PS1エミュ『DuckStation』Preview版で本体リージョンを起動中に変更可能に。PAL判定の変化に合わせて表示設定も更新

PS1エミュ『DuckStation』Preview版で本体リージョンを起動中に変更可能に。PAL判定の変化に合わせて表示設定も更新

初代PlayStation向けエミュレーター『DuckStation』の最新Preview Buildが、2026年9月5日に公開されました。今回のビルドには「System: Allow live-changing console region」と題した変更が収録されており、エミュレーション実行中でもConsole Region(本体リージョン)の設定を変更できるようになっています。

DuckStationは初代PlayStationを対象としたエミュレーターで、Windows、Linux、macOS向けのビルドが提供されています。今回追加されたのは、あくまでもエミュレートするPS1本体のリージョン設定を実行中に変更する機能であり、「リージョンフリー化」といった意味ではありません。

●DuckStation Releases/Latest Preview Build
https://github.com/stenzek/duckstation/releases

PS1を動かしたまま本体リージョンを変更可能に

今回の変更で大きなポイントとなっているのが、DuckStationでゲームなどを実行している最中でもConsole Regionの変更を反映できるようになったことです。設定されているリージョンが変更されると、新しい値を取得して実行中の本体リージョンを書き換え、それに合わせてGPU側の設定も更新する処理が追加されています。

これまでは本体リージョンを変更する場合、設定を変更したうえでエミュレーション環境をあらためて構成する必要がありました。今回の変更により、少なくともエミュレーターそのものを終了して設定し直すことなく、実行中にConsole Regionを変更できるようになっています。

Automaticを選択している場合についても処理が用意されており、自動判定されたリージョンを利用する仕組みが組み込まれています。一方で、ユーザーが明示的に本体リージョンを指定している場合は、その設定を不用意に上書きしないようにする処理も確認できます。

PALかどうかの変化を検出して表示設定も更新

リージョン変更に合わせて、GPU側の処理にも手が加えられています。今回の変更では、現在エミュレートしている本体がPALかどうかを確認し、その状態が以前から変化した場合にCRTC設定を更新する処理が追加されました。

これにより、実行中に本体リージョンを変更した際には、PAL系かどうかという状態の変化に合わせて表示タイミング関連の設定も再構成されます。単純に設定画面上のリージョン表記だけを変更するのではなく、その変更をエミュレーション側の映像処理にも反映する仕組みとなっています。

ただし、この変更を「PAL版とNTSC版のゲームを自由に切り替えて動かせる」といった意味に捉えるのは適切ではありません。今回確認できるのは、本体リージョンのライブ変更と、それに伴うPAL判定の変化をGPU側へ反映する処理が実装されたという点です。実際のゲームごとの挙動については、個別に確認する必要があります。

RetroAchievementsのHardcore ModeではAutomaticに固定

今回の変更では、RetroAchievementsのHardcore Mode利用時の扱いについても手が加えられています。Hardcore Modeが有効になっている場合、Console RegionはAutomaticに固定される仕様となっています。

そのため、通常利用時には実行中に本体リージョンを変更できるようになった一方で、Hardcore Modeではユーザーが任意のリージョンを指定して利用することはできません。RetroAchievements側の制約に合わせて、エミュレーター側でも設定を固定する形となっています。

また、今回の変更ではセーブステートについてもリージョンの扱いが見直されています。現在実行している本体リージョンとは異なるリージョンで作成されたセーブステートを読み込んだ場合、リージョンが一致していないことを警告する処理も追加されました。

今回の機能はまだPreview版。Stable版との違いに注意

DuckStationには、Stable ReleasesとPreview Releasesというふたつの更新チャンネルが用意されています。Stableはより多くのテストを経て提供される更新チャンネルであるのに対して、Previewはリポジトリへ変更が加えられるたびに構築される、開発版に近い位置付けです。

公式の説明でも、PreviewはStableよりテスト量が少なく、不具合を含む可能性があるとされています。今回の本体リージョンのライブ変更機能が収録されているのもPreview Buildであり、現時点でStable版にも同じ機能が実装されたと捉えないよう注意が必要です。

当サイトでは2024年9月にもDuckStationを取り上げていますが、そちらはライセンス変更について紹介したものでした。今回のConsole Regionのライブ変更とは内容が異なっており、PS1エミュレーション時の設定変更をより柔軟にする新たな機能追加となっています。

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