マスターシステム版『Out Run』をAmstrad CPCへ移植した『Outrun 2026』無料公開。全15ステージを収録

マスターシステム版『Out Run』をAmstrad CPCへ移植した『Outrun 2026』無料公開。全15ステージを収録

セガ・マスターシステム版『Out Run』を、8ビットパソコンのAmstrad CPC 6128向けに作り直した非公式ファンプロジェクト『Outrun 2026』が公開されました。itch.ioから無料でダウンロードすることができます。

本作は単純にゲームを移植しただけではなく、128KBのメモリーを搭載したCPC 6128上で動作するようにゲームエンジンそのものを再構築しているところが大きな特徴です。マスターシステム版に収録されていた全15ステージやコース分岐なども再現されています。

●Outrun 2026 – itch.io
https://mlouvet.itch.io/outrun-2026

128KBのCPC 6128向けにゲームエンジンを再構築

『Outrun 2026』で興味深いのは、マスターシステム版のプログラムをそのまま移植したものではないという点です。

作者の説明によると、マスターシステム版で使われている道路の描画処理は同機のビデオハードウェアに依存しているため、そのままAmstrad CPCで利用することはできません。

そこで本作では、道路を描画するためのエンジンをCPC向けに新たに制作。その一方で、コース形状や背景、車の挙動などについてはマスターシステム版を計測しながら再現しています。

対応機種となるAmstrad CPC 6128は、1985年に登場した8ビットパソコンです。Z80系CPUと128KBのRAMを搭載しており、『Outrun 2026』もこの128KB環境を前提として制作されています。

ゲーム全体は1枚のディスクに収められており、CPC 6128実機のほか、128KB環境を再現できる対応エミュレーターでも動作します。

全15ステージとコース分岐も収録

ゲームにはマスターシステム版をベースにした全15ステージが収録されています。

『Out Run』といえば、コースの途中で左右どちらへ進むかを選択し、異なるルートを走ってゴールを目指す分岐システムが特徴ですが、『Outrun 2026』でもこの仕組みが再現されています。

さらに、道路脇の風景や交通車両、カーブ前の標識なども実装されています。ほかの車や障害物などに接触した際にはクラッシュやスピンも発生するなど、『Out Run』らしいゲーム内容がCPC上に再構築されています。

スタート地点の演出やチェックポイント通過時のタイム追加なども用意されており、単に車を走らせるデモではなく、ゲームとして一通り遊べる内容になっています。

「MAGICAL SOUND SHOWER」など3曲を収録

『Out Run』に欠かせないBGMも収録されています。

ゲームでは「MAGICAL SOUND SHOWER」「PASSING BREEZE」「SPLASH WAVE」の3曲から好きなものを選択することができます。

こちらもマスターシステム版のデータをそのまま再生しているわけではありません。マスターシステムで使用されているSN76489向けの音楽データを、Amstrad CPCが搭載するAY系サウンドチップ向けに変換しています。

3曲ともフルサイズで収録されており、オリジナルと同じテンポで演奏されるように調整されています。

約16fpsでゲームを描画

グラフィック面では、Amstrad CPCの「Mode 0」とダブルバッファリングを利用しており、ゲームは約16fpsで描画されます。

現在のゲームと比較すれば決して高いフレームレートではありませんが、4MHzクラスのZ80と128KB RAMという環境で、道路や背景、交通車両などをリアルタイムに描画しているところは興味深いポイントです。

また、難易度はEASY、NORMAL、HARDの3段階から選択できます。HARDではマスターシステム版に近いハンドリングになるとのことです。

トランスミッションについてもオートマチックとマニュアルの両方を用意。ジョイスティックだけではなく、キーボードでも操作することができます。

開発にはClaudeも活用

『Outrun 2026』の開発では、AIのClaudeも活用されています。

作者のMichel Louvet氏によると、人間側がプロジェクト全体の設計や方向付け、各ビルドの検証、エミュレーターと実機を使ったテストなどを担当しています。

一方で、Z80コードやデータ抽出用ツール、音楽データの変換ツールなどの制作にはClaudeを利用したとのことです。

もっとも、本作の面白さはAIを利用したことだけではありません。異なるハードウェア向けに作られたマスターシステム版『Out Run』を分析し、限られたCPC 6128の環境に合わせてゲーム自体を再構築しているところが大きな見どころといえそうです。

『Outrun 2026』は非公式・非商用のファンプロジェクトとして制作されたもので、セガとは関係ありません。現在はitch.ioで無料公開されています。

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