ファミコン用ゲーム『スペランカー』レビュー

とにかくすぐ死ぬ。もはやすぐに死んでしまうことこそが代名詞になってしまった感すらある名作ゲーム『スペランカー』。筆者もそんなことが話題になるはるか大昔にこのゲームをプレイし、ちょっとの段差程度からの落下で死んでしまうことに驚愕しました。そしてやはりそれこそが、もっとも心に残った部分でもあります。

さて、この『スペランカー』ですが、いったいどんなゲームなのでしょうか? もしかしたら、あまりよく知らないという人もいるかもしれませんので、ご紹介していきたいと思います。

ゲームの目的は、洞窟探検家を操りアイテムを集めて行きながら最下層にある秘宝を目指すというもの。移動にはエレベーターやロープ、はしご、トロッコやボードなど利用し、あちらこちらに点在しているアイテムを収集しながら先に進んでいきます。

途中、赤や青の扉があり、それぞれに対応した鍵が必要になります。


意外なことに、本作で敵キャラとして登場するのはコウモリとゴーストの2種類しかいません。たしかに段差による即死や数々のトラップもやっかいなのですが、それ以外にも時間制限も設定されています。途中でアイテムを適宜入手していき、時間の回復もしていかなくてはなりません。

また、この地下は迷路のように複雑に入り組んでおり、下に行くに従ってその複雑さも増していきます。マップやアイテムの位置をしっかりと頭に叩き入れながら、危険な冒険を続けていく必要があるのです。

基本的に死にゲーのため、最初はなんどもゲームオーバーを繰り返すことになるでしょう。先に進んだと思っても、理不尽なトラップにひっかっかて閉まったり、あるいはちょっとしたジャンプのタイミングミスで死んでしまうということも少なくないはずです。

しかし、そうした困難はゲームを数多くプレイして行くにつれて克服していけるようになります。

そして、目的の秘宝にまでたどり着けたときに、これまでの苦労が報われるというわけです。これこそが、この『スペランカー』の最大の魅力と言えるかもしれません。

『スペランカー』といえば、もうひとつ忘れてはいけないのが、カセットに取り付けられたLEDですよね。この頃アイレムから発売されたファミコンカセットにはこのLEDが取り付けられていました。しかし、この『スペランカー』もそうですが、後期バージョンではLEDがないものもあります。どちらのカセットがいいかは完全に好みですが、アイレムらしさを優先するならLED付きのものを探してみるのがいいのではないかと思います。

text.レトロゲームライター 高島おしゃむ

スペランカー
Posted with Amakuri at 2018.6.10
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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。