PS2エミュ『PCSX2 v2.8.2』公開!旧GPU向けMoltenVK互換性を改善、RetroAchievementsのデッドロックも修正

PS2エミュ『PCSX2 v2.8.2』公開!旧GPU向けMoltenVK互換性を改善、RetroAchievementsのデッドロックも修正

PlayStation 2エミュレーター「PCSX2」の安定版となる『PCSX2 v2.8.2』が、日本時間2026年9月5日に公開されました。今回は新機能を大量に追加するような大型アップデートではなく、2.8系の公開後に見つかった互換性や安定性に関する問題を修正するHotfix的な内容となっています。

主な変更点として挙げられているのが、古いGPU環境におけるMoltenVKとの互換性改善です。このほかFullscreen UIでRetroAchievementsを有効化した際に発生するデッドロックや、Direct3D 11関連のバインディング処理なども修正されています。

●PCSX2 v2.8.2
https://github.com/PCSX2/pcsx2/releases/tag/v2.8.2

『PCSX2』は、Windows、Linux、macOS向けに開発されている無料・オープンソースのPlayStation 2エミュレーターです。ゲームを動かすにはPlayStation 2本体から吸い出したBIOSなどが別途必要になります。

古いGPU環境でMoltenVKとの互換性を改善

『PCSX2 v2.8.2』でグラフィックス関連の変更として行われたのが、VulkanレンダラーにおけるMoltenVKとの互換性改善です。公式のリリースノートによると、古いGPU上のMoltenVKと互換性のあるswizzle値を使用するように変更されています。

あわせてmacOS向けビルドにも、古いGPUを対象としたMoltenVK用のパッチが追加されました。ただし、公式から対象となる具体的なGPUの一覧などは示されていないため、すべての環境で何らかの変化があるというものではありません。

今回の修正は、とくに旧世代GPUを搭載した環境などでPCSX2を利用しているユーザー向けの互換性改善と見るのがよさそうです。新しいGPUを使用しており、これまで問題なく動作していた場合は、目立った違いを感じない可能性もあります。

RetroAchievements有効化時のデッドロックを修正

もうひとつユーザーへの影響がわかりやすい修正が、RetroAchievements関連です。Fullscreen UIからAchievementsを有効化した際にデッドロックが発生する問題が修正されました。

デッドロックとは、複数の処理がお互いの完了を待ち続けることで、処理が先へ進めなくなる状態を指します。今回の修正によって、Fullscreen UIを中心にPCSX2を利用しながらRetroAchievementsを楽しんでいる環境では、安定性の向上が期待できます。

RetroAchievementsは、オリジナルのゲームには存在しなかった実績システムをレトロゲームに追加して楽しめるサービスです。PCSX2でも対応しているため、実績解除を目的にPlayStation 2タイトルを遊んでいるユーザーにとっては重要な修正といえそうです。

Direct3D 11やコントローラー周辺も更新

グラフィックス関連ではこのほか、Direct3D 11におけるDSのRT/UAVバインディング処理にも修正が加えられています。PCSX2 2.8.0ではWindows環境の標準レンダラーとしてDirect3D 12が採用されましたが、Direct3D 11自体もLegacyレンダラーとして引き続きサポートされています。

そのため、ほかのレンダラーが利用できない環境や、ゲームとの相性などからDirect3D 11を選択しているユーザーにとっても、今回のアップデートには意味があります。ただし、今回のリリースノートでは、この修正によって改善される具体的なゲームタイトルなどは挙げられていません。

入力関連では、PCSX2が利用するコントローラーデータベースも最新版へ更新されました。リリースページには各OS向けを含む9個のRelease Assetsが用意されており、現在はv2.8.2がLatest Releaseとして公開されています。

2.8.0の大型更新後に登場した不具合修正版

当サイトでは8月29日に、ひとつ前の大型アップデートとなる『PCSX2 2.8.0』について紹介しました。2.8.0ではPS2特有の複雑な描画処理への大規模な改良や、Windows環境でDirect3D 12を標準レンダラーに変更するなど、多数の変更が盛り込まれていました。

PS2エミュレーター『PCSX2 2.8.0』がリリース!描画処理を大幅改善、WindowsではDirect3D 12が標準に

それに対して今回のv2.8.2は、2.8系を利用する中で見つかった問題を修正し、安定性や互換性を高めるためのアップデートという位置付けです。大幅なパフォーマンス向上を目的としたものではありませんが、旧GPU環境でMoltenVKを利用している場合や、Fullscreen UIからRetroAchievementsを利用している場合は、とくに更新しておきたいバージョンとなっています。

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