昨年11月末のブラックフライデーセールで安くなったので、ついつい注文してしまったのが、今回ご紹介するメガドライブ用マルチカートリッジの『Mega EverDrive PRO』です。注文したのは11月27日でしたが、到着は12月30日。発送から到着までの期間は前回よりも遙かに短かったのですが、ブラックフライデーセールだったこともあり、注文してから発送されるまでかなり遅めとなっていました。
というわけで、今回はこの『Mega EverDrive PRO』のレビューをお届けします。
『Mega EverDrive PRO』では、別途用意したMicroSDカードを本体に差し込んで使用します。今回は手元に64GBのものしかなかったため、exFATでフォーマットしましたが、特に問題なく使用することができました。
事前に公式サイトから最新OSをダウンロードして、解凍したファイルをSDカードのルートに入れておきます。また、そのフォルダ内に、メガCDに必要なBIOSファイルも入れておきます。ゲームのROMやメガCDのファイルは、別のフォルダを作って管理するようにするといいでしょう。
カートリッジ上部には、MicroSDカードスロットのほか、ボタンとUSB接続用のポートが用意されています。USB経由でファイルのやりとりもできるようですが、ツールを利用する必要があるため、そのままMicroSDカードを抜き差ししてファイルの更新などを行った方が楽かもしれません。
また、上部のボタンはマニュアルなどでは特に何も説明がされていませんが、基本的にはコントローラーのスタートボタンと同じ働きをするようです。メガCDを再生中は、ゲーム選択画面に戻ることができます。途中で別のゲームを遊びたくなったときに便利そうですね。
対応ソフトはメガドライブ(ジェネシス)、メガCD、マスターシステム、スーパー32X。そしておまけでファミコン(NES)
『Mega EverDrive PRO』で対応しているソフトは、メガドライブ(ジェネシス)、メガCD、セガマスターシステム(セガマークⅢ)、スーパー32Xです。それに加えて、ファミコン(NES)のゲームも一部動かすことができますが、こちらはあくまでもおまけ機能と考えておいた方がいいでしょう。
旧モデルの『EverDrive』との違いは、SDカードの読み書き速度が上がり、セーブステートのスロット数も、メガドライブとマスターシステムそれぞれで100スロットまで対応しているところです。また、メガCDにも対応したほか、RTCを内蔵しておりセーブファイルの日付も記録することができます。
Cボタンでメニュー呼び出し
カートリッジを起動すると、MicroSDカードのルートに変わりシステムフォルダ(MEGA)や自ら入れたゲーム用のフォルダが並んでいる画面が表示されます。ここでコントローラーのCボタンを押すことで、メニュー画面を呼び出すことができます。
Options:細かなオプションの設定を行います
Recently Played:プレイ履歴が表示され、そこからゲームを選んで起動できます
Cheats:チートコードの入力ができます
Run Mega-CD:実機に接続したメガCDを起動するときに利用します
Device Info:デバイスの状態を表示します
Diagnostics:診断モード
About:開発者などの情報を表示
In-Game Menu:ゲーム内メニューを有効にするか設定
MegaKey:リージョンロックをバイパスしたいときに利用。ただし、Mega Sgを使用しているときは、こちらをオフにして本体側で用意されているリージョンバイパス機能を利用します
Cheats:チートコードのオン・オフを設定
SMS Bios:オリジナルのセガマスターシステムのBIOSを読み込ませるときにオンにします
SMS YM2413:セガマスターシステムのFM音源を利用するときにオンにします
Reset To Menu:リセットボタンを押したときに、メニューに戻りたいときにオンにしておきます
Last Game Autoboot:スタートメニューをスキップし、最後に遊んだゲームを自動で起動したいときにオンにしておきます
Themes:カスタムテーマを利用するときにオンにします
File Sortings:ファイルの並べ替えを自動で行うときにオンにします。こちらがオンになっている場合、ひとつのフォルダあたりの最大ファイル数は1024までしか表示されません。オフの場合は無限です。
Warnings:システム構成をチェックして互換性がないときにゲームの起動を拒否します。例として、スーパー32Xが接続されていないときに32Xのゲームを起動したときなどです。
Mega-CD Options:ハイパスフィルターやローパスフィルターなど、メガCDのオプションを設定します。
In-Game Combo:ゲーム内メニューを呼び出すためのコントロラーのキーの組み合わせを設定します。たとえば、デフォルトの状態ではスタートボタン+下キーでメニューを呼び出すようになっていますが、これはMega Sgのメニューを呼び出すときにショートカットと被っているため、変更しておいた方がいいでしょう。
RTC Setup:内蔵時計の時間を合わせることができます(手動)
メガドライブとメガCD、マスターシステムのゲームは快適にプレイ可能
スーパー32Xは所有していないので試していませんが、メガドライブとメガCDに関しては、特に迷うこともなく問題なく起動してゲームを遊ぶことができました。メガCDで複数のディスクがあるゲームは、ひとつのフォルダにまとめておく必要があるようです。
ちなみにメガCDで対応しているのは、bin + cue、cue + wavとマルチbinイメージですが、一般的なリッピング方法なら特に問題はないでしょう。
メガドライブのゲームを起動した後で、ゲーム内メニューを呼び出すことでセーブステートでゲームを一時保存しておくことも可能です。
セガマスターシステムも、同様にゲーム中にメニューを呼び出すことができます。デフォルトではメガドライブと異なるキーが割り当てられているので、事前に確認しておくといいでしょう。ちなみに、ゲームをポーズ中はメニューが呼び出せないときがあるため、解除してからコマンドを入力しましょう。
テーマを変えて気分転換
MEGAOS 4.07から採用されたユニークな機能が、テーマです。こちらは背景と合わせてフォントも変更することができるため、がらりと印象を変更することができます。静止画だけではなく、ものによってはスクロールするモノもあるため、視覚的にも楽しい雰囲気にすることが可能です。
テーマを変更するときは、システムフォルダのMEGA>themesにアクセスします。こちらのフォルダに、入手したテーマパックを入れたり自作したモノも利用することができます。
●Mega Everdrive Pro Themes
http://themes.arcade-tv.de/
ファミコンはかなりダメダメ。ゲームギアも起動するもののまともに動かず
一部ファミコンにも対応していることもポイントのひとつですが、あまりまともに動くといった状態ではないようです。たとえば『スーパーマリオブラザーズ』では、スタートボタンを押した後の残機表示画面で止まります。
また、「ファミコン拡張音源」を使用しているような非対応のマッパーを利用しているゲームでは、アラート画面が表示されます。ほかにも、『ファミスタ』や『ファミリーボクシング』など、起動はするものの、以上に動作が遅くてゲームにならないといった感じです。
また、そもそもサポート外ですが、ゲームギアのソフトも読み込ませたところ、一応起動はするものの、画面がおかしかったりゲームがまともにぷれいできなかったりしました。まぁ、こちらは当たり前ですね(笑)。
『Mega EverDrive PRO』と『MegaSD』のどちらが使いやすいのか?
さて、この『Mega EverDrive PRO』といえば、ライバルとなるのがテラオニオンから発売されているマルチカートリッジの『MegaSD』です。どちらもFPGAを採用しているなど似ている部分も多く、対応機種もメガドライブ(ジェネシス)、メガCD、セガマスターシステム(セガマークⅢ)、スーパー32X(実機が必要)と、基本的な部分ではほぼ同じことができます。
しかし、実際に触ってみた雑感ではやはり『Mega EverDrive PRO』のほうがセットアップに掛かった時間も短く扱いやすい印象でした。日本での入手のしやすさという意味では『MegaSD』になりますが、3万円台と高価なため、やはり総合的にもオススメしたいのは『Mega EverDrive PRO』ということになります。
199ドルというコストパフォーマンスの良さも魅力
今回はブラックフライデーセールでややお安く入手することができましたが、通常でも199ドルとさほど高価というわけではない値段で売られているのが魅力です。現状では、メガドライブのマルチカートリッジでは最強の部類に入るため、ひとつ持っておいてもいいアイテムかもしれませんね!