Xbox 360『The Darkness』PCネイティブ版v0.1.2公開。影・Darkness Vision・高解像度描画を修正

Xbox 360『The Darkness』PCネイティブ版v0.1.2公開。影・Darkness Vision・高解像度描画を修正

Xbox 360版『The Darkness』をWindows x64向けに静的再コンパイルする非公式プロジェクト「The Darkness Recomp」のv0.1.2が、2026年9月27日に公開されました。今回のアップデートでは、新たにPC版が初公開されたというわけではなく、Darkness Visionの表示、キャラクターやオブジェクトの影、高解像度時の描画など、グラフィック面を中心とした大規模な修正が行われています。

GitHubのリリースページによると、v0.1.2は9月27日05:09に公開。現在も「Pre-release」として提供されており、開発途中のバージョンという位置付けです。

●GitHub「The Darkness Recomp」Releases
https://github.com/portingpete/The-Darkness-Recomp/releases

公式Windows版が存在しない初代『The Darkness』をPCネイティブ化

『The Darkness』は、Top Cow Productionsのコミックを原作としてStarbreeze Studiosが開発し、2K Gamesから2007年に発売された一人称視点のアクションゲームです。Xbox 360とPlayStation 3向けに発売され、特殊な能力「The Darkness」を操る殺し屋ジャッキー・エスタカードを主人公とした、ダークな世界観が特徴となっています。

続編の『The Darkness II』はWindows向けにも発売されましたが、初代『The Darkness』には公式Windows版が存在しません。現在でもXboxストアではXbox 360版をベースとしたタイトルが販売され、Xbox OneやXbox Series X|Sから遊ぶことはできますが、PC向けには正式移植されていない作品です。

そこで進められているのが「The Darkness Recomp」です。このプロジェクトではXbox 360版の実行コードを事前に変換・コンパイルし、Windows x64上で動作するネイティブプログラムとして実行できるようにしています。一般的なXbox 360エミュレーター上でゲーム機本体の動作を再現する方式とは異なり、実行時にはエミュレーションを行わず、Direct3D 11を利用してWindows上で描画する仕組みです。

v0.1.2ではDarkness Visionの金色のエッジ表現を修正

今回のv0.1.2で大きく手が入ったポイントのひとつが、「Darkness Vision」の描画です。暗い場所でオブジェクトの輪郭などに現れる金色のエッジ表現が、本来の見た目に近い形で復元されています。

従来は描画処理の問題により、後続の描画パスがこの発光表現を上書きしてしまうケースがありました。v0.1.2では深度マスクの扱いなどが修正され、オリジナル版が持っていた発光の強さや距離によるフェード処理なども維持されるようになっています。

さらに、CPU側のテクスチャキャッシュミスが発生した場合に、Darkness Visionで使用するノイズテクスチャを復旧する処理も追加されています。ゲームの雰囲気を構成する重要な視覚効果だけに、今回のアップデートでは比較的大きな改善点といえそうです。

消えたりちらついたりしていたキャラクターやオブジェクトの影も改善

影の描画にも複数の修正が入っています。特に、カメラを動かした際にキャラクターの影が消えたり、ちらついたりする問題が修正されました。

また、スツールなど比較的小さなオブジェクトで使われるステンシルボリュームシャドウも復元されています。シャドウマップの比較処理やポリゴンバイアスも調整され、不自然に暗くなる部分や、本来とは異なる位置に影が表示される問題にも対処しています。

透明部分を含むテクスチャを影として処理する際の扱いや、投影テクスチャ用シェーダーなどについても修正されています。『The Darkness』というタイトルの性質上、暗所やライティングはビジュアルの印象を大きく左右する要素だけに、影周辺の改善は今回のv0.1.2を象徴する変更点のひとつです。

720pを超える高解像度描画にも大きな修正

高解像度でプレイした場合に発生していた表示上の問題についても改善されています。これまで720pを超える解像度では、暗い場所が灰色や緑色がかった色合いになるケースがありましたが、カラーコレクション用データの扱いを修正することで、本来の色に近い描画が行われるようになりました。

1080p時のフロントバッファコピーにも修正が入り、タイル境界付近でコピー処理が正常に行われなかった問題に対処しています。描画済みのピクセルを維持しながら、描画されていない領域のみをクリアするよう変更されています。

加えて、オリジナルのシャドウプロジェクターとフィルター処理も、1倍、2倍、3倍のレンダースケールで復元されています。単純に解像度だけを上げるのではなく、Xbox 360版で使われていた描画表現を維持しながら高解像度化するための調整が進められているようです。

Windows 10/11とDirect3D 11対応GPUが必要

The Darkness Recomp v0.1.2を利用するには、64bit版Windows 10またはWindows 11と、Direct3D 11対応グラフィックスデバイスが必要です。実行用のWindows x64版ZIPが配布されており、プレイ時にコンパイラーやPythonなどの開発環境を別途インストールする必要はありません。

一方で、ゲーム本体のデータは配布物には含まれていません。ユーザー自身が所有するXbox 360版『The Darkness』から用意したゲームファイルを使用する必要があり、対応するゲームリビジョンやファイルの準備方法については同梱されている「START_HERE.txt」で案内されています。

なお、単にISOファイルを配置するだけでは動作せず、対応するXbox 360版から必要なファイルを準備する工程があります。プロジェクトそのものがゲームデータを提供するものではない点には注意が必要です。

68件の自動テストを通過。ただし全編プレイスルーは未実施

v0.1.2では、ハードウェアレンダリングやWARPレンダリング、Darkness Vision、影、高解像度描画、ランタイム周辺などを対象とした68件の自動テストすべてに合格したと報告されています。配布ZIPや各ファイルのハッシュ、v0.1.1から上書き更新した際にゲームデータやセーブデータ、設定が保持されることなども確認されています。

ただし、開発者は今回のリリースについて、ゲーム全編を通した完全なプレイスルーテストは実施していないことを明記しています。そのため、現段階で「完全動作する」「最後まで問題なくクリアできる」と判断できる状態ではありません。

The Darkness Recompは9月15日にv0.1.0が公開され、9月20日のv0.1.1ではWindows環境での導入方法やファイル配置、ランタイム周辺などが改善されました。そして9月27日のv0.1.2では、Darkness Visionや影、高解像度描画といったゲーム中のビジュアルに大きく関わる部分へ修正範囲が広がっています。いずれもPre-releaseではあるものの、公式Windows版が存在しないXbox 360時代のタイトルをエミュレーターを介さずPCネイティブで動作させる取り組みとして、今後の進展も注目したいところです。

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