N64『Conker’s Bad Fur Day』のPS Vita移植が60fpsに対応! 開発者が実機での動作結果を公開

N64『Conker's Bad Fur Day』のPS Vita移植が60fpsに対応! 開発者が実機での動作結果を公開

NINTENDO64用ゲーム『Conker’s Bad Fur Day』をPS Vita向けに非公式移植した『Conker Vita』の最新バージョンとなるv1.3.0が、2026年10月24日に公開されました。開発を手掛けているのは、GitHubユーザーのHenryKun55氏です。

今回のアップデートで注目したいのが、新たに60fpsでの動作に対応したことです。これまでのバージョンでも映像を補間することで最大60fpsの表示が可能でしたが、今回はゲームの処理そのものを60fpsで動作させる方式に変更されています。

開発者による実機テストでは、約1時間のプレイ中、約95パーセントの時間で58~60fpsを維持できたと報告されています。

●『Conker Vita』GitHub(プロジェクト概要・導入方法)
https://github.com/HenryKun55/conker-vita

●『Conker Vita』GitHub Releases(v1.3.0配布先・更新内容)
https://github.com/HenryKun55/conker-vita/releases

映像の補間ではなく、ゲームそのものを60fpsで動作!

『Conker’s Bad Fur Day』は、2001年にレア(Rare)から発売されたNINTENDO64用のアクションアドベンチャーゲームです。かわいらしい見た目のリスが主人公でありながら、ブラックユーモアや過激な表現が盛り込まれているのが特徴の作品です。

今回アップデートされた『Conker Vita』は、このNINTENDO64用ゲームをPS VitaやPS TVで動作させるために開発された非公式の移植プロジェクトです。一般的なエミュレーターとは異なり、『N64Recomp』などの技術を利用してNINTENDO64用のプログラムをC言語に変換し、PS Vitaでネイティブ動作するように作られています。

これまでの『Conker Vita』は、オリジナルのゲームと同じ30fpsで動作することを基本としていました。v1.1.0では最大60fpsの表示に対応したものの、こちらはゲームが描画したフレームの間に新しいフレームを生成する補間方式でした。そのため、ゲーム内部の処理は30fpsのままで、一部のエフェクトなども30fpsで動作していました。

一方、今回のv1.3.0ではゲーム内部の処理自体を60fpsで更新する方式が導入されています。単純に映像の枚数を増やすだけではないところが、今回のアップデートの大きなポイントです。

60fpsへの切り替えは、ゲーム内メニューの「Picture」にある「Frame rate」から行えます。プレイ中でも30fpsと60fpsを切り替えることができ、初期設定では30fpsが選ばれています。

なお、従来の補間方式はメニューから削除されました。旧バージョンで補間表示を有効にしていた場合は、アップデート後に新しい60fpsモードが有効になると説明されています。

実機では約95パーセントの時間で58~60fpsを維持

気になるのが、実際のPS Vitaでどこまで60fpsの動作を維持できるのかという点です。

開発者のHenryKun55氏によると、PS Vita実機を使って約1時間プレイした結果、約95パーセントの時間で58~60fpsを維持できたとのことです。

ただし、すべての場面で60fpsを維持できるわけではありません。とくに処理負荷の大きい雨が降っている酒場の入口付近では、30fps程度までフレームレートが低下することもあると報告されています。

それでも、フレームレートが低下したときにゲーム全体の動作速度まで遅くなることはないように調整されています。

もっとも、これらは開発者自身による測定結果であり、当サイトで実機を使って検証したものではありません。ゲームの進行状況や場面によってもパフォーマンスが変わる可能性があるため、常に60fpsで動作するというわけではない点には注意が必要です。

60fps化に合わせてゲーム内部の処理も修正

今回の60fps対応では、単にゲームの更新頻度を増やしただけではありません。元々30fpsを前提に作られていたゲームの処理についても、さまざまな調整が行われています。

たとえば、ゲームによってはフレーム数を基準にキャラクターやオブジェクトの動きを制御していることがあります。このような仕組みをそのまま60fpsで動作させると、移動速度が変わったり、特定のアニメーションが本来の2倍の速さで進んでしまったりする可能性があります。

そこでv1.3.0では、フレーム数に依存していた処理を修正。具体的には、Windyエリアに登場する跳ね回る生き物の動きや、落下する物体、気絶状態、移動する背景オブジェクト、重力に関する処理などが調整されています。

また、音声のフェード処理が正常に終了しなくなる問題についても修正されました。

こうした変更によって、30fpsと60fpsのどちらを選択しても、本来のゲーム速度を維持できるようにしています。ただし、オリジナル版とすべての場面で同じ挙動になることまで保証されているわけではありません。

カメラや操作表示の改善も実施

60fps対応以外にも、いくつかの機能が追加・改善されています。そのひとつが、新たに追加された「Avoids walls」というカメラオプションです。

従来は、プレイヤーが移動しているときにカメラが壁や柱、ドアなどの背後に回り込み、キャラクターが見えにくくなる場合がありました。新しいオプションを有効にすると、こうした場面でカメラが主人公のConkerに近づくように動作し、視界が遮られるのを抑えます。

ワイドスクリーン表示時に画面の左右へ壁が入り込むことを防ぐ効果もあります。ただし、この機能が適用されるのは通常のゲームプレイ中に使われる追従カメラのみで、イベントシーンなどには影響しません。こちらも初期設定ではオフになっています。

操作表示についても改善が行われています。

『Conker’s Bad Fur Day』には、特定のアクションが可能な場所を示すために、地面にBボタンのマークが描かれている場面があります。今回のアップデートでは、この表示がPS Vita側で割り当てた操作ボタンに対応するようになりました。

そのため、操作ボタンの割り当てを変更した場合でも、ゲーム内の表示がそれに合わせて切り替わります。

このほか、同じフレーム内で繰り返されるテクスチャの読み込み処理を省略する最適化も実施されています。開発者によれば、負荷の大きい場面で処理量を数パーセント削減できるとのことです。

プレイにはHomebrew環境と原作ROMが必要

『Conker Vita』は、任天堂や原作の権利者などが提供する公式移植作品ではありません。利用するには、Homebrewを動作させられるPS VitaまたはPS TVが必要です。

具体的には、『HENkaku』または『Ensō』を導入した環境に加えて、『VitaShell』や『libshacccg.suprx』などが必要になります。

また、GitHubで公開されている配布ファイルには、著作権で保護されたゲーム本体のデータは含まれていません。ゲームを動作させるには、別途、適法に用意した『Conker’s Bad Fur Day』の原作ROMが必要です。

なお、現在対応しているのは米国版のROMのみで、PAL版には対応していません。導入する際は、GitHubに掲載されている対応条件や手順を確認しておきましょう。

すでに旧バージョンを利用している場合は、最新版へ更新してもセーブデータや設定は引き継がれると説明されています。また、v1.0.0~v1.2.0からはゲーム起動時にアップデートの案内が表示されますが、ゲーム内から更新するには『Enable Unsafe Homebrew』の設定を有効にする必要があります。

NINTENDO64のゲームがPS Vitaで動くだけでも興味深いところですが、今回はさらにゲーム内部の60fps化まで実現しようとしている点が面白いところです。実際のプレイで操作感や滑らかさがどの程度変化するのかについても、気になるところですね。

ちなみに、当サイトでは以前、改造したPS Vitaを利用してさまざまなエミュレーターや移植作品を動作させる検証も行っています。PS VitaのHomebrew環境に興味がある人は、こちらもチェックしてみてください。

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