『ドンキーコング64』がネイティブPC化!非公式プロジェクト「DK64 Rekongpiled」1.0公開、直後に1.0.1も配信

『ドンキーコング64』がネイティブPC化!非公式プロジェクト「DK64 Rekongpiled」1.0公開、直後に1.0.1も配信

NINTENDO64用ソフト『ドンキーコング64』を、現代のPC上でネイティブ動作させる非公式プロジェクト「DK64 Rekongpiled」のバージョン1.0.0が、2026年8月29日に公開されました。日本時間では8月30日早朝にあたります。さらに約3時間半後には、ジャイロ操作やAMD製GPUに関連した不具合を修正するバージョン1.0.1もリリースされています。

●DK64 Rekongpiled公式サイト
https://dk64recomp.com/

●Donkey Kong 64: Recompiled GitHubリポジトリ
https://github.com/Rainchus/Donkey-Kong-64-Recompiled

「DK64 Rekongpiled」はRainchus氏とBallaam氏によって開発されている非公式プロジェクトで、任天堂やRareによる公式移植ではありません。最大の特徴は、一般的なNINTENDO64エミュレーター上でゲームを動かしているのではなく、「N64: Recompiled」を利用して『ドンキーコング64』を現代のプラットフォーム向けに静的再コンパイルし、ネイティブポートとして動作させているところです。描画エンジンには「RT64」が利用されています。

エミュレーターではなく『ドンキーコング64』専用のネイティブポート

静的再コンパイルとは、あるプラットフォーム向けに作られたプログラムを、別のプラットフォームで実行できる形へ変換する手法です。

DK64 Rekongpiledの場合は、NINTENDO64向けに作られた『ドンキーコング64』のプログラムを「N64: Recompiled」を使って変換することで、現代のPC上でネイティブアプリとして動かしています。

このため、「N64のROMを読み込ませれば何でも動かせる」というタイプのエミュレーターではありません。プロジェクト側も、DK64 Rekongpiledは『ドンキーコング64』だけを対象としたポートであり、任意のNINTENDO64用ROMを実行することはできないと明記しています。

また、これまでの一部のPC向け非公式移植で利用されてきた「ゲームをデコンパイルしてソースコードを復元し、そのコードを元に移植する」という方法とも異なります。

DK64 Rekongpiledはデコンパイル済みソースコードそのものをベースにした移植ではありません。一方で、『ドンキーコング64』のデコンパイルプロジェクトで進められたリバースエンジニアリングの成果は活用されており、ヘッダーや一部の関数がゲームの拡張や修正に使用されています。

高フレームレートやワイド画面、ロード時間短縮にも対応

ネイティブポート化されたことで、オリジナルのNINTENDO64版にはなかったさまざまな機能も追加されています。

RT64による高フレームレート表示に対応しており、ゲームオブジェクトや地形、テクスチャーのスクロール、画面エフェクトなどを高いフレームレートで描画可能です。標準では使用しているモニターのリフレッシュレートに合わせて動作するほか、オリジナル版相当のフレームレートでプレイすることもできます。

アスペクト比についてもワイドスクリーンやウルトラワイドに対応。さらに、ロード時間の短縮、描画距離の拡大、マウスやジャイロによる操作、低入力遅延化など、現代の環境に合わせた機能が用意されています。コミュニティ製MODやテクスチャーパックの導入にも対応しています。

公式サイトではWindows、Linux、macOS向けのセットアップ方法が案内されており、Linuxについては通常のバイナリに加えてFlatpakも用意されています。Steam Deckでの利用も想定されています。

ゲーム本体は付属せず、米国版ROMが必要

注意しておきたいのは、DK64 Rekongpiled自体に『ドンキーコング64』のゲームデータが含まれているわけではないという点です。

GitHubで配布されているリポジトリや実行ファイルにはゲーム本体のアセットは含まれておらず、プレイするにはユーザー側で『ドンキーコング64』のROMを用意する必要があります。公式サイトでも、ROM自体は配布しておらず、自身で用意するよう案内されています。

また、現時点で対応しているのはNINTENDO64版『Donkey Kong 64』の特定の米国版ROMのみです。そのため、日本国内で発売された日本版『ドンキーコング64』のROMをそのまま利用することはできません。

公開から約3時間半で1.0.1をリリース

初の正式版となるバージョン1.0.0は、GitHub上で8月29日19時03分に公開されました。この時点ではWindowsとAMD製GPUを組み合わせた一部環境で、動作が不安定になったりクラッシュしたりする問題が確認されており、Vulkanを使用する回避方法も案内されていました。

その後、同日22時36分にはバージョン1.0.1が公開。1.0.0からわずか約3時間半後のホットフィックスとなっています。

1.0.1では、ジャイロエイム使用時にX軸とY軸の両方が反転してしまう問題に加えて、Windows環境でAMD Radeon RX 9070 XTとDirect3D 12を使用した際にクラッシュする問題が修正されました。

なお、セーブデータはゲーム本体とは別の場所に保存されるため、1.0.0から1.0.1へファイルを上書きして更新しても、そのまま引き継ぐことができます。

NINTENDO64タイトルを現代環境で遊ぶ手段といえばエミュレーターが真っ先に思い浮かびますが、DK64 Rekongpiledはゲームそのものを静的再コンパイルしてネイティブポートとして動かすという、まったく異なるアプローチを採用しています。

しかも今回は開発中の技術デモではなく、一般ユーザーが利用できるバージョン1.0まで到達した形です。今後のアップデートやMOD対応の広がりも含めて、NINTENDO64タイトルの新しい遊び方を示すプロジェクトのひとつとなりそうです。

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