ファミコン本体の発売から遅れること約ひと月。1983年8月27日に『五目ならべ 連珠』と共にファミコン初の追加ソフトとして発売されたのが、『麻雀』です。任天堂からは翌年11月に『4人打ち麻雀』が発売されていますが、本作は2人うちとなっており、対戦モードはなくCPUのみと戦える仕様になっています。
麻雀ゲームとしては、至ってシンプルな機能しか備えていません。最初に「初級」「中級」「上級」の3種類からCPUの強さを選択。あとは配パイが始まりゲームがスタートします。
ルールは起親から始まり(相手は南家)、持ち点は3万点。食いタンありで、東1局、東2局、南1局、南2局で半チャン終了となります。やや変わっているのは、ドラは表示牌で、九蓮宝燈は萬子のときのみとなっています。
普通の麻雀ゲームでは、対局中に何かしらの音楽が流れるものですが、そんなものは一切無し! 最低限必要な効果音やジングル程度で、昔のパソコンゲームを思わせるような作りのゲームになっています。しかし、シンプルさゆえに麻雀そのものに集中しやすいかもしれません。
さて筆者は本作と赤塚不二夫氏が書いた漫画で麻雀のルールが学べる書籍の『ニャロメのおもしろ麻雀入門』ともに購入。麻雀の基礎を学んだ記憶があります。
ふたり打ち麻雀で勉強したということもあり、最初の頃は相手の捨て牌も見ずにひたすら自分の手を作ることに集中する「ファミコン打ち」になってしまっていましたが、徐々に麻雀の楽しさがわかってきていろいろと勉強していくようになりました。
そうした意味でも思い出深く、本作には感謝の気分でいっぱいです(笑)。
何を切る的な練習にもなりそうな裏技もあり!?
これだけシンプルなゲームでありながら、実は裏技も仕組まれていました。やり方はとっても簡単で、スタートボタンとAボタンを押した状態でリセットをし、牌パイが終わるまで待つだけ。すると毎回同じ配パイになります。ちょっと頑張れば役満も狙えるので、1度試してみてください。
text.レトロゲームライター 高島おしゃむ