2021年に作ったこちらの記事ですが、一部内容をアップデートしてできるならば今年入手しておきたいレトロゲーム互換機をピックアップしてご紹介していきます。ちなみに、中には数年前に発売されたものやこれから発売されるもの、あるいはやや入手が困難なものも含まれていますが、情報として知っておいても損はないということで掲載しています。
■マルチエミュレーター系
日本人の間で比較的に人気の高いレトロゲーム互換機が、複数のタイトルを本体に取り込んで遊べるタイプの機種です。その代表例が『POLYMEGA』と『レトロフリーク』ですね。基本的には、本体に取り込んだ後はエミュレーターで動かして遊ぶことになるため、海外では「エミュレーターボックス」というような呼ばれ方をされることもあります。
若干ゲームの互換性は落ちるものの、手持ちのゲームをライブラリ化してお手軽に遊べるところが魅力となっています。
●POLYMEGA(ポリメガ)
元々『Retroblox』という名称で2017年に発表された、マルチレトロゲーム互換機の『POLYMEGA(ポリメガ)』。なかなか正式なリリースが決まりませんでしたが、2021年9月よりようやくプレオーダー向けの発送が開始されました。
今後は、それ以降に注文したユーザーへの発送も徐々に開始されていくのではないかと思われます。
さて、こちらの『POLYMEGA』ですが、コンセプト的には『レトロフリーク』に近く、ゲームソフトを本体に取り込んでライブラリ化して遊ぶことができます。そして、その最大の特徴は、PlayStationやセガサターンなどCD-ROMドライブを搭載し始めた第5世代のゲーム機にまで対応しているところです。
本体とは別に、カートリッジゲームを取り込むためのモジュラーを購入することでPlayStationやセガサターン、メガドライブ、スーパー32X、メガCD、PCエンジン、PCエンジンROM2、NEO GEO CD、NES(アダプターでファミコンにも対応)、スーパーファミコンなど、各国バージョンを含めて30種類以上のゲーム機に対応しているところもポイントです。
また、リリースはまだ未定ですが、5つ目のモジュールとしてNINTENDO64の対応も発表されています。
●Polymega®
https://polymega.com/
●レトロフリーク
発売開始は2015年10月31日と、すでに6年以上の歳月を経ていますが、いまだに高い人気を誇るマルチレトロゲーム互換機がサイバーガジェットから発売されている『レトロフリーク』です。ファミコンやスーパーファミコン、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンス、メガドライブ、PCエンジン、セガ・マークⅢ、ゲームギア、SG-1000など、第4世代までの15種類のゲームに対応しており、カセットのデータを取り込んでライブラリ化して遊べるようになることが最大の特徴です。
一部非対応のゲームもありますが、概ね良好で、セーブステートやチート機能など古いゲームでも遊びやすくするための機能も搭載されています。
●レトロフリーク
https://www.cybergadget.co.jp/retrofreak/
■FPGA系
エミュレーターとは異なるアプローチで、オリジナルのレトロゲーム互換機を再現しようとしているものが、FPGA系の互換機です。AnalogueやRetroUSBといったメーカーから発売されていますが、これらはFPGAと呼ばれる半導体チップの中でオリジナルのハードウェアに搭載されていた回路を再現しており、100パーセントエミュレーターレスで作られているというのが特徴となっています。
●RetroUSB AVS
FPGAでファミコンをハードを再現した、パイオニア的な存在のレトロゲーム互換機がREtroUSBから発売されている『AVS』です。ファミコンやNESのカートリッジをそのまま差し込んで遊べるほか、ディスクシステムにも対応。最大720pの映像でHDMI出力することができます。
Analogueのファミコン互換機が約$500と高額で品薄な状況に対して、『AVS』は$199と安価ですぐに購入できるところが特徴といえます。複雑すぎる設定項目もないため、あまり迷わずに遊べるところも優れたポイントといえるでしょう。
……と、以前は比較的安価で入手がしやすかったのですが、現在は部品不足で次に入手可能になるのが2023年夏といわれています。
●AVS – retroUSB
https://www.retrousb.com/index.php?cPath=36&osCsid=8a255bade5ae305d4b141c1a3ba43c08
●Analogue Nt mini Noir
一応ピックアップしましたが、実は最も入手が困難なファミコン互換機がこちらの『Nt mini Noir』です。当初2020年7月にリリースされる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で11月まで延びたものの、無事発売されています。
約$500というかなり高額のファミコン互換機ですが、ファミコンとNESに対応しているほか、HDMI出力のほか各種アナログ出力にも対応しています。メニューでもかなり細かい設定を行うことができるため、かなりマニアックな設定もできます。
元々FPGAベースのファミコン互換機『Analogue Nt』としてスタートし、その後『Nt mini』として発売。その『Nt mini[v2]』として発売されたのがこちらのマシンです。1台当たりの製作にかなりの労力が掛かるそうで、しばらくは再販や新たな機種が発売されることはないかもしれません(プレスキットではすでに「Past Announcements」に移動)。
●Analogue Super Nt
Analogueから発売されている、FPGAベースのスーパーファミコン互換機が『Super Nt』です。昨年頭に再販されたようですが、それ以降現在まで売り切れ状態が続いている状態です。2200以上のカートリッジに対応しており、エミュレーションを使わずラグ無しで1080pの映像出力をすることができます。
こちらは2022年10月28日に最後の注文を受け付け、その後入手が困難になると予想されます。
●Super Nt – Analogue
https://www.analogue.co/super-nt
●Analogue Mega Sg
こちらはAnalogueから発売されている、FPGAベースのメガドライブ互換機『Mega Sg』です。2180以上のカートリッジに対応しており、エミュレーションを使わずラグ無しで1080pの映像出力をすることができます。別売りの『Mega Sg Cartridge Adapter Set』を購入することで、ゲームギアやセガ・マークⅢ、SG1000のソフトも遊ぶことができます。
本機もSuper Nt同様に2022年10月28日に最後の注文を受け付け、その後入手が困難になると予想されます。
●Mega Sg – Analogue
https://www.analogue.co/mega-sg
●Analogue Pocket
Analogueから、2021年12月に発売されたばかりの携帯ゲーム機が『Analogue Pocket』です。FPGAの携帯ゲーム機としては、これが世界初となる機種ですね。ゲームボーイやゲームボーカラー、ゲームボーイアドバンスなど2780以上のカートリッジと互換性があるほか、別途カートリッジアダプターを用意することで、ゲームギアやネオジオポケットカラー、AtariLynx、PCエンジンにも対応することが発表されています。
最近はopenFPGAに対応したことで、特別なアダプターを購入することなく、新しいコアが無料で利用できるようになってきました。そのため、FPGAでレトロゲームを遊ぶためのプラットフォームとしても注目が集まっています。
●Pocket – Analogue
https://www.analogue.co/pocket
●Analogue Duo
TurboGrafx-16、PCエンジン、SuperGrafx、TurboGrafxCD、PCエンジンCD-ROM²、スーパーアーケードCD-ROM²に対応した、FPGAベースの互換機です。2020年の11月に発表があっただけで、これまでプレオーダー開始などのアナウンスなどは一切行われていません。逆に、そろそろ発表されてもいいタイミングになってきるため、常に同社のツイッター投稿はチェックしておいた方がいいでしょう。
PCエンジンのFPGA系互換機は、現状ではMiSTerしかないため、こちらも注目の機種であることには違いありません。
●Duo – Analogue
https://www.analogue.co/duo
●MiSTer FPGA
AnalogueやRetroUSBから発売されている、FPGAベースのレトロゲーム互換機とは異なり、こちらはオープンソースのプロジェクトとなっています。$150ほどで売られている『Terasic DE10-Nano』ボードと、メモリーを拡張するSDRAMを入手することで、(海外では)比較的安価に始めることができるのも特徴となっています。
なんと言っても『MiSTer FPGA』の魅力は、その豊富なコアの数です。日々新たなコアが開発され、家庭用ゲーム機やレトロなPC、アーケードゲームのコアが追加されています。
また、現在開発中のコアにはプレイステーションやセガサターンといった機種も含まれています。こちらも開発中の状況がちょくちょく公開されており、期待が持てそうな感じです。
●MiSTer Addons
https://misteraddons.com/
■中華系携帯エミュレーター
比較的安価に入手することができるということもあり、選択肢として外すことができなくなってきているのが、いわゆる中華系携帯エミュレーターです。1万円ほどで売られている本体に複数のエミュレーターが搭載されているものですが、ある程度自分でカスタマイズすることができるのも特徴のひとつとなっています。
数ヵ月おきに新たな機種が発売されていくという、サイクルの短さも魅力といえるでしょう。実際の所、収録されているエミュレーターのパフォーマンスをチェックして見たところ、ゲームデータをリッピングしなければならないという手間はあるものの、『POLYMEGA』などに引けを取らないぐらいのゲームが遊べることがわかりました。
■その他廉価互換機
上記に紹介したもの以外にも、いくつか注目のレトロゲーム互換機がありますので、合わせてご紹介しておきます。
●HYPERKIN SUPABOY Black Gold Special Edition
HYPERKINより発売されている、携帯型のスーパーファミコン互換機が『SUPABOY Black Gold Special Edition』です。アスペクト比を4:3と16:9に変更が可能。すべてのカートリッジが動くわけではありませんが、充電式のリチウムイオンバッテリーを搭載しており最大10時間稼働させることができます。
なんといっても、見た目がスタイリッシュなので、それだけでも所有感を満たしてくれそうなアイテムといえるでしょう。
●IPS8ビットポケットHDMI(FC用互換機)
コロンバスサークルより発売されているファミコン互換機の『IPS8ビットポケットHDMI』。こちらは、4.3インチのIPS液晶画面を搭載した携帯型ゲーム機です。電池駆動ではなく充電式のバッテリーを採用しているほか、同梱のHDMIケーブルを利用してテレビやディスプレイなどの大画面にクリアな映像でゲームを楽しむことができます。
さらに、ワイヤレスコントローラーもふたつ同梱されており、こちらを使って協力プレイや対戦プレイも行えます。
まとめ:予算と目的に合った機種を選ぶのが吉!
軽くピックアップしていましたが、それでもこれだけ多くの機種があることがわかりました。また、ここで紹介しているもの以外にも、Raspberry Pi上で動かすエミュレーターなどの選択肢もあります。まずは、それぞれどんな特徴を持っているのか把握するところから始めてみることをオススメします。