LinuxとAndroidのダブルフェイス!? Anbernicの新型中華エミュ機『RG353P』レビュー【PR】

LinuxとAndroidのダブルフェイス!? Anbernicの新型中華エミュ機『RG353P』レビュー

Anbernicから発売されたばかりの、新型中華エミュ機『RG353P』。Android 11とLinuxのデュアルOSに対応し、使い勝手が更に向上したマシンです。公式ストアでの販売価格は1万8799円。今回同社よりこちらのサンプルを提供していただいたので、そのレビューをお届けいたします。

●『RG353P』公式ストアのリンク
https://jp.anbernic.com/products/anbernic-jp-rg353p?sca_ref=2102588.WgMVvjuMPv

『RG353P』の基本スペック

パッケージの中身は、本体の他USBケーブルとマニュアル、スクリーンプロテクターとシンプルな内容になっています。バッテリーの充電はUSB経由で行われるので、別途アダプターなどを用意しておいた方がいいでしょう。

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本体前面には左側に十字キー、右側にABXYの4つのボタン、両下側にアナログスティック、左上にセレクトボタン、右側にスタートボタンが配置された、オーソドックスなスタイルです。右が中央には電源ボタンが配置されており、比較的押しやすい印章です。また、ゲーム中にメニューを表示したいときは、左側中央に配置されたファンクションキー(ホームボタン)を押します。

ちなみに、カラーバリエーションは海外のスーファミカラーに近いグレーとスケルトンブラックの2種類が用意されていますが、今回は後者を選択しています。思ったより手触りがよく、液晶画面以外はべたつかずに持ち続けられるところがなかなか好印象です。

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▲ボタン配置としては概ね一般的な感じ。

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本体背面側も似たような感じですが、クッション側になるゴムが2ヵ所付けられています。ただ、このゴム部分は少し粘り気があるのでホコリが付きやすいかもしれません。

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▲底面側面側には両端にスピーカーが設置。ふたつのmicroSDカードスロットと、中央にヘッドフォン出力が用意されています。
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▲上部にはふたつのUSB Type-C端子とボリューム、HDMI出力、リセットボタンなどが並んでいます。
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▲付属のUSB……じゃないケーブルでとりあえず充電!
CPURK3566 Quad-Core 64 bit Cortex-A55(最大1.8GHz)
画面3.5インチIPS液晶、ゼロディスタンスQCA全密着、マルチタップ
解像度640×480
RAMLPDDR4 2GB
メモリーAndroid 32GB ハイスピード eMMC5.1、Linux 16GB TF、デュアルTFカード拡張をサポート
通信機能2.4/5G W-Fi 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2
機能デュアルOSに対応(Android 11、Linux)
対応エミュレーターPSP、ドリームキャスト、セガサターン、PlayStation、ニンテンドーDS、NINTENDO64、CPS1、CPS2、FBA、NEOGEO、ゲームボーイアドバンス、ゲームボーイ/ゲームボーイカラー、ファミコン、スーパーファミコン、メガドライブ、セガマスターシステム、ゲームギア、MSX、PCエンジン、ワンダースワン、WINなど20種類上のエミュレーターをサポート
スピーカー高音質ダブルホーンステレオスピーカー
バッテリーLi-polymer 3500 mAh(6時間のバッテリー駆動)
TFカードTFカード拡張サポート(最大512GB)
同梱品USB充電ケーブル。マニュアル、スクリーンプロテクター

よくわからない謎のOS切り替え方法

『RG353P』の最大の特徴ともいえるのが、先ほどチラリと触れたAndroid 11とLinuxのデュアルOSに対応しているところです。何か切り替えボタンのようなものか、あるいはブートするOSを切り替えるような項目があるのかと思いきや……カードスロット1(左側)に付属してきたmicroSDが入っている場合はLinuxで起動し、それを抜いた状態で起動するとAndroidとして起動するという仕組みが採用されています。

ま、なんでこんな仕様にしたのかいまいちよくわからないものの、好みでOSが選べるというのはいいんじゃないでしょうか。

ちなみに、FAT32でフォーマットした中身が空のmicroSDカードをカードスロット1にさした状態でもAndroidとして起動します。

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▲左側のカードスロット1に付属のmicroSDカードをさしたまま電源を入れると、Linuxが起動。

もうひとつ。付属しているmicroSDカードの容量は16GBと、光学ディスク系のゲームを入れるには容量が少々物足りません。そんなときは、もうひとつのカードスロット2のほうにmicroSDカードをさして活用しましょう。ただし、カードスロット2にmicroSDカードが入っている状態でLinuxを起動した場合、カードスロット1に入っているゲームは認識されないので注意が必要です。

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▲Linuxとして起動したところ。デフォルトでは、よくわからないボタンのテストプログラムみたいなものが7つも入れられています。
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▲Androidで起動すると、このような画面が表示されます。

ちなみに、液晶はタッチパネルに対応しているので、Androidもおなじみの操作方法で利用することができます。しかし、このAndroidもいろいろ癖がありすぎて、通常のスマホのような使い勝手の良さはありません。

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▲タッチパネルになっているので、Androiではスワイプなどでメニューを動かすこともできます。

Linux側でゲームのパフォーマンスをチェック

Android側とLinux側それぞれでエミュレーターを起動して遊ぶことができますが、今回はLinuxに絞って一部エミュレーターの動作チェックをしてみました。Linux側では、基本的にRetroArch上のコアとしてエミュレーターが動いているので、ゲームの終わらせ方などUIが統一されている分使いやすい印象です。

チェックしたエミュレーターは、セガサターン、PlayStation、スーパーファミコン、NINTENDO64、ニンテンドーDS、PSP、ドリームキャストです。それぞれ対応しているフォルダにROMやリッピングしたディスクのデータを入れることで、下記のようなメニューが表示されるようになります。

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▲表示されているリストの中からゲームを選ぶと起動します。

セガサターンエミュレーター

セガサターンエミュレーターでチェックしたのは、『パンツアードラグーン』、『セガラリーチャンピオンシップ』、『バーチャファイター』の3本。他にもいくつか試しましたが、動かないゲームは動かないようです。『パンツアードラグーン』と『セガラリーチャンピオンシップ』に関しては、概ね良好にプレイ出来ます。

しかし、『バーチャファイター』は動作が重く音も途切れがちになり、ゲームプレイはしんどい感じになっています。

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▲あとは普通にゲームを遊ぶだけ!

スーパーファミコンエミュレーター

スーパーファミコンのエミュレーターでは、『ファイナルファンタジーVI』、『F-ZERO』、『スターフォックス』、『ゼルダの伝説神々のトライフォース』の4本をチェック。いずれもパフォーマンス的にまったく問題なく、快適にプレイすることができます。

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NINTENDO64エミュレーター

NINTENDO64エミュレーターでチェックしたのは、『ゼルダの伝説時のオカリナ』と『ゼルダの伝説ムジュラの仮面』の2本。どちらもムービーシーンでやや音が途切れることがあるものの、全般的にゲームプレイ自体は問題なく遊ぶことができます。

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ニンテンドーDSエミュレーター

ニンテンドーDSエミュレーターのROMを入れるフォルダーですが、デフォルトでは存在しないため、「NDS」という名前でフォルダを新規で作りそこに入れたところ認識されました。エミュレーターとしては2画面を同時に表示するもので、ボタンの組みあわせで横置きや縦置き、どちらかの画面のみを表示といった切り替えが行えます。

今回テストしたのは『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』。ややムービー部分は重たく感じますが、ゲームそのものは問題なく遊べそうな印象でした。

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ドリームキャストエミュレーター

動くソフトは動くけど、動かないソフトは動かないといった印象を受けたのが、こちらのドリームキャストエミュレーターです。動作したゲームでは『ジェットセットラジオ』と『ルーマニア #203』は、ほぼ問題なくプレイすることができました。ある程度遊べるゲームは限られるかもしれませんが、全般的にはまずまずといったところでしょうか。

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PlayStationエミュレーター

.BPB形式のファイルも扱えるので、エミュレーターのデータ管理がしやすいのがPlayStationエミュレーターです。チェックしたのは、『ファイナルファンタジーVII』、『リッジレーサー』、『タクティクスオウガ』、『ワイプアウト』の4本。いずれもパフォーマンスもよく出ており、快適に遊ぶことができました。

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PSPエミュレーター

PSPエミュレーターもなかなか快適に動作してくれます。チェックしたのは『勇者のくせになまいきだ』と『CRISIS CORE』ですが、どちらも問題なくゲームを遊ぶことができました。

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Androidでベンチーマークを実施

『RG353P』のAndroidの癖があるところは、Google PlayがなくOS自体にもログインすることができないところです。かなりクローズドな仕様になっており、そのままでは何かを追加するのは難しくなっています。

そこで利用したのが、『AuroraStore』です。『RG353P』にデフォルトでインストールされているブラウザのChromeで下記にアクセスしてインストールすることができます。この『AuroraStore』をインストールすることで、ストアのファイルもダウンロードすることが可能になります。

ちなみに、わけわからねーアプリに自分のアカウントを登録したくないという人のために、匿名で利用するモードも用意されています。

●『AuroraStore』の入手
https://auroraoss.com/

で、これを入れて何がしたかったというと、『Geekbench5』と呼ばれるベンチマークソフトを入手して、本機のパフォーマンスをチェックしたかったというわけです。先ほどの『AuroraStore』をセットアップしたら、Geekbench5を検索してAndroid版のアプリを入手しましょう。

ということで、『Geekbench5』でベンチマークを計測してみた結果がこちら。

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シングルコアのスコアが121、マルチコアのスコアが408という結果が出ました。これだけじゃどれぐらいのパフォーマンスなのかいまいちピンときませんが、サムソンのGalaxy S21 Ultra 5Gと比較した場合、約1/7程度の性能となるようです。

こうしてみると、普通のスマホとのパフォーマンスの差は想像以上に歴然なんですね!?

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タイトルを選べば十分すぎるパフォーマンス

すべてのゲームが快適に遊べるわけではありませんが、今回テストした結果では、概ね良好といった印象です。遊べないゲームやパフォーマンスがあまり出ないゲームはあっさりと諦めて、お気に入りのゲームが遊べる環境を作っていくのがよさそうですね!