ネオジオポケット/ネオジオポケットカラー向けエミュレーター『NgpCraft Emulator v3.5』が公開されました。今回のアップデートでは、v3.1以降に発生していたリンクケーブル関連の不具合が修正され、通信対応ゲームから接続を正しく認識できるようになっています。
NgpCraftでは、1台のPC上でネオジオポケット2台分を起動するほか、LANやインターネットを利用した通信プレイにも対応しています。今回の修正はそうしたリンク機能そのものを追加するものではありませんが、実際に通信対応タイトルを遊ぶうえでは重要な改善といえそうです。
●NgpCraft Emulator v3.5 Release
https://github.com/Tixul/Ngpcraft_emulator/releases/tag/v3.5
●NgpCraft Emulator GitHub
https://github.com/Tixul/Ngpcraft_emulator
通信はできているのにゲーム側がケーブルを認識しない問題を修正
v3.1以降のNgpCraftでは、エミュレーター同士の接続自体は確立され、通信データも流れていたものの、ゲーム側からはリンクケーブルが接続されていないと判断されてしまう不具合が発生していました。
その影響で『SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ(Card Fighters’ Clash)』では通信開始時の画面から先に進めなくなるほか、『GALS’ FIGHTERS』『PUZZLE BOBBLE MINI(Puyo Pop)』『Magical Drop』などでも、2人目のプレイヤーを認識できない状態になっていたとのことです。
v3.5では、このリンクケーブルの認識に関する問題を修正。開発者によるテストでは、1台のPC上で2台分のネオジオポケットを起動する「dual-console mode」と、LANを経由した接続の両方で動作が確認されています。ただし、今回の修正後にインターネット越しでのケーブル通信まではテストされていないため、オンライン環境でも同様に正常動作すると断定することはできません。
1台のPCだけでも2台のネオジオポケットを再現可能
NgpCraftの特徴のひとつが、ネオジオポケットのリンクケーブルをエンドツーエンドでエミュレートしているところです。「Two players — this PC」を選択すると2台目の仮想本体が別ウィンドウで立ち上がり、1台のPCだけで2台のネオジオポケットを接続した状態を再現できます。
このほか、LAN上ではホストと参加側がIPアドレスを指定して直接接続できるほか、オンラインロビーを利用した通信にも対応。インターネット回線のPingが高い場合に備えて、リンクケーブルの通信データではなくコントローラー入力のみを送信する「Mirror Mode」も用意されています。
つまりNgpCraftは、単にネオジオポケットのゲームをPC上で動かすだけではなく、実機でリンクケーブルを使用していた通信プレイまで再現することを目指したエミュレーターです。それだけに、ゲーム側がケーブルそのものを認識できなくなっていた今回の問題は、通信機能の実用性に大きく関わる不具合でした。
ホストが勝手に待受を終了する問題も改善
v3.5では、リンクプレイ時の使い勝手についても改善が行われています。これまではホスト時にアドレスを表示するウィンドウを閉じると、ユーザーへの通知なしにセッション自体も終了していました。
さらにホスト側は5分が経過すると自動的に接続待ちを終了する仕様になっていましたが、こちらも廃止。新バージョンではユーザー自身が停止するまで待受状態を維持するようになり、相手側のPCで準備を行っている途中に接続受付が終了してしまうといった事態を避けやすくなっています。
接続に失敗した場合のエラー表示も改善されており、単なるWindowsのエラー番号ではなく、同一ネットワーク上にいない、指定したポートでホストが待機していない、アドレスが存在しないといった原因を、より具体的に確認できるようになりました。
Windows/Linux/macOS向けビルドを配布
NgpCraft Emulatorは、高速なC++製エミュレーションコアとPyQt6によるデスクトップUIで構成されています。Windows、Linux、macOS向けにはPythonを別途用意する必要がないビルドもReleaseページで配布されているため、対応環境であれば比較的手軽に試すことができます。
BIOSについては独自のHLE BIOSを内蔵しており、実機から吸い出したBIOSは必須ではありません。UIも英語、フランス語、ポルトガル語に加えて日本語に対応しています。ただしゲームROMは同梱されていないため、利用する場合はユーザー自身で適切に用意する必要があります。
なお、v3.5のGitHub Releaseページではタグとバージョン表記は「v3.5」となっているものの、リリースノート本文の冒頭には「NgpCraft Emulator v3.4」という表記が残っています。内容や変更履歴からv3.5のリリースページであることは確認できますが、閲覧時にはこの表記の違いに注意しておいたほうがよさそうです。
リンク機能を利用していたユーザーにとっては、今回のv3.5は単なる細かなアップデートではなく、通信対応タイトルを再び正常に利用するための重要な更新といえます。特に1台のPCで2台分を起動できるため、『SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ』など手元に通信対応タイトルがある人は、新バージョンで挙動を確認してみるのも面白そうです。















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