Anbernic『RG DS Plus』向けGammaOS Nano 1.4.3公開。復帰・Wi-Fi・低遅延音声を改善、OTAにも対応

Anbernic『RG DS Plus』向けGammaOS Nano 1.4.3公開。復帰・Wi-Fi・低遅延音声を改善、OTAにも対応

Anbernicの2画面携帯ゲーム機「RG DS Plus」向けカスタムOS「GammaOS Nano v1.4.3」が、2026年9月29日に公開されました。

今回のアップデートでは、スリープから復帰した直後にタッチ操作ができない問題や、Wi-Fiが正常に復帰しない問題など、日常的な使い勝手に直結する不具合を中心に改善されています。さらに、ヘッドホン使用時の低遅延オーディオやDraStic-nanoのGPU 3D描画など、ニンテンドーDSエミュレーション周辺にも手が加えられました。

RG DS Plus向けのGammaOS Nanoは、Android 14/LineageOS 21をベースにした非公式OSです。本体の1GB RAMに合わせた軽量なCoreビルドを採用しており、microSDカードからOSを起動する仕組みになっています。そのため、本体内蔵ストレージを変更せずに利用できるのも特徴です。

●GammaOS Next Changelog(v1.4.3)
https://github.com/TheGammaSqueeze/GammaOSNext/wiki/GammaOS-Next-Changelog

スリープ復帰直後からタッチ操作が可能に

v1.4.3で特に大きいのが、スリープや復帰に関する改善です。

これまでRG DS Plusでは、ディープスリープから復帰したあと、タッチスクリーンが最大で数秒間反応しない場合がありました。今回のアップデートではタッチコントローラーのスリープ/復帰処理が見直され、画面が復帰した直後からタッチ操作できるように改善されています。

また、スリープ後にWi-Fiが正常に復帰しない問題も修正されました。従来は見た目上Wi-Fiに接続されているにもかかわらず通信できず、その後切断されると再起動するまで再接続できないケースがありました。v1.4.3ではデバイスの復帰に合わせてWi-Fiドライバーも再開され、復帰から約2秒でネットワークが利用可能になるとされています。

このほか、初回セットアップをバッテリー駆動で行っている途中に、端末が突然シャットダウンする問題も修正されています。実際のバッテリー残量とは異なる情報をAndroid側が参照していたことが原因で、今回のアップデートでは正しいバッテリー情報を使用するよう変更されました。

ヘッドホンでも低遅延オーディオが利用可能に

ニンテンドーDSエミュレーションに使われる「DraStic-nano」関連でも、いくつか重要な改善が加えられています。

RG DS Plusでは低遅延オーディオ機能が用意されていましたが、これまでは本体スピーカー使用時に限られ、ヘッドホンを接続すると通常のオーディオ経路に切り替わっていました。v1.4.3ではスピーカーとヘッドホンのオーディオ処理が見直され、ヘッドホン使用時にも低遅延オーディオ経路を維持できるようになっています。

音と映像のズレが気になりやすいゲームでは、こうした音声遅延の短縮は操作感にも影響する部分です。イヤホンやヘッドホンを使ってRG DS Plusをプレイしているユーザーにとっては、今回のアップデートでも特に実感しやすい変更のひとつになりそうです。

また、DraStic-nanoのGPU 3Dレンダラーも改善されています。細かなテクスチャーの描画位置やライティング、シェーディング処理が調整され、DraStic本来のCPUレンダリングにより近い描画結果になるよう修正されました。

R4形式のチートデータやゲーム別Performance設定にも対応

機能面では、R4などで利用されている「usrcheat.dat」形式のチートデータにも対応しました。

任意のusrcheat.datをDraStic-nanoのチートフォルダーに配置することで、内蔵チートと組み合わせて利用できます。内蔵されたチートとユーザーが追加したものは、ゲーム内のチート画面から区別して確認できるようになっています。

ゲームごとのPerformance設定にも対応しています。タイトルごとにパフォーマンスモードを指定できるようになり、ゲームを終了すると元のグローバル設定に戻る仕組みです。ゲームによって負荷や必要な性能が異なるDSエミュレーションでは、毎回設定を変更する手間を減らせそうです。

さらに、Box Art Scraperで取得したカバー画像や背景画像をmicroSDカード側に保存する「Boxart Folder」も追加されました。内蔵ストレージの消費を抑えられるほか、既存のアートワークをSDカード側へ移動して管理することもできます。

Quick Resumeのループ問題も修正

Quick Resume周辺にも手が入っています。

これまでQuick Resumeから復帰したDSゲームを終了した際、ホーム画面に戻らず最後のゲーム画面で停止し、再起動すると再び同じゲームがQuick Resumeされる「Quick Resume Loop」が発生する場合がありました。

v1.4.3ではこの問題が修正されたほか、Quick Resume自体をゲーム設定からオン/オフできるスイッチも用意されています。機能は初期状態ではオフになっており、必要なユーザーだけが有効にできます。

細かな修正ではありますが、スリープからの復帰やゲーム終了といった頻繁に行う操作の安定性が改善されており、全体として新機能追加よりも「普段使っていて引っ掛かる部分」を減らすことに重点を置いたアップデートといえます。

v1.4.2からはOTAで更新可能

RG DS Plus向けGammaOS Nanoでは、v1.4.2からv1.4.3へのOTAアップデートにも対応しています。

そのため、すでにv1.4.2を利用している場合はmicroSDカードへOSイメージを書き直す必要はなく、本体上からアップデートできます。OTA更新ではゲームやセーブデータ、各種設定を保持したまま更新できるため、導入済みのユーザーにとってアップデートのハードルは低くなっています。

RG DS Plus版GammaOS Nanoは、本体内蔵ストレージではなくmicroSDカードから動作する仕組みです。GammaOSを使用しない場合はカードを取り外すことで、内蔵ストレージ側の純正環境へ戻すことができます。

現時点ではPatreon支援者向けの先行公開

なお、GammaOS Nano v1.4.3は、記事執筆時点ではPatreon支援者向けの先行リリースとなっています。

そのため、現時点で誰でも自由にダウンロードできる一般公開版ではない点には注意が必要です。開発者からは、非支援者向けにも後日公開すると案内されています。

今回のv1.4.3は、派手な大型機能を追加するアップデートではありませんが、タッチ操作やWi-Fi、スリープ復帰、ヘッドホンの音声遅延といった、RG DS Plusを実際に使ううえで気になりやすい部分がまとめて改善されています。すでにGammaOS Nanoを導入しているユーザーにとっては、実用性を高めるアップデートになりそうです。

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