています。

また、ゲームの動作速度や入力遅延、画質、音声品質などについては、使用する機器やソフトによっても違いがあると考えられます。これらについては、実機での検証が必要でしょう。

とはいえ、2000年代に発売されたPSPを、現在の小型コンピューターと組み合わせて再びゲーム端末として活用できるというのは、なかなか面白いアイデアです。

すでにPSPを持っている人ならば、比較的入手しやすいRaspberry Piと組み合わせることで、これまでとはひと味違った使い方が楽しめるかもしれません。今後の開発によって対応機種や利用できるソフトがどこまで広がっていくのかも気になるところです。

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