PCエンジン用マルチカートリッジ『Turbo EverDrive v2』レビュー

PCエンジン用マルチカートリッジ『Turbo EverDrive v2』レビュー

PCエンジン用マルチカートリッジ『Turbo EverDrive v2』を、ようやく入手することができました。こちらはKirkzzのオフィシャルで売られているものではなく、Stone AgeGamerによってCNCカットされたサードパーティのシェルが採用されたバージョンです(商品名は『PCEverDrive (White)』)。

PCエンジン用マルチカートリッジ『Turbo EverDrive v2』レビュー
▲今回購入したのは、日本のPCエンジンのカラーリングをイメージした『PCEverDrive (White)』。microSDカードは別売りなので、別途用意する必要があります。

受注生産になっているのか、実際に注文してから発送されるまで約ひと月ほど掛かりました。見た目自体はEverDrive.meとかで売られているものとはことなりますが、中身は『Turbo EverDrive v2』です。

オフィシャルのシェルは基板むき出しといった感じで微妙ですが、Stone AgeGamerではカッコイイシェルが選べるので、オススメです。ちなみに本体の他、PCエンジン用ゲーム『IMMPOSSAMOLE』のデジタルデータが付属します(ダウンロード用のリンクが送られてくる)。

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▲ピンクの枠で囲ったものが、オフシャルのEverDrive.meで売られているもの。
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▲Stone AgeGamerで購入すると、横スクロールのアクションゲーム『IMMPOSSAMOLE』が無料で入手できます。

まずはセットアップ

こちらに限らず、EverDriveはそのままの状態では使えないため、最新のOSをオフィシャルサイトから入手します。下記のサイトにアクセスし、「turbo-os-v2.zip」をダウンロードして解凍しましょう。解凍したファイルをフォルダごとmicroSDカードのルートにコピーします。ちなみに「TBED」というフォルダの中にある画像は、microSDカードのコピー場所をわかりやすく説明しているだけのものなので、削除してもかまいません。

●OSアップデート
http://krikzz.com/pub/support/turbo-everdrive/v2/os/

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▲解凍したファイルの中に入っている画像。このようなイメージで、microSDカードのルートにTBEDフォルダーをコピーしましょう。

同様に、microSDカードに「ROM」などわかりやすいフォルダー名を付けてゲームのROMデータを入れておきます。PCエンジンのROMデータの吸い出し方法については、下記の記事を参考にしてください。

microSDカードを『Turbo EverDrive v2』に装着し、PCエンジンに通常のHuCARDと同じように差し込みます。本体の電源を入れると、下記のような画面が表示されます。

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この状態でセレクトボタンを1回押すと、システムメニューが表示されます。基本的な操作はコントローラー側で行い、上下キーでファイルを選び、ファイルが複数ある場合は左右キーでページを切り替えます。

電源を入れた状態でスタートボタンを押すと、最後にプレイしたゲームが起動します。デフォルトの状態ではⅡボタンが選択でⅠボタンがキャンセルです。セレクトボタンを押してシステムメニューを表示させたあとさらにセレクトボタンを押すと、オプションが表示されます。といっても、こちらで出来る項目はひとつだけで、ⅠボタンとⅡボタンの役割を入れ替える程度です。

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▲セレクトボタンを1回押して、システムメニューを表示したところ。
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▲もう1度セレクトボタンを押すとオプション画面が表示されます。ここでできるのは、ⅠボタンとⅡボタンの入れ替えだけです。

ゲームを選ぶとファイルメニューが表示されるので、「Select And Start」を選ぶことでそのままゲームが起動します。

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▲ゲームを選んだ後、「Select And Start」を選択。
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▲ゲームが起動。

ちなみに、ゲームを中断して他のゲームを選びたくなったときは、『Turbo EverDrive v2』のmicorSDカードスロットのすぐ隣にある物理ボタンを押すことで、ゲームのセレクト画面に戻ることができます。

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▲物理ボタンを押してリセットすることができます。

システムカード代わりに使う場合は注意が必要

『Turbo EverDrive v2』は、HuCARDのゲームを動かすためのものですが、CD-ROM2などのシステムカードを吸い出して利用することもできるようです。ただし、そのままではアドレスが競合するなどの問題から『Turbo EverDrive v2』に負荷が掛かってしまい、あまりオススメしません。その回避方法などについては、公式のフォーラムに情報があるようなので気になる人はチェックしてみましょう。

●Turbo EverDriveのサポートフォーラム
http://krikzz.com/forum/index.php?board=13.0

Super HD System3 PROとの違いは?

この『Turbo EverDrive v2』と競合する商品として、テラオニオンから発売されているのが『Super HD System3 PRO』です。いろいろ違いはあるものの、最も異なる点はCD-ROM関連のソフトをサポートしているかどうかというところでしょう。残念ながら現在の『Turbo EverDrive v2』ではCD-ROMのサポートをは行われておらず、それを実現するには新たなバージョンの製品が必要になりそうです。

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単純に実機で使用する場合は『Super HD System3 PRO』のほうが優れいるようにも見えますが、これも利用用途によっていろいろと状況がかわります。たとえば、Analogueから2021年10月に発売されるFPGAの携帯ゲーム機『Pocket』には、オプションとしてPCエンジンのゲームが起動できる『TurboGrafx-16 Adapter』が発売される予定です(現時点で時期は未定)。

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動作は快適。手持ちのライブラリーをまとめて遊ぶのに便利なアイテム

最後に評価をまとめると、やはりほかのEverDrive同様に動作は非常に快適で、手持ちのライブラリーをまとめておいて遊ぶのには便利なアイテムと言えるでしょう。個人的には上記にも紹介した『Pocket』での利用も期待していることから、今回入手しておきました。

ちなみに、オフィシャルサイトでは品切れ状態になっており、もしかしたら新たなバージョンが出るまでは入手が困難になっていくかもしれません。現在はコロナ渦の影響で世界中に部品不足の状態が続いています。そのため、もう少し様子を見てみてから購入を検討するようにしてみてもいいかもしれませんね。

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ABOUT US
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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。