Analogue Pocket向けN64コア『MIRLO 64』がv0.4に更新! 約170作品に関係する音声処理やセーブの問題を修正

Analogue Pocket向けN64コア『MIRLO 64』がv0.4に更新! 約170作品に関係する音声処理やセーブの問題を修正

FPGAベースの携帯ゲーム機『Analogue Pocket』向けに開発されている、NINTENDO64用openFPGAコア『MIRLO 64』のv0.4が、2026年10月23日に公開されました。開発を手がけているのはtortugaveloz氏で、今回のアップデートでは音声やセーブ、グラフィック描画などに関する不具合が修正されています。

当サイトでは10月11日に初版の『MIRLO64 v0.1』を紹介しましたが、その後も10月16日にv0.2、20日にv0.3と更新が続いています。v0.3ではCPUやRSPの性能改善などが中心でしたが、今回は音の鳴り方やセーブ画面の表示など、プレイ中に気付きやすい問題への対処が中心となっています。なお、本コアは同じ開発者によるRISC-Vベースの『MIRLO』とは異なり、NINTENDO64のハードウェア構成を再現することを目指したプロジェクトです。

●『MIRLO 64』v0.4公式リリースページ
https://github.com/tortugaveloz/MIRLO64/releases/tag/v0.4

●『MIRLO 64』GitHubリポジトリ
https://github.com/tortugaveloz/MIRLO64

約170作品に関係する音声処理の不具合を修正

今回の修正で大きいのが、NINTENDO64の音声ライブラリーで使われる「音量エンベロープ」の処理です。これは、音の大きさを時間とともに変化させる仕組みで、音を徐々に大きくしたり、反対に小さくしたりするときに使われます。

従来の『MIRLO 64』ではこの処理に問題があり、本来は徐々に大きくなるはずの音が鳴らなかったり、余韻を残して小さくなるはずの音が急に途切れたりしていたとのこと。その結果、音楽が単発の音だけになり、途中に無音部分が生じるようなケースもあったと説明されています。

開発者によると、この音量エンベロープ処理は約170作品で使われています。今回の修正はそれらの作品に関係するものですが、約170作品すべてが正常に動作するようになったという意味ではありません。ゲームごとの音声や動作については、引き続き確認が必要です。

『マリオストーリー』のセーブ表示や対戦前の画面切り替えも改善

個別のゲームで発生していた問題にも手が加えられています。たとえば、海外で『Paper Mario』の名称で発売された『マリオストーリー』では、1つだけ作成したセーブファイルが、ゲームを再起動すると4つすべてのセーブスロットに重複して表示される不具合がありました。v0.4では、カートリッジ上のデータがない領域をゲームが参照した際の処理を修正することで、この表示問題に対処しています。

また、『Killer Instinct Gold』では、対戦開始前などに画面を暗転させる場面で、直前の映像が縦縞状に残ってしまう問題が修正されました。本来は黒く表示される場面を、NINTENDO64実機と同じように暗転させるための変更です。

どちらもゲームの進行に直接関わる場面だけに、単なる内部処理の変更ではなく、プレイ中に目にする不具合への対処といえそうです。なお、これらは開発者が公開した修正内容であり、当サイトでv0.4の独自実機検証を行ったものではありません。

テクスチャや描画処理も改良。6作品で動作テストを実施

グラフィック関連では、テクスチャのLOD(距離に応じて描画に使う画像の細かさを切り替える処理)や遠近補正、32ビットカラー画像の扱いなどが改善されました。さらに、NINTENDO64の描画を担当するRDPの処理や、映像出力を制御するVIの一部にも修正が加えられています。これらのグラフィック関連の修正にはfsegouin氏が貢献しています。

このほか、CPUのデータキャッシュに対して、別の処理がメモリーを書き換えた際の扱いも修正されています。こうした変更も、実機の動作をより正確に再現するためのものです。

開発者が今回のリリースでテストした作品としては、『Killer Instinct Gold』『Paper Mario(マリオストーリー)』『Quake II』『Automobili Lamborghini』『Micro Machines 64 Turbo』『Superman 64』の6作品が挙げられています。ただし、これらがすべての場面で問題なく遊べると保証されたわけではありません。開発者自身も広範囲のテストは行っていないとしており、ほかの作品では不具合が残る可能性があります。

v0.1から更新する場合はROMとセーブデータの移動に注意

『MIRLO 64』v0.4は、GitHubのリリースページから無料でダウンロードできます。配布ファイル『tortuga.Mirlo64_0.4.zip』を展開し、中身を『Analogue Pocket』のSDカードのルートにコピーして、既存のフォルダーと統合する形で導入します。ゲームのROMファイルは、ビッグエンディアン形式の.z64に対応しており、ゲームデータ自体は配布物に含まれていません。

現在のROM配置先はAssets/n64/common/で、起動時はopenFPGAメニューから「Console」→「Nintendo 64」を選びます。また、コア本体と実行用ファイルAssets/n64/common/n64rt.sysは組み合わせて動作するため、必ず同じv0.4のZIPに含まれるものへ更新する必要があります。

v0.3から更新する場合は、基本的に新しいZIPの内容を上書きするだけでよく、ROMやセーブデータの移動は不要です。一方、当サイトが以前紹介したv0.1から更新する場合は注意が必要です。v0.2でプラットフォーム名がmirloからn64に変更されたため、ROMをAssets/mirlo/common/からAssets/n64/common/へ、セーブデータをSaves/mirlo/からSaves/n64/へ移動する必要があります。現在の通常のセーブファイル保存先はSaves/n64/common/です。移動後、不要になった旧フォルダーや旧プラットフォーム設定を削除することもできます。

なお、現行版は最大64MiBのROMに対応していますが、振動機能は未対応で、Controller PakやTransfer Pakを使用できるのはプレイヤー1のみといった制限も残されています。『MIRLO 64』は現在もプレリリース版であり、ゲームによっては起動しなかったり、音声や映像に問題が発生したりする可能性があります。

初版の公開から2週間足らずで複数回の更新が行われ、NINTENDO64の動作を再現するための細かな修正が続いています。今回のv0.4は、とくに音声やセーブ表示など、実際のプレイで気付きやすい問題への対処が特徴です。まだ完成版ではありませんが、今後どの程度まで対応作品や動作の安定性が改善されるのか、引き続き見ていきたいところです。

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