Anbernicより発売されたばかりの新型携帯ゲーム機『RG40XX H』のサンプルを、レビュー用に提供していただきました。本機はディスプレイに4.0インチのIPS液晶を採用し、解像度は640×480ピクセル。CPUにはH700 quad-core ARM Cortex-A53、GPUにはDual- core G31 MP2をそれぞれ搭載されています。
カラーバリエーションはブラックとブルー、グレーの3色が用意されていますが、今回は最もシックな見た目のブラックをチョイスしています。
最初にどんなマシンなのかざっくりと述べておくと、本機で動かせるエミュレーターはPlayStationやドリームキャスト、ニンテンドーDSあたりまでのマシンで、PlayStation 2やセガサターンは対応しておらず。OSはLinuxが採用されており、Androidを搭載したマシンよりもできることは限られているものの、その分シンプルで扱いやすい印象です。
基本的に、付属しているmicroSDカードに対応するゲーム機のROMを入れるだけで遊べるので、こうしたゲーム機にあまり慣れていない人でもすぐに扱えるようになります。そのため、これから中華エミュ機などを触り始めていく入門機としても最適なマシンといえそうです。
▶️RG40XX Hの基本スペック
カラーバリエーション | ブラック、ブルー、グレー |
CPU | H700 quad-core ARM Cortex-A53(1.5GHz) |
GPU | Dual- core G31 MP2 |
メモリー | LPDDR4 1GB |
ディスプレイ | 4.0インチIPSスクリーン、解像度:640×480 |
OS | Linux 64-bit |
バッテリー | リチウムバッテリー3200mAh |
重量 | 2.08g |
▶️ファームウェアV1.0.2がリリース
ちなみに、ものが届いてから多忙だったためレビューするまで時間が掛かってしまいましたが、その間新しいファームウェアがリリースされました。
●RG40XX Hのファームウェアの入手先
https://jp.anbernic.com/pages/firmware
しかし、こちらになにやら不穏なメッセージが書かれています。16GB版のOSを書き込んでしまうと、SDカードの拡張やROMを入れることができなくなるとか!? そんなアホな! と思い、新規のmicroSDカードを用意して試してみましたが、結論から言うと余計なゲームのデータなどは入っておらず、そのままROMを追加して使えるようになっていました。なので、ちょっと不安に思っていた人は安心してアップデートしても大丈夫です(※現在入ってるROMはすべてクリアされます)。
シンプルなパッケージ内容
Anbernicに限らず、最近のプロダクトはシンプルなパッケージになっていることが多いですが、本機もその例にならっており、箱の中身は本体とマニュアル、充電用のUSB Type-Cケーブルのみとなっています。
いつもなら付属しているスクリーンプロテクトも省略されているため、必要に応じてサードパーティの製品を探す必要があるかもしれません。
また、別売りですが、本機にピッタリなサイズのケース『ANBERNIC 保護カバーRG405M/RG40XX H用』の1999円で販売されているので、公式サイトから購入するときはこちらも合わせて入手しておくといいでしょう。
●ANBERNIC 保護カバーRG405M/RG40XX H用
扱いやすいボタン配置だが電源ボタンの反応はややにぶい
『RG40XX H』のボタン配置は、下側にアナログスティック、上側に十字キーとABXYボタンが配置されており、比較的一般的なスタイルになっています。スタートボタンとセレクトボタンは右下にまとめられており、主にメニューの呼び出しなどに使用する「M」と書かれたメニューボタンは左下に配置されています。
背面側はすっきりとしており、その分本体自体もそれほど厚みがありません。本体側面下側には、ふたつのmicroSDカードスロットとヘッドホンジャック、スピーカーが配置。側面上部には、電源やリセットボタン、ボリュームボタンのほか、充電用のUSB Type-Cポートと外部ディスプレイに映像が出力できるminiHDMIポートが設置されています。
テストでROMの入れ替えなどを行うことも多く、しょっちゅうリブートなどを行うことがあるのですが、このときに少し気になったのが電源ボタンの反応が微妙なところ。なかなか反応してくれないこともあり、リセットボタンを押してリブートした方が早いときもありました。
カスタマイズ可能なジョイスティックカラー
ジョイスティック部分は、ここのところのAnbernicのトレンドともいえる1600万色の調光が可能なライト機能が搭載されています。こちらはメニューの設定から「LED設定」からオン・オフの切り替えができるほか、光るパターンの選択や、輝度、カラーなども自由に変更ができます。
このライト機能は、パターンによって選べるオプションが変化します。これらの中には、きど(輝度)やカラー、背景色などがあるので、自分好みの色の組み合わせに変更することも可能です。
簡単にHDMIでディスプレイに映像出力が可能!
この『RG40XX H』の素晴らしいポイントのひとつが、とくになんの苦労もせずに簡単に映像をHDMI出力で外部ディスプレイに映し出すことができるところです。『RG Cube』のように本体側の出力に左右されることはありませんが、環境によってはゲーム機で観ている映像とHDMIで出力している映像のアスペクト比が若干異なって見えます。
ランチャーはいつものスタイル
電源を入れるとすぐに立ち上がるのが、デフォルトで設定されているランチャーです。基本的にこれ以外に選べるものはないので、逆に考えれば迷いにくいともいえます。こちらで使用するのは、おもに「ゲームルーム」や「RAゲーム」などになりますが、おすすめは「RAゲーム」です。
なぜかこのランチャーには2種類のゲーム用のメニューが用意されているのですが、パフォーマンスになぜか差があり、「RAゲーム」で起動すると快適に遊べることが多い印象です。
ゲームは動くものは動く!? そうでないものはそれなりに
肝心なエミュレーターに関しては、すでに同様の性能を持つマシンと大きな印象の差はなく、動くものもあれば、うまく動かないものもあるといった感じでした。これはハードというよりも、エミュレーター自体の出来映えに影響する部分なので、もし遊びたいタイトルがうまく動作しないときは今後のアップデートに期待しましょう。
ゲームは、エミュレーターによってはベゼルが表示されるなど、非常に遊びやすく感じるものも数多くありました。しかし、ひとつだけ気になったのがデフォルトで表示されるPSPのアスペクト比です。
元のゲーム機では横長のアスペクト比になっていますが、本機では画面いっぱいに表示されてしまうため、どうしても違和感を覚えてしまいます。
しかし、こちらは比較的簡単に変更することができます。ゲームを起動したら「M」ボタンを押して、『PPSSPP』のメニュー画面を表示します。その中から、「画面のレイアウトを編集する」を選び、その中にある「拡大」のチェックを外せばOKです。
ということでざっくりとご紹介してきましたが、最初に説明したように本機はかなり扱いやすいマシンになっています。ハイエンドのエミュレーターを動かすにはもうひとパワー足りませんが、それでもある程度のゲーム機には対応しているので普段使いするならこれでも十分すぎるほどでしょう。
少しでも興味を持ったならば、まずは公式サイトをチェックしてみてください!
RG40XX H-V1.0.2-EN16GB-240713
https://we.tl/t-sXvxCu0lYY
(ご注意: 16GB版のosを書き込んだ後は、SD カードを拡張したり、SD カードに ROM をインストールしたりすることはできなくなります。)