2011年にPC向けに公開された無料の近未来レースゲーム『Nitronic Rush』を、PS Vitaで遊べるようにした非公式移植版『Nitronic Rush Vita』v1.0が、2026年10月28日に公開されました。開発を手掛けたのはarielxflores氏で、現在はGitHubなどで配布されています。
本作は、ブーストやジャンプ、さらには空中飛行などを駆使しながらコースを駆け抜けていくレースゲームです。今回の移植では、原作のストーリーモードや全52ステージに対応したアーケードモードに加えて、ゴーストカーや実績など、さまざまな要素が再現されています。
●Nitronic Rush for the PS Vita
https://github.com/arielxflores/NitronicRush-Vita
●原作PC版の公式配布ページ
https://games.digipen.edu/games/nitronic-rush
ジャンプや飛行も駆使する近未来レースゲーム
『Nitronic Rush』は、DigiPen Institute of Technologyの学生チーム「Team Nitronic」が制作し、2011年に無料公開したPC向けのレースゲームです。
舞台となるのは、ネオンが輝く近未来都市。プレイヤーは車を操作し、さまざまな仕掛けが用意されたコースを走り抜けていきます。最大の特徴は、通常のレースゲームとはひと味違ったアクションが楽しめるところです。
車にはブーストやジャンプといった機能が備わっているほか、翼を展開することで空中を飛行することもできます。また、空中でトリックを決めてスコアを稼ぐことも可能です。ブーストを使いすぎるとオーバーヒートするため、スピードだけでなく、こうした特殊能力をうまく使いこなすことも重要になってきます。
今回公開されたPS Vita版では、チュートリアルと6つのキャンペーンステージで構成されたストーリーモードを収録。各ステージの導入シーンやエンディングなども再現されています。
さらに、アーケードモードでは「Story」「Hardcore」「Challenge」「Stunt」といったモードに加えて、過去のステージやPC版に同梱されているコミュニティ制作のステージなど、合計52ステージを楽しむことができます。

ゴーストカーや28種類の実績にも対応! 開発者は60fpsでの動作を報告
ゲームモード以外にも、原作に用意されていたさまざまな要素が移植されています。
たとえば、過去の走行データと競争できるゴーストカー機能では、原作に収録されている開発者の記録に加えて、自分自身の走行データも利用できます。また、名前を登録できるローカルハイスコアや、28種類のゲーム内実績、条件を満たすことでアンロックされる車両などにも対応しています。
グラフィック面では、光の表現やスピード感を演出するモーションブラー、タイヤの跡や火花なども再現。音楽や効果音に加えて、操作ボタンの割り当て変更やタッチスクリーンを使ったメニュー操作にも対応しています。
ちなみに、今回の移植はエミュレーターを利用したものではありません。VitaSDKとvitaGLを使用し、C言語で再構築されたネイティブ移植となっています。
気になる動作速度については、開発者によると基本的に60fpsで動作するとのこと。ただし、処理の負荷が高いキャンペーン後半のステージ5~6では、50fps程度まで低下する場合があると説明しています。なお、これらは開発者による報告であり、当サイトが実機で測定した結果ではありません。
一方、PC版に用意されていたオンラインランキングや、オンライン上のゴーストデータを利用する機能には対応していません。

プレイするには無料PC版のゲームデータを変換する必要あり
『Nitronic Rush Vita』をプレイするうえで注意したいのが、配布されているVPKファイルをインストールするだけではゲームを起動できないという点です。
今回の非公式移植版には、原作のゲームデータが含まれていません。そのため、プレイヤー自身が無料配布されているPC版『Nitronic Rush』を入手し、専用ツールでPS Vita向けのデータに変換する必要があります。
原作のPC版は、現在もDigiPen Institute of Technologyの公式ゲームギャラリーから無料でダウンロードすることができます。
導入するには、まずHENkaku/Ensō環境のPS Vita、またはPS TVが必要です。さらに、『libshacccg.suprx』を所定の場所に配置する必要があり、PS Vita側には約400MBの空き容量が求められます。
ゲームデータの変換には、GitHubの配布ページで公開されている『NitronicRush-Vita-Converter.zip』を使用します。
Windowsの場合は、PC版『Nitronic Rush』をインストールしたフォルダーを、付属の『CONVERT (Windows).bat』にドラッグ&ドロップすることで変換できます。LinuxやmacOSでもスクリプトを利用できますが、こちらはPython 3やC++コンパイラーなどが必要です。
開発者によると、データの変換には約5~30分かかり、PC側に約1.5GBの空き容量が必要になるとのことです。
変換が完了したら、生成されたnitronicフォルダーをPS Vitaのux0:data/にコピーし、『NitronicRush-Vita.vpk』をインストールします。正しく配置されていれば、ux0:data/nitronic/nitronic.idxというファイルが存在する状態になります。
なお、開発者は追加プラグインの『CapUnlocker』を推奨していますが、こちらは必須ではなく、導入しなくてもゲーム自体は動作すると説明しています。

通常のPS Vitaにそのままインストールして遊べるわけではなく、導入にはある程度の知識と作業が必要です。それでも、2011年に登場した無料のPCゲームを、今度はPS Vitaで楽しめるようになったというのは興味深いところです。
原作のゲームデータを無料で入手できる点も含めて、PS Vitaを今でも活用している人にとっては、試してみたいタイトルのひとつといえるのではないでしょうか。


















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