TrimUIシリーズ向けのカスタムOS「NX Redux」のバージョン2.1.0が、2026年10月11日に公開されました。今回のアップデートでは、携帯ゲーム機2台をUSB-Cケーブルで接続する有線通信機能が追加されています。
なかでも注目したいのが、ゲームボーイアドバンス(GBA)の通信ケーブル機能に対応したことです。これにより、『ポケットモンスター』シリーズでのポケモン交換や対戦など、かつてGBA本体同士を専用ケーブルでつないで楽しんでいた通信機能を、現代の携帯ゲーム機でも再現できるようになりました。
なお、NX ReduxはMohammad Syuhada氏が開発する非公式のカスタムOSです。記事執筆時点では、10月13日に公開された修正版のバージョン2.1.2が最新版となっています。
●NX Redux公式更新履歴
https://nxredux.com/reference/release-notes/handheld/
USB-CケーブルでGBAの通信機能を再現!
今回追加されたのは、USB-Cケーブルを利用した有線ネットプレイ機能です。これまでもNX ReduxではWi-Fiやホットスポットを利用した通信プレイに対応していましたが、新たに2台の携帯ゲーム機を直接ケーブルで接続できるようになりました。
使い方も比較的シンプルです。2台の対応機種をデータ転送に対応したUSB-Cケーブルで接続し、それぞれのゲーム機で同じゲームを選択。Yボタンからネットプレイのメニューを開き、一方をホスト、もう一方を参加側に設定して、接続方法として「USB Cable」を選択します。
ただし、ケーブルの接続位置には注意が必要です。公式ドキュメントによると、一方のゲーム機では上側のUSB-C端子、もう一方では下側の充電用USB-C端子を使用する必要があります。両方とも同じ位置の端子に接続した場合は通信できません。
この方式ではWi-Fi環境を用意する必要がなく、無線通信よりも安定した低遅延の接続が期待できます。
そして、今回のアップデートで特に大きな意味を持つのが、GBAの通信ケーブルをエミュレーションする機能です。
NX Reduxの公式ドキュメントでは、『ポケットモンスター ルビー』『サファイア』『エメラルド』での交換や対戦に加えて、『ファイアレッド』『リーフグリーン』と『ルビー』『サファイア』の間での交換も例として紹介されています。
さらに、『マリオカートアドバンス』の対戦や、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣』に収録されている「4つの剣」の協力プレイなどにも利用できます。
当時のGBAでは、通信ケーブルを持っている友人とゲーム機をつなぎ、ポケモンを交換したり対戦を楽しんだりしていた人も多いのではないでしょうか。今回の機能は、そうした遊び方を現在の携帯ゲーム機で再現できるという点で、なかなか興味深いものとなっています。
gpSPとmGBAの両方に対応! ただし通信方式に違いも
今回のGBA通信機能は、NX Reduxに搭載されている「gpSP」と「mGBA」の両エミュレーターに対応しています。
gpSPは比較的軽快に動作するエミュレーターで、USB-Cによる有線接続に加えて、従来のWi-Fiやホットスポットを利用した通信プレイもサポートしています。また、『ファイアレッド』『リーフグリーン』『エメラルド』などで利用できるワイヤレスアダプタの通信機能にも対応しています。
一方のmGBAは、より正確なエミュレーションを重視したもので、今回追加されたGBAの通信ケーブル機能をUSB接続で利用できます。ただし、mGBAによる通信プレイはUSB接続専用となっており、Wi-Fiによる通信には対応していません。
また、通信する2台では同じエミュレーターを使用する必要があります。gpSPとmGBAを組み合わせて通信することはできないため、ゲームデータを配置するフォルダーも両方でそろえておく必要があります。
ポケモン交換についても、ゲーム側の条件を満たす必要があります。たとえば、『ファイアレッド』『リーフグリーン』と『ルビー』『サファイア』の間で交換する場合、通信方式の設定に加えて、ゲームの進行状況などにも注意が必要です。
対応するTrimUIシリーズと導入時の注意点
NX Reduxの公式ドキュメントでは、対応する携帯ゲーム機として「TrimUI Brick」「TrimUI Brick Hammer」「TrimUI Brick Pro」「TrimUI Smart Pro S」などが案内されています。
ただし、従来モデルの「TrimUI Smart Pro」については、理論上は動作するものの、開発者が実機を所有していないため未確認とされています。
USB-Cによる通信については、公式ドキュメントでTrimUI BrickとSmart Pro Sの組み合わせによる動作テストが報告されています。一方で、すべての対応機種の組み合わせについて同じように動作することが保証されているわけではありません。
また、通信する2台には同じバージョンのNX Reduxを導入する必要があります。バージョン2.1系は従来の2.0以前とのネットプレイ互換性がないため、両方を新しいバージョンにそろえておくのがよさそうです。
導入する際は機種ごとに用意された配布ファイルを使用し、事前にmicroSDカードのバックアップを取っておくこともおすすめします。
NINTENDO64やPlayStation、ドリームキャスト関連にも変更あり
NX Redux 2.1.0では、GBAの通信機能以外にもさまざまな機能が追加されています。
NINTENDO64関連では、「Mupen64Plus-Next」を使用したエミュレーション機能がNX Reduxのシステムに統合され、ゲーム内メニューやスクリーンショット付きのセーブステート、RetroAchievementsなどを利用できるようになりました。
PlayStation向けには、従来のエミュレーターに加えて「SwanStation」が追加されています。こちらはGPUを利用した描画に対応しており、3Dゲームをより高い解像度で表示することが可能です。
さらに、ドリームキャスト向けには、比較的処理能力の低い端末でも動作しやすい軽量版の「Dreamcast Lite」が追加されています。
そのほか、メニュー表示の60fps化やゲーム一覧画面のカスタマイズ機能など、使い勝手に関する改善も行われました。
なお、10月12日にはバージョン2.1.1、13日には2.1.2も公開されています。2.1.1ではSmart Pro SにおけるgpSPやmGBAの動作改善が行われ、2.1.2ではPlayStationの描画性能改善やPSP関連の不具合修正、mGBAの太陽光センサー操作に関する修正などが盛り込まれています。
実際のGBAと通信できるわけではない点には注意
今回のUSB-C通信機能で注意しておきたいのは、本物のゲームボーイアドバンス本体と直接通信できるわけではないということです。
あくまでもNX Reduxを導入した対応機種同士を接続し、その上で動作するエミュレーターがGBAの通信ケーブルの動作を再現する仕組みです。そのため、手元にあるGBA本体とTrimUIをUSB-Cケーブルでつないでポケモンを交換する、といった使い方はできません。
また、すべてのGBAタイトルで通信機能の動作が保証されているわけでもありません。現時点で当サイトでは実機による検証を行っていないため、具体的な動作状況については今後確認していく必要があります。
とはいえ、かつて専用の通信ケーブルが必要だったGBAの交換や対戦を、現在の携帯ゲーム機ではUSB-Cケーブルで再現できるというのは、なかなか面白い進化ではないでしょうか。
特に『ポケットモンスター』シリーズのように、通信機能を利用することで遊びの幅が大きく広がるタイトルとの相性はよさそうです。実際に2台のTrimUIシリーズを用意し、異なるバージョン間でのポケモン交換や、通信プレイがどこまで再現できるのか試してみたくなる機能といえます。















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